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【特集】イラン大荒れの中で2300万円の勝ち、秘訣は「AI」×「ただでは転ばない」

すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技
Kさんの場合-1回完結


登場する銘柄
共栄タ<9130>、Jディスプレ<6740>、テラドローン<278A>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖、イラスト/福島由恵

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この記事を読んで分かること
1. 荒れ相場での短期取引の注意点
2. AIを活用して精度を高めた事例
3. AIの指摘を生かす際に気をつける点

足元の日経平均株価は最高値の更新モードに入っているが、ここ数カ月、相場を揺さぶってきたイラン情勢を巡る緊迫化の要因は抜本的に解決したわけではない。

今後も、NACHO(ホルムズ海峡の再開は見込めない)やTACO(トランプ氏はいつも腰砕け)で相場が乱高下する可能性への備えは必要だ。ではどうするのか。その参考になる一例として、KさんUrame-katさん(いずれもハンドルネーム)の取り組みを紹介していく。

どちらも、今年2月下旬から4月下旬にかけて相場が揺れ動く中で、リターンを手にした億り人だ。どちらも再登場となる2人の運用スタイルは、短期・モメンタム投資と中長期の割安成長株狙いで違いがある(下の表参照)が、リターンを手にした点では共通する。

異なるスタイルを持つ2人は、「トランプ・イラン波乱」の中で、どのような着眼点で銘柄選別、そして売買判断をしたのか?

2回シリーズで見ていこう。初回は、AIを活用して取引の精度を高めたKさんの事例を紹介する。

Kさん
【タイトル】株式の運用額:6億6000万円
投資スタイル:短期モメンタム投資。高値で買い、1~3日以内にさらに高値で売却
今回の注目点:AI(人工知能)で失敗の原因を特定、短期取引の精度アップ
過去のコラム100万円を17年で累計15億円に、モメンタム重視・短期決着の技

Urame-katさん
【タイトル】株式の運用額:5億円以上
投資スタイル:割安成長株の長期分散
今回の注目点:相場のトレンド転換を見極め、3月下旬に攻めの投資へと転換
過去のコラム最近の冴えない相場でも資産倍増、億り人達成

荒れ相場でも、2カ月で2300万円のリターン

短期モメンタム投資のKさんが、中核にしているのが信用取引を活用したデイトレ・スイングトレードだ。足元では投資信託、ETF(上場投資信託)、待機資金など合計6億6000万円分の資産を担保に、最大5億円の信用ポジションを持っている。

主に狙うのは、直近に高値を更新した銘柄で、さらなる更新が期待できそうなモメンタム銘柄だ。主な保有期間は1~3日間。この手法で、投資歴20年間の年間成績は負けなしで推移してきた。

直近の月間成績でも、イラン攻撃後の3月は+740万円、4月は+1600万円と、いずれも利益を確保した。同期間の日経平均株価は、3月に前月比▲13%、4月に同+16%と大きく変動しており、その中で比較的安定してリターンを積み上げたといえそうだ。

Kさんが直近の荒れ相場の中で意識してきたのは、普段の勝ちパターンは通用しないと割り切ることだった。相場が不安定になると、株価を左右する材料が次々と変化する。その変化を見極められず、損を食らう失敗はいつも以上に起こり得る。

肝心なのは、「相場が不安定だから」で終わらせないこと。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」の精神で、自分はどこを見誤ったのかを追求する姿勢を忘れなかった。

失敗から学び、成果を手にした技を見ていこう。

イラスト:福島由恵
■Kさん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
専業投資家。投資を開始したのは2006年、27歳の時。元手100万円から元本を一度も追加せず累計リターン20億円を稼いだ。リターンは高級車や不動産、その他生活費に使い、足元の運用資産は6億6000万円になる。年間成績では20年間無敗を達成している。株を始める前にパチプロとして月100万円以上を稼いできた経験が生きている。現在は妻と二人暮らし。

役立ったのが、共栄タンカー株での失敗

今回、Kさんが勝ち抜いていくのに重要なヒントとなったのが、日本郵船系でタンカー輸送を手掛ける共栄タンカー<9130>での失敗だ。

同社に注目したのは、イラン攻撃直後の2月末から3月半ばにかけての約2週間だ。ホルムズ海峡封鎖への警戒からタンカー運賃の上昇期待が高まり、収益改善の思惑から株価が急騰したためだ。株価は2月末の1400円から3月半ばには2000円台に突入した。

Kさんの狙いは、この短期的なモメンタムに乗ることだった。買いを入れたのは3月12~13日の2日間(下のチャート)。両日ともストップ高に届く勢いで上昇しており、その流れが翌営業日の16日も続くと見込んだためだ。

しかし思惑に反し、結果は失敗に終わる。続伸を期待した16日は、前営業日比▲10%近い急落から始まったためだ。Kさんは即座に損切りし、260万円の損失を出した

■共栄タンカーの日足チャート(2026年2~4月)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


振り返りに、2つのAIを活用

20年間、年間負けなしを続けてきたKさんの経験則では、上の共栄タンカーのようなケースでは、株価の上昇モメンタムは購入から3日くらいは期待できるものだった。

それが通用しなかった。なぜか。Kさんは自ら仮説を立てる一方で、その妥当性を検証するために生成AI(人工知能)の手を借りた。

Kさんは、約1年前から投資でAIを活用し始めている。その使い方の1つが、自分が行った取引の検証。売買履歴などをAIに読み込ませている。共栄タンカーのように失敗のケースでは、その原因や改善点を探し出すのに活用する。

AIの活用で、「自分1人の分析では、気づかない視点やヒントを得られる。とても役立っている」と本人は話す。

利用しているのは、米オープンAIの「ChatGPT」と米アンソロピックの「Claude」だ。いずれも有料版を使っている。AIに入力する情報は、取引履歴だけでなく、その銘柄の売買代金や年初来高値など、当時の状況を分析するためのデータも併せて読み込ませている。

では、今回の共栄タンカーの例では、AIは失敗に終わった要因をどのように判定したのか。その指摘を受けたKさんは、以降の取引で同じ失敗を繰り返さないためにどのような取り組みをし、最終的に2カ月で2500万円近いリターンを上げることができたのか。

Kさんを納得させたAIの指摘が、定量的な基準だった。

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