【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 6月22日版
日経平均は4月安値の3万0792円を目指す動きへ入っている公算も
1. NYダウは7月までの動きで年末までの上値の目安が見えてくる
前回の本コラムで、 NYダウの6月から7月にかけて想定できる2通りの展開を紹介しました。
1つ目は、4月からの上昇の流れを継続して、7月に向けて一段高となった後、7月または8月に値幅の伴った下げを経過するパターンです。
2つ目は、6月11日高値の4万3115ドルが戻り高値となって、6月が積極的な下げの流れを作った後、7月に押し目を確認する作業を経過して、7月の月足が陽線引けする動きとなるパターンです。
7月は、月足が陽線引けしやすい時期ですが、その前に価格が下げているからこそ、7月が陽線引けする展開になっています。
6月、7月は、上値を抑えられて、その時点での下げられる場所を模索しやすい時期となっています。
上値を抑えられやすい時期に上げ幅を拡大するには、「上げの勢いが終息していない」、「材料がある」などの上昇を後押しする理由が必要になります。
5月中旬以降のジグザグを経過して7月に一段高となるためには、上昇の流れを継続する格好で、一気に上げ幅を拡大するか、新たな材料が入り、買い人気が盛り上がるかのどちらかの動きが必要です。
前週、6月11日に戻り高値をつけた後、6営業日、高値を更新できていないことで、上昇の流れが終息していることを示しました。
6月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を経過した後も、上値の重い動きを継続しています。
前週の動きから、現在は6月11日高値の4万3115ドルが戻り高値となって、下値を試す動きへ入っているという見方ができます。
前回紹介した過去の値動きのパターンを考慮すると、目先の下げを経過した後、7月は押し目をつけて上値を試す動きになる可能性があります。
6月末に下降を開始して、7月に押し目をつけて、7月の月足が陽線引けする場合、押し目をつける日柄、上昇する日柄が必要になるので、7月は早い時期(上旬頃)に押し目になる安値まで下げていると考えられます。
7月の最初の週の週末頃を目安にするなら、あと10営業日程度で押し目をつける展開になります。この10営業日程度の下げ幅によって、本年は年末までの上値の限界が見えてきます。
図1はNYダウの日足で、赤と青の実線が今後の展開の目安になります。
今後の下げが、4月15日~21日の下げ幅(2961ドル幅)と同程度の下げ幅になる地点(4万0154ドル)で下値を支えられると、7月から9月にかけて下値堅さを確認した後、9月以降に価格が上昇する際、4万3115ドル以上へ上げる可能性を残すことになります。
4月15日以降、7月、9月まで全体として上値、下値を切り上げるジグザグの動きを経過して、年末へ向けて勢いの強い上げ幅の大きな上昇の流れへ入る展開が視野に入るからです。
一方で、4月21日安値の3万7830ドルに接近する程度まで下げる場合、4月安値の3万6611ドル以下への下げ余地があることを考えておく必要が出てきます。
そうなると、7月から9月にかけて価格が下げないとしても、9月までの期間は下値堅さを確認する作業で終わることになります。
9月以降、年末へ向けた上昇の流れへ入っても、4万3115ドルを目指す動きで終わるという見方が有力になります。
前週末の終値は4万2206ドルで、4万0154ドルまでだいたい2000ドル幅を残しています。10営業日で2000ドル幅の下げは、1営業日200ドル幅の下げの速度になります。
100ドルの反発があるなら、翌営業日以降に300ドル幅の下げを追加して500ドル下げるという下げ方になります。
週明け後、1営業日200ドル幅よりも速い速度の下げを経過すると、4万3115ドルが年末まで超えられない壁になり、遅い速度の下げになると、9月以降に4万3115ドルを超える展開になる可能性を残すと推測できます。
本日午前中、「米国がイランの核施設を攻撃した」という報道がありました。週明け後のNYダウは、価格が大きく下げる可能性があります。来週、一気に4万ドル以下へ下げる流れへ入るか、価格が下げても、下げ幅が限られるかによって、その後の展開が見えてきます。
図1 NYダウ日足と今後の展開

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1. NYダウは7月までの動きで年末までの上値の目安が見えてくる
前回の本コラムで、 NYダウの6月から7月にかけて想定できる2通りの展開を紹介しました。
1つ目は、4月からの上昇の流れを継続して、7月に向けて一段高となった後、7月または8月に値幅の伴った下げを経過するパターンです。
2つ目は、6月11日高値の4万3115ドルが戻り高値となって、6月が積極的な下げの流れを作った後、7月に押し目を確認する作業を経過して、7月の月足が陽線引けする動きとなるパターンです。
7月は、月足が陽線引けしやすい時期ですが、その前に価格が下げているからこそ、7月が陽線引けする展開になっています。
6月、7月は、上値を抑えられて、その時点での下げられる場所を模索しやすい時期となっています。
上値を抑えられやすい時期に上げ幅を拡大するには、「上げの勢いが終息していない」、「材料がある」などの上昇を後押しする理由が必要になります。
5月中旬以降のジグザグを経過して7月に一段高となるためには、上昇の流れを継続する格好で、一気に上げ幅を拡大するか、新たな材料が入り、買い人気が盛り上がるかのどちらかの動きが必要です。
前週、6月11日に戻り高値をつけた後、6営業日、高値を更新できていないことで、上昇の流れが終息していることを示しました。
6月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を経過した後も、上値の重い動きを継続しています。
前週の動きから、現在は6月11日高値の4万3115ドルが戻り高値となって、下値を試す動きへ入っているという見方ができます。
前回紹介した過去の値動きのパターンを考慮すると、目先の下げを経過した後、7月は押し目をつけて上値を試す動きになる可能性があります。
6月末に下降を開始して、7月に押し目をつけて、7月の月足が陽線引けする場合、押し目をつける日柄、上昇する日柄が必要になるので、7月は早い時期(上旬頃)に押し目になる安値まで下げていると考えられます。
7月の最初の週の週末頃を目安にするなら、あと10営業日程度で押し目をつける展開になります。この10営業日程度の下げ幅によって、本年は年末までの上値の限界が見えてきます。
図1はNYダウの日足で、赤と青の実線が今後の展開の目安になります。
今後の下げが、4月15日~21日の下げ幅(2961ドル幅)と同程度の下げ幅になる地点(4万0154ドル)で下値を支えられると、7月から9月にかけて下値堅さを確認した後、9月以降に価格が上昇する際、4万3115ドル以上へ上げる可能性を残すことになります。
4月15日以降、7月、9月まで全体として上値、下値を切り上げるジグザグの動きを経過して、年末へ向けて勢いの強い上げ幅の大きな上昇の流れへ入る展開が視野に入るからです。
一方で、4月21日安値の3万7830ドルに接近する程度まで下げる場合、4月安値の3万6611ドル以下への下げ余地があることを考えておく必要が出てきます。
そうなると、7月から9月にかけて価格が下げないとしても、9月までの期間は下値堅さを確認する作業で終わることになります。
9月以降、年末へ向けた上昇の流れへ入っても、4万3115ドルを目指す動きで終わるという見方が有力になります。
前週末の終値は4万2206ドルで、4万0154ドルまでだいたい2000ドル幅を残しています。10営業日で2000ドル幅の下げは、1営業日200ドル幅の下げの速度になります。
100ドルの反発があるなら、翌営業日以降に300ドル幅の下げを追加して500ドル下げるという下げ方になります。
週明け後、1営業日200ドル幅よりも速い速度の下げを経過すると、4万3115ドルが年末まで超えられない壁になり、遅い速度の下げになると、9月以降に4万3115ドルを超える展開になる可能性を残すと推測できます。
本日午前中、「米国がイランの核施設を攻撃した」という報道がありました。週明け後のNYダウは、価格が大きく下げる可能性があります。来週、一気に4万ドル以下へ下げる流れへ入るか、価格が下げても、下げ幅が限られるかによって、その後の展開が見えてきます。
図1 NYダウ日足と今後の展開

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