【特集】「だめだめナンピン」で高勝率、エリート億り人の“常識外れ”の技
すご腕投資家に聞く『銘柄選び』の技
トランプ波乱を勝ち抜く技
すとっくぱぱさんの場合
イラスト:福島由恵■すとっくぱぱさん(ハンドルネーム・60代・男性)のプロフィール:
日本株で1億4000万円を運用している兼業投資家。理系の大学院を卒業後、大手企業に就職し、米国MBA(経営学修士)留学を経て海外M&A(合併・買収)や新規事業開発に携わってきた。投資を始めたのは、MBA留学から帰国した1999年。当初はMBAで学んだ知識を生かして投資に挑戦したが、失敗が続く。しかしある書籍との出会いをきっかけに現在のナンピン買い戦略に転換。2000年代半ばから地道に精度を上げてきた。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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海外留学で学んだ企業価値理論よりも、"ナンピン上等"戦略で成功
ナンピン買いは、下手な投資家がやることだ――。投資家の間では、株価の下落局面に買い下がるのを愚の骨頂と断じる向きもある。
しかし、「そうした考えはステレオタイプに過ぎない」と、ナンピン買いで着実に利益を重ねてきたのが、エリート3人衆のトップバッター、すとぱぱさんだ。
すとぱぱさんは、華麗な経歴の持ち主。国内の大学院で理系の修士号を取得後に大手の通信系会社に就職。在職中に米国の有力大学院でMBA(経営学修士)を取得すると、復職後は事業開発やM&A(合併・買収)などを手掛けてきた。
株式投資は、この米国留学で取得した企業価値分析の知識を生かすつもりで始めた。だが、これといった成果を上げられずに悶々とした日々を過ごすことになった。
その状況に終止符を打つことになったのが、ある書籍との出会いだった。書かれていた内容に合点し、そこから今に至る独自開発の"ナンピン上等"戦略に切り替え、勝ち技に磨きをかけてきた。
一般的にはダメダメな手法とされるナンピン買いで、すとぱぱさんは年間で300万~400万円を着実に稼ぎ、多い年では700万~800万円の利益を上げている。この戦略で大きく失敗したのは1銘柄しかないという。
様々な意味で"常識外れ"の勝ち技を見ていこう。
第一生命、1年間で65回のナンピン買い
"ナンピン上等"戦略で、この1年で頻繁に取引し、利益を上げた銘柄の1つが、第一生命ホールディングス<8750>だ。
少額での売買を繰り返し、直近1年間(2024年6月~25年5月末)では合計65回のナンピン買いを行い、随時利確を進めた結果、トータルで150万円のリターンを得ている。
第一生命を狙ったのは、時価総額が大きい銘柄であることが1つ。そしてこの戦略には、向いていると判断している業種であることも理由だ。
すとぱぱさんがポートフォリオに組み入れる候補は、非鉄金属や化学などの素材関連や金融、不動産、景気敏感型の業種が多い。
だが、大型株で該当業種であれば、自動的に候補になるわけではない。肝心なのは、長期チャートで「ある特徴」が見られることだ。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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トランプ波乱を勝ち抜く技
すとっくぱぱさんの場合
取材・文/真弓重孝、高山英聖、イラスト/福島由恵
頭脳明晰な人は、高度な企業価値分析を駆使してリターンを稼いでいるに違いない。そうした見方を、いい意味で裏切っているのがこれから紹介する3人の億り人だ。
いずれも国内の超難関の大学や大学院を卒業したエリートだ。就職先は旧・東証1部上場の優良企業で、入社後はM&A(合併・買収)や事業開発の業務などに携わり、高度な企業価値分析の知見を持ち合わせている。
共通点は経歴や業務経験に限らず、自身の株式投資にも表れている。3人とも、得意とする企業価値分析に背を向けてきたことだ(下の図参照)。では、どのような勝ち技を駆使してきたのか。
これを3回シリーズで見ていく。初回は、投資ではご法度とみなされる手法を駆使する「すとっくぱぱさん(ハンドルネーム、以下すとぱぱさん)」だ。
■エリート3人衆の特徴

いずれも国内の超難関の大学や大学院を卒業したエリートだ。就職先は旧・東証1部上場の優良企業で、入社後はM&A(合併・買収)や事業開発の業務などに携わり、高度な企業価値分析の知見を持ち合わせている。
共通点は経歴や業務経験に限らず、自身の株式投資にも表れている。3人とも、得意とする企業価値分析に背を向けてきたことだ(下の図参照)。では、どのような勝ち技を駆使してきたのか。
これを3回シリーズで見ていく。初回は、投資ではご法度とみなされる手法を駆使する「すとっくぱぱさん(ハンドルネーム、以下すとぱぱさん)」だ。
■エリート3人衆の特徴


日本株で1億4000万円を運用している兼業投資家。理系の大学院を卒業後、大手企業に就職し、米国MBA(経営学修士)留学を経て海外M&A(合併・買収)や新規事業開発に携わってきた。投資を始めたのは、MBA留学から帰国した1999年。当初はMBAで学んだ知識を生かして投資に挑戦したが、失敗が続く。しかしある書籍との出会いをきっかけに現在のナンピン買い戦略に転換。2000年代半ばから地道に精度を上げてきた。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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この記事を読んで分かること |
1. ナンピン買いで注目するチャートの形状 |
2. 売買のタイミングを見極める分析手法 |
3. ナンピン上等戦略を築いた経緯 |
海外留学で学んだ企業価値理論よりも、"ナンピン上等"戦略で成功
ナンピン買いは、下手な投資家がやることだ――。投資家の間では、株価の下落局面に買い下がるのを愚の骨頂と断じる向きもある。
しかし、「そうした考えはステレオタイプに過ぎない」と、ナンピン買いで着実に利益を重ねてきたのが、エリート3人衆のトップバッター、すとぱぱさんだ。
すとぱぱさんは、華麗な経歴の持ち主。国内の大学院で理系の修士号を取得後に大手の通信系会社に就職。在職中に米国の有力大学院でMBA(経営学修士)を取得すると、復職後は事業開発やM&A(合併・買収)などを手掛けてきた。
株式投資は、この米国留学で取得した企業価値分析の知識を生かすつもりで始めた。だが、これといった成果を上げられずに悶々とした日々を過ごすことになった。
その状況に終止符を打つことになったのが、ある書籍との出会いだった。書かれていた内容に合点し、そこから今に至る独自開発の"ナンピン上等"戦略に切り替え、勝ち技に磨きをかけてきた。
一般的にはダメダメな手法とされるナンピン買いで、すとぱぱさんは年間で300万~400万円を着実に稼ぎ、多い年では700万~800万円の利益を上げている。この戦略で大きく失敗したのは1銘柄しかないという。
様々な意味で"常識外れ"の勝ち技を見ていこう。
第一生命、1年間で65回のナンピン買い
"ナンピン上等"戦略で、この1年で頻繁に取引し、利益を上げた銘柄の1つが、第一生命ホールディングス<8750>だ。
少額での売買を繰り返し、直近1年間(2024年6月~25年5月末)では合計65回のナンピン買いを行い、随時利確を進めた結果、トータルで150万円のリターンを得ている。
第一生命を狙ったのは、時価総額が大きい銘柄であることが1つ。そしてこの戦略には、向いていると判断している業種であることも理由だ。
すとぱぱさんがポートフォリオに組み入れる候補は、非鉄金属や化学などの素材関連や金融、不動産、景気敏感型の業種が多い。
だが、大型株で該当業種であれば、自動的に候補になるわけではない。肝心なのは、長期チャートで「ある特徴」が見られることだ。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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