【業界】証券口座乗っ取り　ログイン時の「多要素認証」設定必須化は74社に

　一連の証券口座乗っ取り問題をめぐり、日本証券業協会は、ログイン時の多要素認証の設定を必須化した証券会社74社（5月14日時点）をホームページで公開している。

　証券会社のウェブサイトを装ったフィッシングサイトなどを通じてログインIDやパスワードを抜き取られ、不正アクセス・不正取引をされる被害が急増しており、金融庁によると、今年1～4月に確認された不正アクセス件数は6380件、不正取引件数は3505件（売却金額：約1612億円、買付金額：約1437億円）に上る。

　同庁は被害防止のため、見覚えのある送信者からのメールやSMS等でもメッセージ内のリンクを開かない▽証券会社のウェブサイトへのアクセスは事前に正しいウェブサイトのURLをブックマーク登録しておき、ブックマークから行う▽インターネットでの取引時は各証券会社のセキュリティ強化機能（多要素認証や通知サービス）を有効にする――などの対策を呼び掛けている。

　なお、日証協は5月2日、証券10社と協議し、第三者による取引で損失を受けた人へ一定の被害補償を行う方針を申し合わせている。

■「多要素認証」設定必須化を決定した証券会社
https://www.jsda.or.jp/about/hatten/inv_alerts/alearts04/list_tayouso/index.html

株探ニュース