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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 5月18日版

日経平均はしばし戻せば売られる展開になる公算
1. 日経平均はこれまでの勢いの強い上昇の流れが終息
 図1は、上段が 日経平均株価の日足と25日移動平均線、下段が終値から25日移動平均線の値を引いた乖離線です。
 前回の本コラムでも紹介しましたが、1985年以降の乖離線を見ると、乖離線が2000円以上をつけているのは1990年のバブル崩壊後の暴落の反動高場面、2020年のコロナショック後の反動高場面、2023年、2024年の勢いの強い上昇場面などに限られています。
 25日の乖離線の2000円以上の地点は、極端な値動きがあったときにだけ表れる水準となっています。
 1985年以降の25日の乖離線の最高水準は、2024年7月11日の2593円となっていました。
 3万8494円で戻り高値をつけた5月13日は、乖離線が3165円まで上げて、上値を抑えられる動きへ入っています。
 乖離線が過去最高の水準まで上昇した後、反転下降する動きが表れているので、5月13日以降の下げは、4月中旬以降の勢いの強い上昇の流れの終息を示唆していると推測できます。
 オシレーター系指標が反転下降水準に位置してから反転すると、その後の価格は大きく下げると思われがちですが、そういうわけではありません。
 オシレーター系指標の高水準からの反転下降は、これまでの上昇の勢いが失われたことを示しているに過ぎません。新たな上昇を開始して、3万8494円を大きく上回る上げ場面へ入ることも十分に考えられます。
 ただ、新たな上昇を開始するためには、エネルギーの蓄積期間が必要になるということです。エネルギーの蓄積が必要とは、「価格が買い人気が表れる地点まで十分に下げる(調整幅)」、「経済指標の発表、金融政策の転換など、次にある材料に注目が集まるまでの時間(調整期間)」のどちらか、または両方を待っている状態を意味しています。
 国内で今後、新たな上昇を開始するのに十分なエネルギーをもらえる材料があるなら、それは日銀の引き締めから緩和方向への政策変更、参議院選挙での景気対策の公約などが考えられます。いずれも、6月以降の材料になるので、5月中に積極的な上昇を促す要因にはなりにくいと推測できます。
 5月中に再上昇を開始する可能性があるなら、現在の買い人気が継続していて、一定の値幅の下げを経過して、値位置で買われる動きになるという見方が有力です。
図1 日経平均株価の日足と乖離線
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