【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):富士ソフト、コーセー、サンリオ
富士ソフト <日足> 「株探」多機能チャートより
富士ソフト<9749>は高い。日本経済新聞電子版がこの日午後2時ごろ、「投資ファンドの米ベインキャピタルが富士ソフトに提案したTOB(株式公開買い付け)計画について、1株あたりの買い付け価格を従来の9450円から9600円に引き上げることが11日分かった」と報じた。米KKRが進めるTOBの買い付け価格9451円を上回ることになり、KKR案に賛同していた富士ソフトの対応が焦点になるという。この報道が手掛かりとなっている。
■ピーエス <1871> 1,109円 +15 円 (+1.4%) 本日終値
ピーエス・コンストラクション<1871>がプラス圏に浮上。午後1時ごろ、同社が開発した環境負荷低減型コンクリート「スチームレスプレキャストコンクリート(SLPC)」が、プレストレストコンクリート橋に初めて適用されたと発表しており、好材料視された。SLPCは速硬性に優れたプレキャスト部材用コンクリートで、コンクリートの初期強度発現を促進するために行われる蒸気養生を行うことなく所要の初期強度(プレストレス導入時強度、脱枠強度)が得られるため、部材製造時のCO2排出量を削減できる環境負荷低減型コンクリート。初適用した橋梁は、岡山市北区大内田~倉敷市栗坂のプレテンション方式PC4径間連結T桁橋で、主桁の製造時において15.5トンのCO2排出量削減につながったとしている。
■トライアル <141A> 2,963円 +36 円 (+1.2%) 本日終値
トライアルホールディングス<141A>は6日ぶり反発。10日取引終了後、11月度の「月次売上高速報(小売)」を発表。既存店売上高は前年同月比5.0%増とプラス基調を継続した。生鮮食品の強さが際立ち、即食ニーズを先読みした商品提案が奏功した。月末に開催したポイントアップイベントも売上高の成長に貢献した。これが買い手掛かりとなっている。
■コーセー <4922> 7,139円 +68 円 (+1.0%) 本日終値
コーセー<4922>が4日続伸。10日の取引終了後、コスメブランド「PANPURI(パンピューリ)」を展開するタイのピューリ社の株式を12月30日の予定で取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。取得価額は非開示で、ピューリ社の発行済み株数の79.89%を取得する。今回の株式取得により、ピューリ社の更なる成長に寄与するとともに、事業ポートフォリオの拡充、及びグローバルサウス(ASEAN/インド)市場におけるコーセーグループの存在感を高め、企業価値向上につなげるとしている。なお、24年12月期業績への影響は軽微としている。
■サンリオ <8136> 4,580円 -101 円 (-2.2%) 本日終値
サンリオ<8136>が6日続落。10日の取引終了後、17日を受渡期日とする2587万1800株の売り出しと上限を388万700株とするオーバーアロットメントによる売り出しに関して、売出価格が4540円に決定したと発表しており、これにサヤ寄せする格好となっている。
■GENDA <9166> 2,514円 -39 円 (-1.5%) 本日終値
GENDA<9166>は一時8%高の2758円まで上昇した。10日取引終了後に発表した2~10月期連結決算は売上高が前年同期比2倍の776億2700万円、営業利益が同30.1%増の54億2000万円だった。積極的なM&Aが寄与した。良好な決算内容が好感されたものの、買い一巡後は売りに押される展開となっている。
■サイゼリヤ <7581> 5,750円 -60 円 (-1.0%) 本日終値
サイゼリヤ<7581>は軟調。10日、不正アクセスにより個人情報の一部が漏えいしたと発表した。10月5日以降にシステム障害が発生し一部のサービスが停止したため、この原因を調査したところ、同月13日に第三者からランサムウェア攻撃を受けた事実が確認された。従業員や元従業員とその家族、取引先企業の関係者などに関する個人情報が漏えいしたという。
■東京建物 <8804> 2,555円 -26.5 円 (-1.0%) 本日終値
東京建物<8804>は反落。10日の取引終了後、ヒューリック<3003>が実施する株式の売り出しに、売出人の一社として参加するのに伴い、24年12月期第4四半期に投資有価証券売却益157億円を特別利益として計上する見込みとなったと発表したが、これに対する反応は限定的のようだ。なお、24年12月期業績への影響は、その他の要因を含めて精査中としている。
■アドバンテスト <6857> 8,435円 -43 円 (-0.5%) 本日終値
アドバンテスト<6857>やディスコ<6146>が軟調推移。レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>などが冴えない展開となった。前日の米国市場では量子コンピューター向け新型チップによる超高速計算の発表を行ったアルファベット<GOOG>が上昇した一方、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体関連株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%を超す下落となった。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が10日に発表した11月の売上高速報は前年同月比34%増と同月として過去最高を記録したものの、前月比で12%減となったことをネガティブ視する向きもある。米中対立の状況下での半導体株の先行きに対し慎重な見方がくすぶるなか、東京市場において半導体株に対しては買い手控えムードが広がったようだ。
■鉄建建設 <1815> 2,251円 -11 円 (-0.5%) 本日終値
鉄建建設<1815>が反発。10日の取引終了後、保有する投資有価証券の一部を売却するのに伴い、25年3月期に投資有価証券売却益約11億円を特別利益として計上すると発表しており、好材料視された。なお、業績予想への影響はその他の要因も含めて精査中としている。
株探ニュース