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【市況】株価指数先物【寄り前】 ヘッジ対応のロングが強まる可能性


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 39200 +250 (+0.64%)
TOPIX先物 2770.0 +11.0 (+0.39%)
シカゴ日経平均先物 39170 +220
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。朝方発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比0.2%上昇と、市場予想(0.3%上昇程度)を下回ったほか、前年同月比も3.4%上昇と市場予想(3.5%上昇程度)を下回る内容だった。これを受けて買いが先行し、NYダウは一時370ドルほど上昇する場面も見られた。午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、7会合連続で主要政策金利を据え置くことを決定した。政策運営の目安となるドットチャートでは、年内の利下げ予想回数が前回の3回から1回に減った。インフレ鎮静化や利下げ開始には時間を要するとの見方により、NYダウは下落に転じた。

 一方で、アップル<AAPL>が連日で最高値を更新したほか、エヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われ、S&P500指数、ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、電気通信サービス、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコが下落した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比220円高の3万9170円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8960円で始まり、直後に付けた3万8930円を安値に3万8930円~3万9000円辺りで保ち合いを継続。その後、CPIの結果を受けて3万9160円まで急伸し、米国市場の取引開始後には3万9270円まで買われた。中盤以降は3万9140円~3万9270円辺りで保ち合い、終盤には一時3万9290円まで上げ幅を広げる場面も見られた。取引終了間際に利食いの動きがみられ、3万9200円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。FOMCでは参加者の政策金利見通しで4人は年内の利下げはなし、7人は1回、8人は2回と予想した。利下げ開始時期が遠のくとの見方でNYダウは下落に転じたものの、これにより年後半までは利下げはないことが織り込まれた形である。アク抜けの流れのなか、ショートカバーを誘う動きが意識されそうである。

 日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線(3万8960円)辺りでの底堅さがみられるなか、CPIの結果を受けて上げ幅を広げ、FOMCの結果判明後も高値圏での推移が続いた。ボリンジャーバンドの+1σ(3万9030円)を上放れたことで、+2σ(3万9350円)水準が意識されよう。市場の関心は日銀の金融政策決定会合に移ることになるが、6月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)を前にレンジを切り上げてくる動きのなか、ヘッジ対応のロングが強まる可能性がある。

 そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。また、週末の終値で13週線(3万8840円)を上回って終える可能性が高まるなか、4月半ばの急落局面での陰線(3万6710円~3万9570円)を埋める動きに向かいそうである。この陰線を埋めてくると、その後は週足の+1σ(3万9800円)辺りまでの上昇が意識されてきそうだ。

 12日のVIX指数は12.04(前日は12.85)に低下した。12.74辺りに位置する25日線を割り込み、一時11.94まで切り下がる場面もみられた。FOMCおよびCPIを通過したことにより、5月23日に付けた11.52辺りが意識されてくるなか、リスク選好の動きが強まることになろう。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.11倍に上昇した。一時14.13倍に切り上がり、同水準に位置する200日線を捉える場面もみられた。米ハイテク株高の流れを引き継ぐ形から、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が見込まれるなか、同線を突破してくる可能性が大きい。前日までの上昇で持ち高調整に伴うリバランスには一巡感はあるものの、NTロングに振れやすいと考えられる。

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