【経済】【クラファン】VC出資多数! 独身従業員向け“AIマッチングアプリ”のAill、8月5日募集開始
導入企業の独身従業員向けのマッチングアプリを運営する株式会社Aill(東京都港区)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは8月5日10時開始を予定しています。
導入企業の独身従業員が利用できる「Aill goen」
Aill代表の豊嶋千奈氏は、新卒で入社した大手製薬会社でトップ営業として活躍し、5年連続社内表彰受賞、20代で幹部候補に選出されるなどしてきましたが、29歳の時に「そんなにバリバリ働いて会社と結婚するつもりなの?」と言われたことをきっかけに「Aill goen(エールゴエン)」のビジネスを構想。普段頑張っている人に「仕事と愛を両立し、幸せな人生を歩んでほしい」という思いから、事業を立ち上げました。
「Aill goen」には男女のコミュニケーションをアシストする「AI」を搭載。AI開発では、同氏のトップ営業のノウハウをAIに学習させ、日本を代表するAI研究者3名の協力を得てシステムを構築し、精度の向上に取り組んでいます。
同社のAIは恋愛だけでなく、人と人のコミュニケーション分野に転用が可能で、直近では、企業の上司と部下が円滑なコミュニケーションを図り、福利厚生の適正な利用を促進するサービスへの転用を進めています。
(出典:FUNDINNO)
「Aill goen」は導入企業の独身従業員のみが利用できるAI良縁マッチング&ナビゲーションアプリで、企業専用の福利厚生サービスとして提供しており、現在、大手航空会社や鉄道会社、電気通信会社、電力会社、メガバンク、電機メーカーなどの上場企業や自治体、官公庁などへの導入が進み、導入企業数1000社を達成しています(2023年6月末時点)。
2021年には、朝日メディアラボベンチャーズ株式会社やABCドリームベンチャーズ株式会社、名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社といったメディア企業などから、シリーズAラウンドで、総額約1億1500万円の資金調達を実施しています。
(出典:FUNDINNO)
Aillによると、「Aill goen」は単なるマッチングアプリではなく、出会いから交際までの一連のプロセスを通じて、価値観や感情の可視化、関係を進展させるベストタイミングを知らせるなど、失敗や傷つくことを避けたい若者にAIが寄り添うものだといいます。また、企業の福利厚生専用サービスとして展開することで身元の保証と安全性が担保されている点も、従来のアプリとは大きく異なる点だとしています。
「私生活の充実は、幸福度を高め、仕事の意欲や生産性向上に寄与することから、仕事と家庭を支え合えるパートナーとの良縁作りを支援する『Aill goen』は個人だけではなく、企業にとっても、人材確保・女性の活躍などの課題を解決に導く救世主になると考えています」(同社)
今回の資金調達により、「Aill goen」のマーケティングおよびセールス体制の拡充を推進し、単月黒字化を目指すとともに、精度を向上させたAIを、上司と部下のコミュニケーションをアシストするサービスとして開発を計画している「Aill work&life」に応用し、事業の拡大、IPOを目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「非婚化」「人材不足」などの課題に挑む
日本の人口減少の原因の一つに「非婚化」があり、出会いの少なさや、精神的・金銭的・時間的な負担が多く、コストパフォーマンスが悪いという意識、コミュニケーションの難しさから失敗するリスクを回避したいという意識が、恋愛を遠ざける要因の一つになっていると同社は考えています。
結婚したとしても、日常の家事や出産、育児、介護など、家庭内で担う役割の負担が大きいことから、女性側がキャリアを諦めざるを得ないケースが多いという課題もあると見ています。
こうした課題を解決するため、同社は「AI」を用いた良縁作りの支援に取り組んでいます。同社のAIは価値観を重視したマッチングだけではなく、コミュニケーションの仲介や関係進展のファシリテーションまで可能。AIがナビゲーションすることで、恋愛に至るまでのハードルや失敗のリスクを取り除くことを目指しています。
(出典:FUNDINNO)
企業としては、急速に変化する経営環境に適応しながら持続的な成長を実現するため、イノベーションや付加価値を生む優秀な人材の獲得が喫緊の課題ではあるものの、労働力人口の減少による人手不足で人材の獲得は困難になっていると同社は考えています。
同社のサービスは、女性の活躍や、ワークライフバランスを重視する若手人材のエンゲージメント向上を促進し、人的資本の社内環境整備方針や施策として有価証券報告書に記載できる点も企業の大きなメリットになり得るそうです。
「働く人たちが『自分の幸せ』を実現することで、組織の成長や価値向上、さらには社会の発展につながる世の中こそが弊社の目指す姿です」(同社)
(出典:FUNDINNO)
ユーザーに「安心・安全」、企業に「人材獲得」などの価値を提供
「Aill goen」は導入企業の独身従業員のみが利用できるサービスであり、また、「Aill goen」を導入できるのは上場企業やそのグループ会社、各種認定取得企業、有資格士業団体や官公庁など、同社の入会基準をクリアした組織のみに限定しています。
同社によると、マッチングサービスの利用拡大に伴い、利用経験者の約6割がトラブルを経験していますが、その内容は不特定多数の登録に起因するものが大半を占めており、また、コミュニケーションの労力が大きく、費用対効果が悪い点も従来のマッチングアプリの課題だといいます。
「Aill goen」は、こうした課題を踏まえ、ユーザーに以下の価値を提供しているそうです。
【安心・安全】
信頼できる企業コミュニティをベースに、会員登録の際は勤務先を通じて審査を行い、安心・安全の確保に努めています。相手の紹介は社外の人のみで、会員の個人情報が所属会社に共有されることはありません。
【価値観を重視したマッチング】
AIが将来のキャリアプランやライフプランを軸に価値観が近いと分析した相手を紹介します。男女ともに、仕事と家庭を支え合いたいと考えるユーザーが多い点が特徴の一つだそうです。
【AIによる関係進展アシスト】
マッチング後はAIが2人の間に立ち、話題の提案や関係進展のベストタイミングをアドバイスします。感情や好感度を可視化し、進展可能性を確認しながら行動できるようアシストします。
AIチャットボットはユーザーとAIによるQ&A形式の会話が一般的ですが、同社のAIは2人のコミュニケーションを両側から解析し、恋愛のプロセスと照らし合わせた上で、2人の進展状態に沿ったアクションを提案できるそうです。
さらに、ユーザーの本音をアンケート形式でヒアリングし、本音を知った状態でコミュニケーションをアシストすることで、先回りして失敗を防止。AI独自の予測とユーザーの本音が一致しているかを検証し、精度向上に反映しています。この機能で特許も取得しています。
「Aill goen」内でのコミュニケーションにおいて、AIのアシストに従った場合と従わなかった場合を比較すると、デートに至った割合は約7倍、告白の成功率は約10倍に上昇したそうです(2023年6月末時点)。
「ロジカルとエモーショナルが入り乱れる恋愛を可視化し、コミュニケーションを最適化するAIは、弊社代表のトップ営業のノウハウと、AI研究の先駆者である教授陣の知見が基盤になっています」(同社)
一方で、企業の多くが「人材」を主要な経営課題としており、特に若者世代はワークライフバランスを重視し、結婚後は共働きを希望する割合が高まっているため、プライベートにも配慮した福利厚生の充実が必要だと同社は考えています。
「Aill goen」は独身従業員に、仕事と家庭を支え合えるパートナーとの良縁を提供し、共働きを前提としたパートナーシップの形成を促進しており、企業に以下の価値を提供しているそうです。
【雇用継続・女性活躍】
夫婦双方の福利厚生を活用することで、女性は産休・育休後に仕事復帰しやすく、キャリアの継続が可能になるとともに、片方の企業だけに負担が集中しないため、フォローする従業員の負担も軽減でき、離職の防止にもつながるといいます。
【人材獲得】
ワークライフバランスを重視する人材に対し、従業員のプライベートを大切にする企業姿勢をアピールすることが可能。公的支援の少ない独身者向けの制度によって、若手人材などへの訴求力向上も期待できます。
【有価証券報告書への社内環境整備方針・施策の記載】
2023年3月期から義務化された有価証券報告書への人的資本の情報開示に対し、「女性の活躍」「産休・育休後の職場復帰」「人材採用・離職防止」などを、社内環境整備方針や施策として記載することが可能です。
(出典:FUNDINNO)
Aillの「ビジネスモデル」「顧客獲得戦略」「優位性・参入障壁」
【ビジネスモデル】
「Aill goen」は、個人ユーザーのみでマネタイズする一般的なマッチングアプリとは異なり、福利厚生サービスとして企業と年間契約し、年額60万円(税別)のシステム利用料を徴収しているため、安定的な収益化が見込めるといいます。
さらに従業員が有料会員としてサービスを利用することで、売上が上乗せされる仕組みです(企業が従業員の利用料金を負担するケースも)。
また、マッチングアプリの特徴として「パートナーが見つかる=解約」という課題があり、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)向上に難しさがありましたが、「Aill goen」は福利厚生サービスとして提供することで、この課題解決に取り組んでいます。
さらに、今後開発を計画している、従業員のワーク&ライフサポートサービス「Aill work&life」の展開により、顧客ライフサイクルの延長が期待できるといい、「Aill goen」「Aill work&life」で互いにユーザーを送客することで、サービス同士のシナジーが起こりやすい点も強みだそうです。
【顧客獲得戦略】
同社は「Aill goen」がスケールするためのキードライバーは以下の2つだとしています。
1つ目は、企業との面談数を拡大することです。同社の営業成約率は6割を超えており、面談を行うことで着実に導入企業を拡大していくことが可能だと考えています。
2つ目は、導入企業の従業員が認知することです。社内広報によって従業員の認知を拡大し、利用促進につなげていくことが重要だとしています。
これらを実現するため、自社での営業と導入企業からの紹介による商談のほか、大手生命保険企業や地方銀行など営業パートナーとの提携により、導入企業数を伸ばしていく考えです。有価証券報告書への人的資本情報開示の追い風もあり、商談数に比例して、導入企業も順調に増加しているといいます。
契約済みの企業には社内広報窓口を設置してもらい、従業員への認知拡大を促進しています。企業側には、最低年2回の社内案内の実施を条件に、従業員サービス利用料月額2000円割引というインセンティブを提供しています。
2023年中には、大手生命保険企業とのタイアップにより、全国1万人以上の保険外交員が顧客企業の従業員に直接、「Aill goen」の利用促進を行うことで、エンドユーザーへの直接的な働きかけを強化する計画です。
ユーザーに対しては、無料プランで会員登録を促進し、アプローチ可能な人数に差をつけることで、有料契約への転換を促す戦略を採用。また、アプリを利用する従業員が1人でもいれば、企業は解約に踏み切りにくくなるため、2023年6月末時点で解約率ゼロが続いているそうです。
これらの取り組みにより、3年以内に「Aill goen」事業の単月黒字化を目指しています。
【優位性・参入障壁】
「Aill goen」は日本を代表するAI研究者3名との共同開発によって実現しており、人と人を仲介し、両者の真意を確認してからコミュニケーションを行うAI技術などで特許も取得済みで、模倣は難しいといいます。
また、「Aill goen」の運用と日々の研究開発によって、AIの精度が順調に向上し、同社独自の単語辞書は10万語を超過。恋愛のコミュニケーションをベースにした自然言語処理用の日本語辞書データは、さまざまな領域での横展開が可能だと考えています。
「Aill goen」正式ローンチ前の実証実験では、多数のグループ企業を有する大企業で試験導入に成功したことで必要な信頼を勝ち取り、大手企業や官公庁への導入拡大につながったそうです。
今後の成長に向けて
(1)「Aill work&life」を2025年にローンチ、プライベートと仕事の両立による幸福度向上を目指す
同社は今後、「Aill goen」によって恋愛のコミュニケーションを学習したAIを職場でのコミュニケーション用途に拡張し、上司と部下の仲立ちや福利厚生の適切な利用促進を行う、従業員のワーク&ライフサポートサービス「Aill work&life」の展開を計画しています。
実情を直接言いづらい従業員と、ハラスメントのリスクがあるため、詳細を聞きにくい上司や会社との間にはコミュニケーションギャップが生じやすく、エンゲージメントや定着率に影響すると同社は考えています。
そこで、同社は、AIが上司と部下のコミュニケーションをアシストするサービスによって、直接言いづらい実情を代わりにヒアリングし、1次対応を行うことでハラスメントリスクを回避しながらコミュニケーションギャップを埋め、パフォーマンスやエンゲージメントの向上につなげようとしています。
AIがサポートする範囲として、従業員については「勤怠データ解析・個別ヒアリング・最適な福利厚生の利用提案」、上司については「アラート発出・フィードバック・引き継ぎ」などを想定しており、オーバーワークの未然防止や面談後フォロー、産休・育休の取得・復帰アシストなどに活用してもらいたい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「『Aill goen』と『Aill work&life』の相互作用によって、ワークとライフの充実を支援し、働く人、さらには企業や組織全体のウェルビーイングを実現したいと考えています」(同社)
(2)企業マーケティングに活用可能な「Aillサービスサジェスト」を展開予定
将来的な展開としては、AIをマーケティングに活用した「Aill サービスサジェスト」の実装を検討しています。
「Aill サービスサジェスト」は「Aill goen」「Aill work&life」内でユーザーに行動を提案し、提携サービスを紹介、行動の促進によって送客を行うサービスです。
映画会社との実証実験では、「Aill goen」アプリ上で映画の予告を配信し、価値観の合う異性をAIが紹介、マッチング後、最初のデートでその映画の鑑賞を提案するという取り組みを実施。鉄道会社との実証実験では、デートに行きそうな2人に、AIが「食レポイベント」を提案し、提携レストランから店舗を選択、来店後、食レポを投稿するとクーポンが得られるという企画を行っています。
「Aill サービスサジェスト」は「Aill goen」「Aill work&life」ユーザーの中からターゲットを絞り込むため、解像度の高いターゲティングが可能で、効率的な送客や効果検証、顧客満足度のフィードバックなど多くのメリットを提供できるとしています。
(出典:FUNDINNO)
「弊社のAIは恋愛に特化したものではないため、さまざまなコミュニケーション領域に転用が可能です。コミュニケーションギャップが課題となるようなサービスに横展開していき、さらにビジネスをスケールさせていく考えです」(同社)
(3)将来のExitはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2028年に「Aill goen」の有料導入企業数3500社以上を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、以下のVC・事業会社・エンジェル投資家などから出資を受けています。
・株式会社iSGS インベストメントワークス
・株式会社フォース・マーケティングアンドマネージメント
・GxPartners LLP
・朝日メディアラボベンチャーズ株式会社
・ABCドリームベンチャーズ株式会社
・名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社
・株式会社D2 Garage
・Sapporo Founders Fund
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・リンクバル <6046> [東証G]
・タメニー <6181> [東証G]
・グッピーズ <5127> [東証G]
・リベロ <9245> [東証G]
・ベネフィット・ワン <2412> [東証P]
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社Aill
東京都港区港南一丁目9番36号
資本金:50,000,000円(2023年6月13日現在)
発行済株式総数:1,113株(同)
発行可能株式総数:5,149株
設立日:2016年10月21日
決算日:9月30日
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 豊嶋千奈
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
8,001個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,500,000円コース(450個)を上限とする。
■申込期間
2023年8月5日~8月21日
■目標募集額
15,030,000円(上限募集額 80,010,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は64,008,000円とする。
■払込期日
2023年9月13日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,503万円を以下の目的に充てる予定。
営業・マーケティング人件費 1,172万円
手数料 330万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額6,498万円(目標募集額1,503万円と上限募集額8,001万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業・マーケティング人件費 1,500万円
開発費 3,568万円
手数料 1,429万円
■連絡先
株式会社Aill
電話番号:03-6280-7480
メールアドレス:info@aill.ai
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼<複数のVCが出資>上場企業や官公庁など1,000社以上で導入。雇用や福利厚生を大切にする企業の従業員が使えるAI良縁マッチングアプリ「Aill goen」
株探ニュース
・ | 新株予約権型 |
・ | 目標募集額:1503万円、上限募集額:8001万円 |
・ | VC出資実績あり |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 類似上場企業:リンクバル <6046> [東証G]、タメニー <6181> [東証G]、グッピーズ <5127> [東証G]、リベロ <9245> [東証G]、ベネフィット・ワン <2412> [東証P] |
導入企業の独身従業員が利用できる「Aill goen」
Aill代表の豊嶋千奈氏は、新卒で入社した大手製薬会社でトップ営業として活躍し、5年連続社内表彰受賞、20代で幹部候補に選出されるなどしてきましたが、29歳の時に「そんなにバリバリ働いて会社と結婚するつもりなの?」と言われたことをきっかけに「Aill goen(エールゴエン)」のビジネスを構想。普段頑張っている人に「仕事と愛を両立し、幸せな人生を歩んでほしい」という思いから、事業を立ち上げました。
「Aill goen」には男女のコミュニケーションをアシストする「AI」を搭載。AI開発では、同氏のトップ営業のノウハウをAIに学習させ、日本を代表するAI研究者3名の協力を得てシステムを構築し、精度の向上に取り組んでいます。
同社のAIは恋愛だけでなく、人と人のコミュニケーション分野に転用が可能で、直近では、企業の上司と部下が円滑なコミュニケーションを図り、福利厚生の適正な利用を促進するサービスへの転用を進めています。
(出典:FUNDINNO)
「Aill goen」は導入企業の独身従業員のみが利用できるAI良縁マッチング&ナビゲーションアプリで、企業専用の福利厚生サービスとして提供しており、現在、大手航空会社や鉄道会社、電気通信会社、電力会社、メガバンク、電機メーカーなどの上場企業や自治体、官公庁などへの導入が進み、導入企業数1000社を達成しています(2023年6月末時点)。
2021年には、朝日メディアラボベンチャーズ株式会社やABCドリームベンチャーズ株式会社、名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社といったメディア企業などから、シリーズAラウンドで、総額約1億1500万円の資金調達を実施しています。
(出典:FUNDINNO)
Aillによると、「Aill goen」は単なるマッチングアプリではなく、出会いから交際までの一連のプロセスを通じて、価値観や感情の可視化、関係を進展させるベストタイミングを知らせるなど、失敗や傷つくことを避けたい若者にAIが寄り添うものだといいます。また、企業の福利厚生専用サービスとして展開することで身元の保証と安全性が担保されている点も、従来のアプリとは大きく異なる点だとしています。
「私生活の充実は、幸福度を高め、仕事の意欲や生産性向上に寄与することから、仕事と家庭を支え合えるパートナーとの良縁作りを支援する『Aill goen』は個人だけではなく、企業にとっても、人材確保・女性の活躍などの課題を解決に導く救世主になると考えています」(同社)
今回の資金調達により、「Aill goen」のマーケティングおよびセールス体制の拡充を推進し、単月黒字化を目指すとともに、精度を向上させたAIを、上司と部下のコミュニケーションをアシストするサービスとして開発を計画している「Aill work&life」に応用し、事業の拡大、IPOを目指したい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「非婚化」「人材不足」などの課題に挑む
日本の人口減少の原因の一つに「非婚化」があり、出会いの少なさや、精神的・金銭的・時間的な負担が多く、コストパフォーマンスが悪いという意識、コミュニケーションの難しさから失敗するリスクを回避したいという意識が、恋愛を遠ざける要因の一つになっていると同社は考えています。
結婚したとしても、日常の家事や出産、育児、介護など、家庭内で担う役割の負担が大きいことから、女性側がキャリアを諦めざるを得ないケースが多いという課題もあると見ています。
こうした課題を解決するため、同社は「AI」を用いた良縁作りの支援に取り組んでいます。同社のAIは価値観を重視したマッチングだけではなく、コミュニケーションの仲介や関係進展のファシリテーションまで可能。AIがナビゲーションすることで、恋愛に至るまでのハードルや失敗のリスクを取り除くことを目指しています。
(出典:FUNDINNO)
企業としては、急速に変化する経営環境に適応しながら持続的な成長を実現するため、イノベーションや付加価値を生む優秀な人材の獲得が喫緊の課題ではあるものの、労働力人口の減少による人手不足で人材の獲得は困難になっていると同社は考えています。
同社のサービスは、女性の活躍や、ワークライフバランスを重視する若手人材のエンゲージメント向上を促進し、人的資本の社内環境整備方針や施策として有価証券報告書に記載できる点も企業の大きなメリットになり得るそうです。
「働く人たちが『自分の幸せ』を実現することで、組織の成長や価値向上、さらには社会の発展につながる世の中こそが弊社の目指す姿です」(同社)
(出典:FUNDINNO)
ユーザーに「安心・安全」、企業に「人材獲得」などの価値を提供
「Aill goen」は導入企業の独身従業員のみが利用できるサービスであり、また、「Aill goen」を導入できるのは上場企業やそのグループ会社、各種認定取得企業、有資格士業団体や官公庁など、同社の入会基準をクリアした組織のみに限定しています。
同社によると、マッチングサービスの利用拡大に伴い、利用経験者の約6割がトラブルを経験していますが、その内容は不特定多数の登録に起因するものが大半を占めており、また、コミュニケーションの労力が大きく、費用対効果が悪い点も従来のマッチングアプリの課題だといいます。
「Aill goen」は、こうした課題を踏まえ、ユーザーに以下の価値を提供しているそうです。
【安心・安全】
信頼できる企業コミュニティをベースに、会員登録の際は勤務先を通じて審査を行い、安心・安全の確保に努めています。相手の紹介は社外の人のみで、会員の個人情報が所属会社に共有されることはありません。
【価値観を重視したマッチング】
AIが将来のキャリアプランやライフプランを軸に価値観が近いと分析した相手を紹介します。男女ともに、仕事と家庭を支え合いたいと考えるユーザーが多い点が特徴の一つだそうです。
【AIによる関係進展アシスト】
マッチング後はAIが2人の間に立ち、話題の提案や関係進展のベストタイミングをアドバイスします。感情や好感度を可視化し、進展可能性を確認しながら行動できるようアシストします。
AIチャットボットはユーザーとAIによるQ&A形式の会話が一般的ですが、同社のAIは2人のコミュニケーションを両側から解析し、恋愛のプロセスと照らし合わせた上で、2人の進展状態に沿ったアクションを提案できるそうです。
さらに、ユーザーの本音をアンケート形式でヒアリングし、本音を知った状態でコミュニケーションをアシストすることで、先回りして失敗を防止。AI独自の予測とユーザーの本音が一致しているかを検証し、精度向上に反映しています。この機能で特許も取得しています。
「Aill goen」内でのコミュニケーションにおいて、AIのアシストに従った場合と従わなかった場合を比較すると、デートに至った割合は約7倍、告白の成功率は約10倍に上昇したそうです(2023年6月末時点)。
「ロジカルとエモーショナルが入り乱れる恋愛を可視化し、コミュニケーションを最適化するAIは、弊社代表のトップ営業のノウハウと、AI研究の先駆者である教授陣の知見が基盤になっています」(同社)
一方で、企業の多くが「人材」を主要な経営課題としており、特に若者世代はワークライフバランスを重視し、結婚後は共働きを希望する割合が高まっているため、プライベートにも配慮した福利厚生の充実が必要だと同社は考えています。
「Aill goen」は独身従業員に、仕事と家庭を支え合えるパートナーとの良縁を提供し、共働きを前提としたパートナーシップの形成を促進しており、企業に以下の価値を提供しているそうです。
【雇用継続・女性活躍】
夫婦双方の福利厚生を活用することで、女性は産休・育休後に仕事復帰しやすく、キャリアの継続が可能になるとともに、片方の企業だけに負担が集中しないため、フォローする従業員の負担も軽減でき、離職の防止にもつながるといいます。
【人材獲得】
ワークライフバランスを重視する人材に対し、従業員のプライベートを大切にする企業姿勢をアピールすることが可能。公的支援の少ない独身者向けの制度によって、若手人材などへの訴求力向上も期待できます。
【有価証券報告書への社内環境整備方針・施策の記載】
2023年3月期から義務化された有価証券報告書への人的資本の情報開示に対し、「女性の活躍」「産休・育休後の職場復帰」「人材採用・離職防止」などを、社内環境整備方針や施策として記載することが可能です。
(出典:FUNDINNO)
Aillの「ビジネスモデル」「顧客獲得戦略」「優位性・参入障壁」
【ビジネスモデル】
「Aill goen」は、個人ユーザーのみでマネタイズする一般的なマッチングアプリとは異なり、福利厚生サービスとして企業と年間契約し、年額60万円(税別)のシステム利用料を徴収しているため、安定的な収益化が見込めるといいます。
さらに従業員が有料会員としてサービスを利用することで、売上が上乗せされる仕組みです(企業が従業員の利用料金を負担するケースも)。
また、マッチングアプリの特徴として「パートナーが見つかる=解約」という課題があり、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)向上に難しさがありましたが、「Aill goen」は福利厚生サービスとして提供することで、この課題解決に取り組んでいます。
さらに、今後開発を計画している、従業員のワーク&ライフサポートサービス「Aill work&life」の展開により、顧客ライフサイクルの延長が期待できるといい、「Aill goen」「Aill work&life」で互いにユーザーを送客することで、サービス同士のシナジーが起こりやすい点も強みだそうです。
【顧客獲得戦略】
同社は「Aill goen」がスケールするためのキードライバーは以下の2つだとしています。
1つ目は、企業との面談数を拡大することです。同社の営業成約率は6割を超えており、面談を行うことで着実に導入企業を拡大していくことが可能だと考えています。
2つ目は、導入企業の従業員が認知することです。社内広報によって従業員の認知を拡大し、利用促進につなげていくことが重要だとしています。
これらを実現するため、自社での営業と導入企業からの紹介による商談のほか、大手生命保険企業や地方銀行など営業パートナーとの提携により、導入企業数を伸ばしていく考えです。有価証券報告書への人的資本情報開示の追い風もあり、商談数に比例して、導入企業も順調に増加しているといいます。
契約済みの企業には社内広報窓口を設置してもらい、従業員への認知拡大を促進しています。企業側には、最低年2回の社内案内の実施を条件に、従業員サービス利用料月額2000円割引というインセンティブを提供しています。
2023年中には、大手生命保険企業とのタイアップにより、全国1万人以上の保険外交員が顧客企業の従業員に直接、「Aill goen」の利用促進を行うことで、エンドユーザーへの直接的な働きかけを強化する計画です。
ユーザーに対しては、無料プランで会員登録を促進し、アプローチ可能な人数に差をつけることで、有料契約への転換を促す戦略を採用。また、アプリを利用する従業員が1人でもいれば、企業は解約に踏み切りにくくなるため、2023年6月末時点で解約率ゼロが続いているそうです。
これらの取り組みにより、3年以内に「Aill goen」事業の単月黒字化を目指しています。
【優位性・参入障壁】
「Aill goen」は日本を代表するAI研究者3名との共同開発によって実現しており、人と人を仲介し、両者の真意を確認してからコミュニケーションを行うAI技術などで特許も取得済みで、模倣は難しいといいます。
また、「Aill goen」の運用と日々の研究開発によって、AIの精度が順調に向上し、同社独自の単語辞書は10万語を超過。恋愛のコミュニケーションをベースにした自然言語処理用の日本語辞書データは、さまざまな領域での横展開が可能だと考えています。
「Aill goen」正式ローンチ前の実証実験では、多数のグループ企業を有する大企業で試験導入に成功したことで必要な信頼を勝ち取り、大手企業や官公庁への導入拡大につながったそうです。
今後の成長に向けて
(1)「Aill work&life」を2025年にローンチ、プライベートと仕事の両立による幸福度向上を目指す
同社は今後、「Aill goen」によって恋愛のコミュニケーションを学習したAIを職場でのコミュニケーション用途に拡張し、上司と部下の仲立ちや福利厚生の適切な利用促進を行う、従業員のワーク&ライフサポートサービス「Aill work&life」の展開を計画しています。
実情を直接言いづらい従業員と、ハラスメントのリスクがあるため、詳細を聞きにくい上司や会社との間にはコミュニケーションギャップが生じやすく、エンゲージメントや定着率に影響すると同社は考えています。
そこで、同社は、AIが上司と部下のコミュニケーションをアシストするサービスによって、直接言いづらい実情を代わりにヒアリングし、1次対応を行うことでハラスメントリスクを回避しながらコミュニケーションギャップを埋め、パフォーマンスやエンゲージメントの向上につなげようとしています。
AIがサポートする範囲として、従業員については「勤怠データ解析・個別ヒアリング・最適な福利厚生の利用提案」、上司については「アラート発出・フィードバック・引き継ぎ」などを想定しており、オーバーワークの未然防止や面談後フォロー、産休・育休の取得・復帰アシストなどに活用してもらいたい考えです。
(出典:FUNDINNO)
「『Aill goen』と『Aill work&life』の相互作用によって、ワークとライフの充実を支援し、働く人、さらには企業や組織全体のウェルビーイングを実現したいと考えています」(同社)
(2)企業マーケティングに活用可能な「Aillサービスサジェスト」を展開予定
将来的な展開としては、AIをマーケティングに活用した「Aill サービスサジェスト」の実装を検討しています。
「Aill サービスサジェスト」は「Aill goen」「Aill work&life」内でユーザーに行動を提案し、提携サービスを紹介、行動の促進によって送客を行うサービスです。
映画会社との実証実験では、「Aill goen」アプリ上で映画の予告を配信し、価値観の合う異性をAIが紹介、マッチング後、最初のデートでその映画の鑑賞を提案するという取り組みを実施。鉄道会社との実証実験では、デートに行きそうな2人に、AIが「食レポイベント」を提案し、提携レストランから店舗を選択、来店後、食レポを投稿するとクーポンが得られるという企画を行っています。
「Aill サービスサジェスト」は「Aill goen」「Aill work&life」ユーザーの中からターゲットを絞り込むため、解像度の高いターゲティングが可能で、効率的な送客や効果検証、顧客満足度のフィードバックなど多くのメリットを提供できるとしています。
(出典:FUNDINNO)
「弊社のAIは恋愛に特化したものではないため、さまざまなコミュニケーション領域に転用が可能です。コミュニケーションギャップが課題となるようなサービスに横展開していき、さらにビジネスをスケールさせていく考えです」(同社)
(3)将来のExitはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2028年に「Aill goen」の有料導入企業数3500社以上を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、以下のVC・事業会社・エンジェル投資家などから出資を受けています。
・株式会社iSGS インベストメントワークス
・株式会社フォース・マーケティングアンドマネージメント
・GxPartners LLP
・朝日メディアラボベンチャーズ株式会社
・ABCドリームベンチャーズ株式会社
・名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社
・株式会社D2 Garage
・Sapporo Founders Fund
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・リンクバル <6046> [東証G]
・タメニー <6181> [東証G]
・グッピーズ <5127> [東証G]
・リベロ <9245> [東証G]
・ベネフィット・ワン <2412> [東証P]
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社Aill
東京都港区港南一丁目9番36号
資本金:50,000,000円(2023年6月13日現在)
発行済株式総数:1,113株(同)
発行可能株式総数:5,149株
設立日:2016年10月21日
決算日:9月30日
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 豊嶋千奈
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
8,001個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,500,000円コース(450個)を上限とする。
■申込期間
2023年8月5日~8月21日
■目標募集額
15,030,000円(上限募集額 80,010,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は64,008,000円とする。
■払込期日
2023年9月13日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,503万円を以下の目的に充てる予定。
営業・マーケティング人件費 1,172万円
手数料 330万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額6,498万円(目標募集額1,503万円と上限募集額8,001万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業・マーケティング人件費 1,500万円
開発費 3,568万円
手数料 1,429万円
■連絡先
株式会社Aill
電話番号:03-6280-7480
メールアドレス:info@aill.ai
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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