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【市況】利食い売り先行も押し目買い意欲の強さが窺える【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

30日の日経平均は4営業日続伸。94.62円高の31328.16円(出来高概算11億1000万株)で取引を終えた。米国市場が祝日で休場となりフローが限られるなか、幅広い銘柄に利食い売りが先行。日経平均は反落して始まると、前場終盤にかけて31064.19円まで売られる場面が見られた。その後、半導体関連などに押し目を拾う動きがみられ、後場半ばにかけて朝方に付けた高値水準を回復。休み明けの米国市場の動向を見極めたいと考える向きが多く、様子見ムードから売り買いが交錯するなか、押し目買い意欲の強さが窺えた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉄鋼、精密機器、その他製品、輸送用機器など7業種が上昇。一方、保険、金属製品、水産農林など26業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、TDK<6762>、エムスリー<2413>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、アステラス薬<4503>、リクルートHD<6098>、7&iHD<3382>が軟化した。

前日の米国市場は、メモリアルデーで休場だっただけに新規の手掛かり材料に欠けるなか、利食い売りが優勢となった。ただ、日経平均のこれまでの急ピッチの上昇により買い遅れている投資家も多く、半導体関連株などの一部には押し目を拾う動きが見られた。一方、日経平均はこの1カ月、ほぼ一本調子で上昇したため、関係者からは「31000円を上回る水準では高値警戒感が意識されやすい」との声も聞かれ、売り買いが交錯する格好。

日経平均は結局小幅に続伸しており、プライム市場は下値を探る雰囲気は乏しいとの見方が大半で、相場の先高感を強く意識している表れのようだ。今後の焦点は、「米国の追加利上げの有無と人工知能(AI)関連を中心としたハイテク関連株の耐性へと移っていく」との見方がされている。休み明けの米国市場がどのような反応を示すのか注目だろう。なお、今夜発表される5月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数で、インフレの落ち着きが鮮明になるかもポイントとなりそうだ。

《CS》

 提供:フィスコ

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