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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ベクター <日足> 「株探」多機能チャートより

■ベクター <2656>  349円 (+80円、+29.7%) ストップ高

 ベクター <2656> [東証S]がストップ高。前週末26日の取引終了後、太陽光発電所用地の売却を決めたと発表し、材料視されたようだ。同社は4月4日、鳥取県西伯郡に所在する太陽光発電所用地及び売電権利の取得を発表。この際、発電所用地は第三者へ売却する計画とし、売却ができなかった場合は同社が太陽光発電所を建設のうえ、売却する予定だと開示していた。売却先や売却価格は売却先の意向などを踏まえ、非公表とする。

■DLE <3686>  304円 (+55円、+22.1%)

 ディー・エル・イー <3686> [東証S]が続急騰。前週末26日の取引終了後、W TOKYO <9159> [東証G]の新規上場に伴い、所有するWTOKYO株の一部を売却すると発表。これにより特別利益の計上が見込まれるとしており、好感した買いが膨らんだ。DLEは現在、WTOKYO株を43万株(議決権割合17.4%)所有している。新規上場に伴う売り出しで6万株を売却し、売却後の所有株数は37万株(同14.3%)となる見通し。現時点で売り出し価格が未定であるため、業績に与える影響額は算定できないとしている。

■松屋R&D <7317>  1,807円 (+250円、+16.1%)

 松屋アールアンドディ <7317> [東証G]が急反騰。29日、株式分割を発表し、好感されたようだ。同社は6月30日を基準日とし、7月1日付で1株を4株に分割する。投資家層の拡大と株式の流動性向上につなげる。

■アジャイル <6573>  246円 (+34円、+16.0%)

 アジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証G]が4日ぶりに急反騰。同社は26日、6月18日にさいたまスーパーアリーナで開催されるK-POPフェスティバル「DREAM CONCERT」のチケット・募集型企画旅行販売の集客支援を行うと発表。これが材料視されたようだ。同社はこれまでのアンバサダーマーケティング事業で培ってきた知見を生かし、エンターテインメント領域でもファンコミュニケーションを活性化させるべく、ファンとアーティストと新たな関係づくりを支援するという。また、この取り組みを足掛かりに、韓国カルチャーが好きな人や興味のある人を組織化し、エンタメ・グルメ・ファッション・ビューティーに関する情報発信や、参加型イベントの企画などを行い、「韓国ファン」の育成・活性化を行うとしている。

■エクサWiz <4259>  479円 (+63円、+15.1%)

 エクサウィザーズ <4259> [東証G]が4日ぶりに急反騰。29日午前11時ごろ、同社が提供する企業情報に特化した検索エンジン「exaBase 企業検索」に、生成AIを活用した情報分析機能を提供すると発表しており、好材料視された。同サービスは、有価証券報告書から正確かつ新しい重要情報を抽出して文章化し、対象の上場企業の経営戦略を簡潔に表示することで、適切かつ迅速な意思決定を支援するという。6月中にサービスを開始する予定で、業績への影響は現在精査中としている。

■T&S <4055>  2,544円 (+261円、+11.4%)

 ティアンドエス <4055> [東証G]が3日続急騰、前週23日につけた高値2505円をクリアして年初来高値となった。同社は 人工知能(AI)関連ソフトの開発や最先端半導体工場向けのシステム開発・運営受託で高水準の受注を獲得している。主要顧客であるキオクシアのほか、TSMC <TSM> と熊本の半導体工場で連携するソニーグループ <6758> [東証P]からの受注も獲得し業容を広げている。研究開発にも積極的であり、磁気をもたらすスピンの性質を利用したエレクトロニクス分野であるスピントロニクス分野にも参入、同技術を搭載した次世代メモリに関する研究開発を進捗させている。23年11月期営業利益は前期比14%増の7億円と2ケタ成長を継続する見通し。今期以降も中期成長力の高さに着目した継続的な買いが観測され、21年4月高値2925円を通過点に3000円大台替えをにらむ展開となった。

■シンプレクス <4373>  2,400円 (+202円、+9.2%)

 東証プライムの上昇率3位。シンプレクス・ホールディングス <4373> [東証P]が5日ぶりに急反発。SMBC日興証券が26日付で目標株価を2900円から3100円へ引き上げており、これが買い材料視された。投資評価は最上位の「1」を継続した。同証券によると、コンサルティングとシステム開発の両輪が株価評価を高めるだろうと指摘。金融ソリューションや保険ソリューションを中心とした成長領域の受注拡大や、今期下期以降の新卒稼働に伴う利益成長が確認されるにつれて株価評価も高まるとみている。

■SBG <9984>  5,542円 (+420円、+8.2%)

 東証プライムの上昇率6位。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が3日続急伸。傘下の英半導体設計大手アームが29日、スマートフォン向けの最新ソリューション「Arm Total Computeソリューション2023(TCS23)」を発表。これを受け、 半導体株の強いトレンドに追従しようとする投資家の資金がSBG株に流入したようだ。「TCS23」は、第5世代のGPU(画像処理半導体)アーキテクチャーを採用した同社のGPUや、次世代の人工知能(AI)向けの新たなCPU(中央演算処理装置)群など、開発者向けによりアクセスしやすいソフトウェアを提供するための新たな機能拡張が含まれている。没入感のあふれるゲームやリアルタイム3D、次世代のAIアプリケーションの実現につながるという。

■シンバイオ <4582>  408円 (+30円、+7.9%) 一時ストップ高

 シンバイオ製薬 <4582> [東証G]が3日ぶりに急反発、一時ストップ高となった。29日、米国で実施中の造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を対象とした、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤の第2相臨床試験において、抗ウイルス効果のPOC(Proof of Concept)の確立を確認したと発表。これを材料視した買いが集まったようだ。コホート3で組み入れられた7症例とあわせ24症例の臨床データを米食品医薬品局(FDA)に提出し、その結果、POCが確認されたという。これによりコホート3を速やかに終了し、コホート4において投与スケジュールの検討を実施する。同時にFDAと第3相試験の開始に向けて協議を進めていく。

■アイスペース <9348>  1,875円 (+127円、+7.3%)

 ispace <9348> [東証G]が3連騰。前週末26日の取引終了後、4月26日に月面着陸に失敗した月面探査プログラム「HAKUTO-R ミッション1」に関する成果報告を発表。解析の結果としてランダー(月着陸船)が軟着陸に至らなかった要因として、ソフトウェアが期待通りに動作しなかったことを挙げており、今後ミッション2、ミッション3に向けては基本的にソフトウェアの改修や事前に想定シミュレーションを行う範囲を拡大させることで、ミッションの精度を一層向上させることを目指すとしたことが好感された。

■北陸ガス <9537>  3,140円 (+214円、+7.3%)

 北陸ガス <9537> [東証S]が続急伸し、18年4月以来約5年1ヵ月ぶりの高値をつけた。前週末26日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を10万株(発行済み株数の2.09%)、または3億円としており、取得期間は23年5月29日から24年3月28日まで。うち7万3000株を上限に、29日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得するとしており、29日朝の発表では7万2800株を2億1301万円で取得したとしている。

■ナノキャリア <4571>  223円 (+15円、+7.2%)

 ナノキャリア <4571> [東証G]が3日ぶりに急反発。薬物デリバリーシステムに強みを持つ創薬ベンチャーだが、提携戦略にも積極的だ。前週末26日取引終了後、医薬品開発会社IPガイア(東京都港区)及び医薬品や医療機器関連事業を手掛けるアクセリード(東京都港区)と資本・業務提携することを発表した。これによる業容拡大効果に期待した買いを呼び込んだ。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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