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【市況】NY株式:米国株式市場は反落、根強い金融不安くすぶる

NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより

ダウ平均は530.49ドル安の32,030.11ドル、ナスダックは190.15ポイント安の11,669.96で取引を終了した。

連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表待ちで売り買い交錯し、寄り付き後はまちまち。連邦準備制度理事会(FRB)はFOMCで市場の予想通り0.25ポイントの利上げに踏み切った一方、最近の金融危機を受けた不透明感を考慮し、声明文を変更するなど柔軟な姿勢を見せたことが好感され、一時上昇に転換。しかし、パウエル議長が会見で必要となれば想定以上の利上げを示唆したため、過剰な利上げによる景気後退懸念が広がり再び下落。さらに、イエレン財務長官が政府は預金保護拡大を検討していないと言及すると、地銀を含め金融の下げが加速し、全体指数をさらに押し下げ。終盤にかけ下げ幅を拡大して終了した。セクター別では銀行や不動産の下げが目立った。

ゲーム販売のゲームストップ(GME)は在庫やコスト減少が奏功し、過去2年間で初めての黒字を計上し、上昇。航空機による人工衛星の打ち上げを手掛けるヴァージン・オービット・ホールディングス(VORB)は投資家からの資本調達を目指していると報じられ、上昇した。

地銀のパックウエスト(PACW)は年初から預金の20%が流出していて投資会社から資金を確保したとが報じられたほか、同業のファースト・リパビリック(FRC)もシリコンバレー銀行の破綻後の大量預金流出により身売りも含め様々な戦略選択肢に迫られているとの報道で、それぞれ下落。スポーツ用品ブランドのナイキ(NKE)は年末商戦を含む四半期決算の内容が予想を上回ったものの、過剰在庫や中国での売り上げが弱く、経済や消費に懸念を表明したため売られた。

住宅建設会社のKBホームズ(KBH)は取引終了後に決算を発表。1株利益が予想を上回ったほか、23年通期の見通しも強く、時間外取引で上昇している。

(Horiko Capital Management LLC)

《YN》

 提供:フィスコ

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