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【市況】次の強気相場でどのセクターが米国株の上昇をリードか=米国株

 次の強気相場において、どのセクターが米国株の上昇をリードするのか注目している人も多いであろうが、それは分からないというのが結論ではある。しかし、過去の経験則から言って、少なくとも昨年の弱気相場で最も優れたパフォーマンスを示したエネルギーセクターではない可能性は高いとの分析も出ている。過去50年以上の間のS&P500のセクターランキングを分析すると、弱気相場とその後の強気相場で同じセクターがパフォーマンスのトップになったことは1度もないという。

 S&P500の主要10セクターの平均を見ると、弱気相場のランキングで1位になったセクターは、その後の強気相場のパフォーマンスは下位に転落しているという。逆に弱気相場で最下位にランクされたセクターは、その後の強気相場で4位の成績を収めている。一方、強気相場から弱気相場の場合でも同様の図式があるという。

 この経験則からは、次の強気相場をリードするセクターは、最近のランキングで上位にいなかったセクターであることが推測される。昨年最悪のパフォーマンスだったIT・ハイテクが次の強気相場をリードするセクターに返り咲くと期待している投資家も多いと思われる。しかし、その可能性も低いという。1970年代初頭以来、S&P500の同じセクターが2回続けて強気相場でトップになった例は1度だけで、1978年2月と1980年4月の産業株のみであったという。

 もちろん、IT・ハイテクは1970年代以降、経済における役割と伴に非常に大きな進化を遂げている。そのため、過去の経験則が当てはまらないとほど世界が変わっている可能性はある。しかし、そう主張している人たちは、すでに歴史を振り返ることを止めていることも事実だという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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