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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―一段の下落を警戒しつつ、2万6000円を支持線に2万6500円とのレンジを想定

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

「一段の下落を警戒しつつ、2万6000円を支持線に2万6500円とのレンジを想定」

 今週の日経225先物は、先週の大幅な下げに対する自律反発も期待されるが、年内最終週を迎えて不安定な相場展開が続きそうだ。23日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。注目された11月の米個人消費支出(PCEコア)価格指数は前年同月比4.7%上昇と市場予想(4.6%程度)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢を和らげるほどではなく、米長期金利が上昇。NYダウは一時200ドル超下落したが、12月の米ミシガン大学消費者態度指数(確定値)で1年期待インフレ率が1年半ぶりの低水準となったことが支援材料となり、上昇に転じた。

 シカゴ日経平均先物は、大阪比65円高の2万6215円だった。23日の米国市場の上昇やPCEコアの発表を通過したことで、週明けの日経225先物は先週の大幅な下げに対する自律反発が期待される。ナイトセッションでは2万6060円まで下落する場面も見られたが、週末の日中取引同様、節目の2万6000円を下回らなかったことで、ひとまず同水準での底堅さが意識されやすい。また、週末時点の為替市場では1ドル=132円80銭台と若干ながら円安に振れて推移している。

 先週は日銀の金融緩和修正を受けて、金融市場は大きく荒れた。円相場は一時1ドル=130円台半ばまで円高に振れ、株式市場ではグロース株を中心に持ち高調整に伴うリバランスの動きが強まった。今週は2万6000円水準での底堅さが意識されるなか、日銀の金融緩和修正を受けた売り圧力は一巡したとの見方に向かう可能性がある。

 引き続き、為替動向に反応しやすい需給状況は変わらないだろう。そのため、26日に予定されている経団連での黒田日銀総裁の講演や、28日の金融政策決定会合における「主な意見」の公表を受けて円高が進むようだと、株式市場が一段安となる可能性があることには注意しておきたい。なお、主要中央銀行がインフレ抑制のための金融引き締めを継続するなか、先週は株式ファンドからの資金流出が約420億ドル(約5兆5700億円)と2008年のリーマン・ショック以降で最大となったようだ。2023年も不安定な相場が警戒されやすく、リバウンドを狙うとしても短期的な売買にとどまりそうである。

 今週は26日がクリスマスの祝日で、米国など主要国の市場は休場となる。海外勢のフローは週を通じて減少するとみられるが、祝日明け後は直近の急落に対する値頃感から見直し買いも入りそうだ。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]は7営業日続落となり、終値ベースでは11月7日以来となる4万円を割り込んだ。明確なボトム形成は確認できていないものの、底堅さがみられるようだと、短期的なリバウンドを狙ったNTショートの巻き戻しに向かわせそうだ。

 先週のNT倍率は先物中心限月で一時13.80倍まで急低下し、3月安値を下回り2020年5月以来の水準まで下押した。年初以降のボトム水準を下回ったことでNTショートの動きが一段と強まる可能性がある一方で、短期的には巻き戻しを狙ったNTロングでの対応も想定しておきたいところだろう。また、VIX指数は20.87に低下し、25日移動平均線を挟んでのレンジ推移を継続している。ボトム圏での推移を見せているため、リスクを取りやすくさせよう。

 日銀の金融緩和修正についても、2013年から10年続いたイレギュラーな政策の正常化に向けた一歩であり、市場も徐々に落ち着きを見せてくることに期待したい。もっとも、日経225先物は切り下がるボリンジャーバンドの-3σに沿った調整を継続しており、上値は-2σのほか5日線に抑えられている。トレンドとしては10月安値の2万5530円が意識されるものの、テクニカル面では売られ過ぎも強く意識されるため、2万6000円を支持線に2万6500円とのレンジを想定しておきたい。

 12月第2週(12月12日- 16日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに売り越しており、売り越し額は2480億円(前週は3492億円の買い越し)だった。なお、現物は164億円の売り越し(同797億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は2316億円の売り越し(同4289億円の買い越し)と2週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で3557億円の買い越しで、2週ぶりに買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で424億円の売り越しとなり、5週連続の売り越しだった。

 経済スケジュールでは、26日に11月企業向けサービス価格指数、27日に11月失業率、11月商業動態統計、中国1-11月工業企業利益、米国10月ケース・シラー住宅価格指数、28日に11月鉱工業生産、日銀金融政策決定会合の主な意見、米国11月仮契約住宅販売指数、29日に米国新規失業保険申請件数、30日に大納会、米国12月シカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69
02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67
03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03
04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02
05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12
06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38
07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16
08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05
09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76
10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58
11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52
12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/03 12月23日  26420  26460  25900  26150  -290
23/03 12月22日  26320  26530  26240  26440  +120
23/03 12月21日  26610  26610  26190  26320  -200
23/03 12月20日  27230  27310  26050  26520  -700
23/03 12月19日  27480  27490  27080  27220  -250

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/03 12月23日  1900.0  1902.5  1871.5  1891.5  -10.5
23/03 12月22日  1887.0  1904.5  1884.0  1902.0  +13.0
23/03 12月21日  1910.0  1910.5  1883.0  1889.0  -15.5
23/03 12月20日  1934.0  1940.0  1860.0  1904.5  -29.5
23/03 12月19日  1945.5  1945.5  1922.5  1934.0  -10.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日比
12月23日(3月限)  26215  +65
12月22日(3月限)  26110  -330
12月21日(3月限)  26410  +90
12月20日(3月限)  26325  -195
12月19日(3月限)  27170  -50
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
12月16日    3250億円  -72億円  4750億円  -344億円
12月09日    3322億円 +1529億円  5095億円  -324億円
12月02日    1793億円  -99億円  5420億円  -321億円
11月25日    1892億円  -484億円  5742億円  +861億円
11月18日    2376億円 -2418億円  4880億円  +279億円
11月11日    4795億円  -429億円  4601億円  -608億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
12月21日  1億4977万株   +1179万株  1億2769万株   -1734万株
12月20日  1億3798万株   +2379万株  1億4503万株   -1234万株
12月19日  1億1419万株   +259万株  1億5738万株   -65万株
12月16日  1億1159万株   +1745万株  1億5803万株   -148万株
12月15日    9414万株   -1476万株  1億5951万株   +25万株
12月14日  1億0890万株   -2411万株  1億5926万株   +141万株
12月13日  1億3301万株   -1073万株  1億5784万株   +291万株
12月12日  1億4375万株   +3050万株  1億5493万株   -972万株
12月09日  1億1324万株   -1380万株  1億6466万株   -2274万株
12月08日  1億2705万株   +6995万株  1億8740万株   +1137万株
12月07日    5709万株   +1318万株  1億7603万株   +619万株
12月06日    4391万株   +274万株  1億6983万株   -763万株
12月05日    4117万株   -486万株  1億7747万株   -1192万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円
12月2日  701億円

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