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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 欧米株安は織り込み済みで底堅さは見られるが、戻り待ち狙いのショートスタンス


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 26150 -190 (-0.72%)
TOPIX先物 1852.0 -10.0 (-0.53%)
シカゴ日経平均先物 26175 -165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 29日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。新規失業保険申請件数が前週比1万6000件減の19万3000件と、21万5000件程度と見ていた予想を下回り、5カ月ぶりの低水準だった。労働需要が堅調に推移しており、インフレが続くとの見方から、前日に急低下した米長期金利が再び上昇。また、ドイツの9月消費者物価指数(CPI)の伸び率が加速し、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げを継続するとの見方が強まったことも重荷となった。

 世界的な金融引き締めが景気後退を招くとの見方は根強く、前日に英イングランド銀行(中央銀行)による市場介入を受けた長期金利低下は1日で反転した。アップル<AAPL>はアナリストが投資判断を引き下げたことで5%近く下落しており、ハイテク企業の売りを誘った。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器、公益事業、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレルの弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比165円安の2万6175円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比160円安2万6180円で始まり、その後は買い戻しの動きから一時2万6350円とプラスに転じる場面も見られた。ただし、米国市場の取引開始後は売り優勢の流れから2万6020円まで売られると、終盤にかけて2万6020円~2万6200円辺りでこう着し、2万6150円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。ただし、昨夕のナイトセッション開始時にはグローベックスの米株先物はNYダウが300ドルほど下落していたほか、欧州市場も弱い値動きを見せていたため、織り込まれていると考えられる。そのため、売り一巡後は下げ渋り、2万6000円辺りでの底堅さが意識されそうだ。

 とはいえ、アップルが5%近く下落し、SOX指数構成銘柄のすべてが下落するなど、ハイテク株は手掛けづらい。連日で年初来安値更新が続く東京エレクトロン <8035> [東証P]などが、指数の重荷となる可能性は高いだろう。また、日経平均構成銘柄の定期入れ替えでは、SMC <6273> [東証P]とHOYA <7741> [東証P]の採用と、ユニチカ <3103> [東証P]、沖電気工業 <6703> [東証P]の除外に伴う需給要因のほか、30日の米国では8月の米個人消費支出(PCEコア・デフレーター)、9月のミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表を控えていることもあり、底堅さが見られたとしても、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況であると見ておきたい。

 なお、VIX指数は31.84に上昇した。下値切り上げのトレンドを形成しており、リスクを取りづらくさせよう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下。ボリンジャーバンドの-2σ水準で下げ渋る動きは見られるが、戻りの場面ではNTショートに向かっており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの手掛けづらさが窺える。

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