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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 欧米の長期金利が大幅に低下しセンチメント改善、前日までの下げで目先底を意識させる


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 26470 +550 (+2.12%)
TOPIX先物 1863.5 +34.0 (+1.85%)
シカゴ日経平均先物 26480 +560
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 28日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。英イングランド銀行(中央銀行)が、トラス政権の大型減税案が引き起こした金融市場の混乱を鎮静化させるため、長期国債を無制限で購入すると表明。英中銀の介入発表は即座に市場に影響を及ぼし、英長期債利回りが急低下したのにつれて、米長期金利は前日の3.94%から一時3.69%と大幅に低下した。

 これを受けてホーム・デポ<HD>、ボーイング<BA>、ウォルト・ディズニー<DIS>などの消費関連や景気敏感株を中心に買われ、NYダウをけん引する格好となった。一方で、前日に最新機種「iPhone14」の増産計画を断念したと伝わったアップル<AAPL>は逆行安に。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器のみが下落し、エネルギー、メディア、小売、耐久消費財・アパレル、素材の強い動きが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比560円高の2万6480円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円安の2万5840円で始まり、寄り付きを安値にリバウンド基調を強めると、一時2万6540円まで買われる場面が見られた。終盤にかけて利食いの動きもあったが、2万6470円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップで始まろう。ナイトセッションでは英中銀の介入に即座に反応する格好となってショートカバーに向かわせたほか、足元での大幅な下落に対する売られ過ぎ感から、押し目待ち狙いのロングも入ったと見られる。チャート上では前日の長い陰線を埋める形での陽線を形成しており、上値を抑えられていた5日移動平均線を終値で上回ってきた。ボリンジャーバンドの-2σも超えてきたため、前日までの下げで目先底を意識させそうだ。

 また、本日は9月末の配当権利落ちとなるが、配当落ち分は220円程度と観測されるなか、日経平均株価は2万6000円が抵抗線となる可能性があった。ただし、配当落ち分を吸収してのリバウンドが見込まれるなか、センチメントの改善につながりそうである。そのほか、逆行安となったアップルは一時5%近く下落する場面もあったが、その後は買い戻しも入り、1.2%安程度にとどまった。前日に大きく売り込まれていた半導体株などのリバウンドが見込まれるなか、日経平均をけん引する動きも期待されよう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。一時14.27倍まで上昇する場面もあったが、同水準に位置する75日線に抑えられた格好だった。ただし、14.11倍まで低下した後は下げ幅を縮めており、ボリンジャーバンドの-2σ水準で終えていた。朝方はインデックスに絡んだ商いが集中することからNTロングに向かわせやすく、改めて75日線を捉えてくる可能性はありそうだ。

 なお、VIX指数は一時34.88まで上昇した後は急低下し30.18で終えた。大幅な低下は安心感につながるものの、依然として30.00を上回っている。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが景気減速を招くとの見方がくすぶっているため、買い一巡後は次第に戻り待ち狙いのショートが強まる可能性は想定しておきたいところであろう。

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