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【市況】米国の大幅な利上げ継続に伴う景気後退懸念から一時27000円割れ【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

22日の日経平均は続落。159.30円安の27153.83円(出来高概算11億4000万株)で取引を終えた。大幅な金融引き締めの長期化による景気後退懸念から売られた米国市場の流れを受け、値がさハイテク株中心に売られ、日経平均は前場終盤にかけて下げ幅を広げ、26955.18円まで下押し、取引時間中としては、7月19日以来約2カ月ぶりに27000円を割り込んだ。ただ、日銀の金融政策決定会合を受けて、改めて日米金利差を意識した動きからドル円相場が一時1ドル=145円台と円安が進んだため、円安メリット株が相場を下支えしたほか、心理的な節目を割り込んだことによる押し目買いも入り、売り一巡後は下げ渋っていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の約6割を占めた。セクター別では、陸運、輸送用機器、空運、卸売など12業種が上昇。一方、海運、保険、繊維製品、サービス、銀行など21業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、トヨタ<7203>、豊田通商<8015>、三菱商<8058>、SUBARU<7270>、デンソー<6902>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>が軟調だった。

注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)は大方の予想通り、0.75%の利上げが決まったが、3カ月ごとにまとめる政策金利見通しなども公表され、政策金利は2022年末で4.4%、23年末は4.6%と前の予想から引き上げられ、タカ派色が強まった。これを受け、米主要株価指数は大幅利上げによる景気後退への警戒感から大幅続落。東京市場も金利動向に敏感な半導体関連や電子部品関連株、景気敏感株中心に売りが優勢となり、日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。また、プーチン露大統領が部分的動員指令に署名したことで地政学リスクが再燃したことも投資家心理に悪影響を及ぼしたとみられる。ただ、円相場が午後に入り、一時1ドル=145円台へと一段と円安が進むと、自動車など輸出関連株の一角には値ごろ買いが入り、全体相場を下支えする形となった。

日経平均は一時的にではあるが、心理的な節目の27000円を約2カ月ぶりに割り込んだ。米国の積極的な利上げ継続が世界景気の減速につながりかねないとの不安感が最大の重荷となった形だ。また、国内では上半期末や日経平均の定期銘柄入れ替えに伴うリバランスなどで需給関係に一抹の不安が残り、目先は不安定な値動きを強いられる可能性がある。そのため、目先的には個別企業の動向に注目が集まるほか、テーマのある材料株での短期的な物色が中心になりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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