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【特集】フォーシーズ Research Memo(6):V字回復ステージとして、中期経営計画を着実に推進

フォーシーズ <日足> 「株探」多機能チャートより

■成長戦略

フォーシーズHD<3726>は、2020年6月に成長戦略を発表し、経営目標として2023年9月期に売上高55億円、時価総額250億円、東証1部指定替えを目指してきた。しかしながら、2023年9月期の計画はコロナ禍の影響により見直さざるを得ない状況になったことから、2022年2月に中期経営計画を策定した。中期経営計画では2022年9月期~2025年9月期をV字回復の4年とし、黒字体質への第一歩としている。

1. 成長戦略の総括
アロマ事業のM&Aが増収に寄与したほか、コミュニケーション・セールス事業及び化粧品卸事業ではWeb売上が伸長した。また、海外展開においても、コロナ禍で足踏みしたものの認知拡大に向けての実績を作ることができた。利益改善については、アロマ事業の譲受により損失を計上したものの、2022年9月期以降の戦略的な施策によるものであり、黒字化への先行投資と言える。また、グループ全体で取り組んだコスト削減プロジェクトにより、営業損失は大きく改善した。

2. 中期経営計画の概要
同社は、2022年9月期~2025年9月期を「V字回復ステージ」とし、事業基盤の安定・拡大を目指す。中期(2025年9月期時点)での目指すべきところとして「はずむライフスタイル提供カンパニーとしての認知・売上の倍速」を掲げ、「美」「健康」「癒し」の事業展開において、「はずむライフスタイル」を提供する事業をM&Aにて拡大するとともに、既存の事業セグメントにおいても事業展開の幅を拡大し、売上伸長を目指す方針だ。また、定量目標としては、2025年9月期に売上高60.9億円、営業利益4.7億円(営業利益率7.7%)、経常利益4.6億円、時価総額73億円、ROE3.8%とする5つの目標を掲げている。

なお長期目標として、2026年9月期~2030年9月期をプライム市場上場への「成長加速ステージ」と位置付け、新規事業の発展・開発を目指していく。指標としては、2030年9月期に売上高150億円、営業利益率10%、株価3,500円の実現を目標としている。

基本方針としては、(1) コミュニケーション・セールス事業、(2) 化粧品卸事業、(3) 衛生コンサルティング事業、(4) アロマ事業、(5) M&A、(6) 海外戦略、の6つの項目で以下を掲げている。

(1) コミュニケーション・セールス事業
海外展開の強化として、海外向け新商品の開発を進めるとともに、アジア・中華圏・中東への販売を強化する。また、パーソナルトレーナー(コールセンター)のブランド力向上や、Webでのブランド力・リピート率の強化を図る。

(2) 化粧品卸事業
「ホワイトクリアジェル」の認知・売上拡大を図るほか、ピーリング及び毛穴対策商品の新商品開発を推進する。また、Web売上の強化とともに収益性の向上を目指す。

(3) 衛生コンサルティング事業
HACCP制度の普及及び検査事業の拡大のほか、微生物蛍光画像測定機「BACTESTER(バクテスター)」の販売強化を図る。また、空間除菌デバイス及びクロラス除菌ウォーターの認知拡大を目指す。

(4) アロマ事業
主力商品である「アロマブルーム」のグローバル展開を進めていく。「アロマブルーム」をライフスタイル提案型のブランドとして再構築するとともに、PBブランドとして新商品の開発にも注力し、売上の底上げを図る。なお、2022年1月より法人向けの営業展開を開始している。

(5) M&A
同社の経理理念である「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする。」に沿った事業を選定し、M&Aや新規事業を積極的に実施することでグループ全体の収益性の強化、企業価値の向上を図る。なお、M&Aの売上規模は5億~10億円、5~7年での投資回収を予定しており、年5%ごとの売上拡大を見込んでいる。

(6) 海外戦略
化粧品、健康食品、アロマ関連商品については、海外戦略に注力する方針である。現状の中国・アジアでの展開に加え、UAE(ドバイ)を起点としたアラブ・イスラム圏への進出を予定している。国内需要の停滞を海外需要の取り込みによって補い、売上拡大を目指す。これに伴い人材採用と育成をを強化する。

3. SDGs経営
同社は、「Harmonious Development(環境、人と調和して発展していく会社)」として、SDGs経営にも積極的に取り組んでいる。具体的には、製造から3年の品質保持期限内での販売を徹底することでコスメロスをなくす(12. つくる責任 つかう責任)、商品梱包に環境配慮型容器を使用(14. 海の豊かさを守ろう、15. 陸の豊かさも守ろう)、投函型発送の推進及び商品開発(再配達0運動)による二酸化炭素排出量の低減(13. 気候変動に具体的な対策を)、衛生コンサルティング事業でのHACCPの普及(3. すべての人に健康と福祉を)、などを推進している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

《ST》

 提供:フィスコ

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