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【材料】<動意株・18日>(大引け)=新田ゼラチン、三光合成、光通信、ハリマ化成Gなど(その1)

新田ゼラチン <日足> 「株探」多機能チャートより
 新田ゼラチン<4977>=急反発。この日、世界初の潰瘍性大腸炎患者への移植治療に用いられたミニ臓器の培養に同社の「ビーマトリックス コラーゲン AT」が使用されたと発表。これを材料視する向きが強まっているようだ。東京医科歯科大学の岡本隆一教授から同社の総合研究所バイオメディカル部へ組織培養に適したコラーゲンの紹介依頼があり、同コラーゲンを提供したという。岡本隆一教授らの研究グループは、潰瘍性大腸炎の患者の腸から採取した組織を使って「腸上皮オルガノイド」と呼ばれるミニ臓器を作り、患者自身へと移植する世界初の手術に成功している。会社側では、同教授の研究グループへ安全性の高いコラーゲンを今後も継続して提供するとしている。

 三光合成<7888>=5日線足場に400円近辺のもみ合い上放れ。同社はバンパーをはじめとする自動車向けを中心に工業用樹脂部品を手掛けるが、自動車生産の回復を受けて業績は堅調に推移している。23年5月期は営業利益段階で前期比10%増の28億円予想と2ケタ成長を見込んでいる。また、中期的には世界的な電気自動車(EV)シフトの動きも追い風で、軽量化が課題となるEVは内燃機関を持たないことから、ガソリン車よりも樹脂部品の部品点数が増えるため同社の収益機会拡大につながる。一方、足もとファンダメンタルズ面のアプローチでも、時価予想PERは6倍台、PBRは0.5倍台で株価の水準訂正余地が意識されている。

 光通信<9435>=上昇加速で5連騰。前週12日に4~6月期好決算と年間配当の増額を発表しており、これを好感した買いが継続しているようだ。4~6月期決算は、売上高が前年同期比7.5%増の1434億6900万円、純利益が同33.4%増の276億300万円だった。法人向け、個人向けサービスともに売り上げが伸び増収。法人向けサービスの減益が響き営業利益は減益となったものの、金融収益が貢献し純利益ベースでは大幅な増益となった。あわせて発表した増配では、508円から524円(前期491円)に増額した。

 ハリマ化成グループ<4410>=異色の6連騰で年初来高値に急接近。松脂化学品の草分けで製紙用薬品や電子材料でも高い実績を有している。足もとの業績は好調で22年4~6月期はトップラインが前年同期比27%増収と大幅な伸びを達成し、増収効果をバネに営業利益は同67%増の13億4000万円と急拡大した。第1四半期時点で対通期進捗率はほぼ50%に達しており、通期業績の上振れ期待が大きい。同社株は今月1日に一時値幅制限いっぱいに買われる急騰を演じ、いったん調整を入れたものの800円台前半では押し目買いが高水準で、その後切り返しに転じている。PERが9倍前後でPBRは0.5倍台、配当利回りが4.6%台と株価指標面からの割安さが際立つ。テクニカル的に特筆されるのは陽線の多さだ。急騰直後は大陰線を引いたものの、その日を除けばもみ合い局面でも陽線を連ねており、値動きの荒い朝方ではなく、取引後半にかけて実需買いが継続的に流入していることを示唆している。

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