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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万8500円~2万9000円のレンジに移行、過熱警戒もショートに傾けるポジションは避けたい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28750 +210 (+0.73%)
TOPIX先物 1983.0 +8.5 (+0.43%)
シカゴ日経平均先物 28710 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米輸入物価指数が予想以上に低下するなど、10日発表の米消費者物価指数(CPI)、11日発表の7月の米生産者物価指数(PPI)に続いてインフレ圧力の低下を示した。インフレがピークアウトしたとの見方が広がるなか、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩むと期待した買いが継続。また、8月の米ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に改善したことで、リセッション(景気後退)に陥るリスクが後退したとの見方も台頭した。

 インフレが消費を冷やすとの懸念が和らぐなかで消費関連の上げが目立ったほか、長期金利の低下を受けてハイテク株も買われた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディア、テクノロジー・ハード・機器、素材の強い動きが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比170円高の2万8710円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円高の2万8570円で始まり、寄り付き直後につけた2万8560円を安値に、2万8560円~2万8660円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れ一時2万8770円まで上げ幅を広げ、2万8750円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まることになろう。前週末の大幅な上昇で6月の戻り高値2万8350円、節目の2万8500円を突破。ナイトセッションでオプション権利行使価格の2万8750円を捉えてきており、急ピッチの上昇に対する短期的な過熱感から利益確定が意識されやすい。一方で、6月の急落分を完全に吸収した後の一段高によって、6月の急落局面でポジションを解消していたファンドが買い直す動きは強まりやすいだろう。そのため、利食いに押される局面では、押し目狙いのロングスタンスで対応したいところだ。

 テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σが2万8865円辺りに位置しているため、オプション権利行使価格の2万8875円辺りを目先的なターゲットとした動きに向かいそうだ。ただし、2万8500円~2万9000円のレンジに切り上がったと考えられ、1月高値2万8970円が射程に入ってきている。週足のボリンジャーバンドの+2σは2万9190円辺りに位置しているため、過熱感が高まる局面でも、ショートに傾けるポジションは避けたいところだ。

 VIX指数は19.53に低下し、安いところでは一時19.12まで下げており、リスク選好の動きは継続。先週のNT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。オプションSQに絡んだ商いで朝方に14.21倍まで急低下するイレギュラー的な動きはあったが、その後は切り返していたこともあり、NTロングによるスプレッド狙いのスタンスでの対応となろう。

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