市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―2万8000円水準での底固め意識しつつ、6月高値2万8350円を目先的なターゲットに


「2万8000円水準での底固め意識しつつ、6月高値2万8350円を目先的なターゲットに」

 今週の日経225先物は、オプション権利行使価格の2万7750円~2万8125円と2万8000円水準での底固めを意識しつつ、6月10日高値の2万8350円を目先的なターゲットとした相場展開が見込まれる。ただし、決算発表がピークを迎えるなか、主要企業の決算の影響を受けやすくポジションは傾けづらい需給状況となろう。

29日の米国市場ではNYダウが3日続伸し6月以来の高値水準を回復し、強いリバウンド基調を継続しているナスダックも、6月2日につけた戻り高値を突破してきた。

 米国では28日の取引終了後に予想を上回る決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>が10%を超える上昇で指数をけん引したほか、アップル<AAPL>が3%を超える上昇で5月以来の高値水準を回復した。アマゾンやアップルの決算評価については先週末の時点で織り込まれているものの、ナスダックが6月高値を超えてきたことで、日経225先物も6月半ばの急落分を完全に埋めにくる展開への期待が高まりやすいだろう。

 ただし、先週の東証プライムの売買高は週後半の28日、29日に10億株を超えており、2万8000円を捉える局面でロングオンリーのファンドによる資金流入が強まったと考えられる。ピークと見るのは時期尚早だが、決算発表がピークを迎えるなか、再び10億株を割り込んでくるようだと、次第にこう着感が強まる可能性はあるだろう。

 また、29日取引終了後に決算を発表した主力企業では、ソニーグループ <6758> [東証P]が2023年3月期の連結営業利益を1兆1600億円→1兆1100億円(前期比7.7%減)に下方修正した。さらに富士通 <6702> [東証P]の第1四半期(4-6月)連結営業利益は前年同期比24.1%減の256億円で着地し、コンセンサスを下回る進捗だった。ハイテクセクターの弱い動きは日経平均型の重荷となる可能性がある点には注意する必要があろう。

 なお、29日に発表された6月の米個人消費支出(PCE)では、PCE総合価格指数が前月比1%上昇、前年同月比では6.8%上昇だった。コア価格指数は前月比0.6%上昇となり、いずれも予想を0.1ポイント程度上回った。28日発表の米4-6月国内総生産(GDP)速報値は2四半期連続のマイナスだったが、米国市場の反応は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が強まり、買い優勢の展開だった。そのため、雇用統計など重要な経済指標の発表を控えてはいるものの下値の堅さは意識されやすく、押し目待ちの買い意欲は強いだろう。

 一方、米国のこうした流れを受けて、円相場は円高傾向を見せてきた。7月14日には1ドル=140円に迫った円安水準から、足元では132円台半ばまで円高に振れる場面も見られている。日米金利差を狙った資金のリバランスも意識されやすく、相対的にTOPIX型に売りが出やすい需給状況となる可能性がありそうだ。

 なお、VIX指数は21.33に低下した。4月21日以来の水準まで低下しており、リスク選好の動きは継続するだろう。これまで支持線として機能していた52週移動平均線を下回ってきたことで、トレンドとしては4月4日につけた18.45倍辺りが意識されてくる。また、13週線の切り下がりによって26週線とのデッドクロスが迫っている。同線のデッドクロス示現となれば昨年6月以来となるため、一段とリスクオンに向かわせよう。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。14.17~14.19倍に位置する13週、26週線を支持線に、14.28倍辺りに位置していた抵抗線の52週線を突破してきた。ソニーグループの決算影響により、いったんは低下が見込まれるが、52週線水準で底堅い動きを見せてくるようなら、NTロングのポジションを組成するタイミングになりそうだ。先高期待は高まるものの決算発表がピークを迎えるなかではポジションは傾けづらく、ヘッジを考慮したスプレッド狙いからもNTロングが意識されそうだ。

 7月第3週(7月19日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに買い越しており、買い越し額は8856億円(前週は1867億円の売り越し)だった。なお、現物は1919億円の買い越し(同1443億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は6937億円の買い越し(同424億円の売り越し)と2週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で7632億円の売り越しで、3週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で44億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。

 経済スケジュールでは、8月1日に中国7月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国7月製造業(PMI)改定値、米国7月ISM製造業景況指数、2日に豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表、3日に中国7月財新サービス部門PMI、米国7月ISM非製造業景況指数、4日にイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表、米国6月貿易収支、5日に6月景気動向指数、米国7月雇用統計などが予定されている。


――プレイバック・マーケット――

●SQ値
01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69
02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67
03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03
04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02
05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12
06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38
07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
22/09 07月29日  27840  28000  27600  27750  -60
22/09 07月28日  27770  28050  27630  27810  +50
22/09 07月27日  27670  27760  27400  27760  +110
22/09 07月26日  27690  27800  27520  27650  -50
22/09 07月25日  27910  27950  27560  27700  -190

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
22/09 07月29日  1949.5  1959.5  1933.5  1937.5  -9.0
22/09 07月28日  1949.0  1966.0  1938.5  1946.5  -1.0
22/09 07月27日  1945.0  1949.5  1931.5  1947.5  +3.5
22/09 07月26日  1944.0  1953.0  1938.0  1944.0  +0.5
22/09 07月25日  1958.0  1960.0  1935.0  1943.5  -14.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日比
07月29日(09月限)  27975  +225
07月28日(09月限)  27850  +40
07月27日(09月限)  28020  +260
07月26日(09月限)  27415  -235
07月25日(09月限)  27755  +55
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
07月22日    3619億円  -646億円  9493億円  +1825億円
07月15日    4266億円  -965億円  7668億円  -1430億円
07月08日    5231億円  +463億円  9098億円  +2426億円
07月01日    4768億円 +2043億円  6671億円  -907億円
06月24日    2725億円  +270億円  7579億円  -1360億円
06月17日    2454億円  +319億円  8939億円  -1331億円
06月10日    2135億円  -346億円 1兆0271億円  -1039億円
06月03日    2481億円  -736億円 1兆1310億円  +2769億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
07月27日    7694万株   -994万株  3億3736万株   +89万株
07月26日    8688万株   +105万株  3億3647万株   +675万株
07月25日    8583万株    -5万株  3億2971万株   +300万株
07月22日    8589万株   -325万株  3億2671万株   +2041万株
07月21日    8914万株   -538万株  3億0629万株   +1310万株
07月20日    9453万株   -2021万株  2億9319万株   +2261万株
07月19日  1億1475万株   +166万株  2億7057万株   +421万株
07月15日  1億1309万株   -232万株  2億6636万株   -1361万株
07月14日  1億1541万株    +60万株  2億7997万株   -419万株
07月13日  1億1480万株   -290万株  2億8416万株   -227万株
07月12日  1億1771万株   +118万株  2億8644万株   -3962万株
07月11日  1億1652万株   -3784万株  3億2607万株   +215万株
07月08日  1億5437万株   +805万株  3億2391万株   -1139万株
07月07日  1億4631万株   -1077万株  3億3530万株   +3012万株
07月06日  1億5709万株   +857万株  3億0518万株   +1512万株
07月05日  1億4852万株   -288万株  2億9005万株   +2660万株
07月04日  1億5140万株   -133万株  2億6344万株   +3048万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均