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【市況】30日の米国市場ダイジェスト:NYダウ253ドル安、景気後退懸念

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウ253ドル安、景気後退懸念

米国株式市場は下落。ダウ平均は253.88ドル安の30775.43ドル、ナスダックは149.16ポイント安の11028.73で取引を終了した。消費や製造業の鈍化を示す経済指標を受けた売りに寄り付き後、下落。高級家具販売RHの再三にわたる見通し引き下げも消費鈍化懸念を強め景気後退懸念が一段の売り圧力となった。同時に、コアPCE価格指数が予想を下回りインフレのピーク達成感が強まったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅な利上げ観測が弱まり金利低下を受けて、主要株式指数は引けにかけて下げ幅を縮小。セクター別では、公益事業や家庭・パーソナル用品が上昇、エネルギーや自動車・自動車部品が下落した。

製薬会社のファイザー(PFE)は32億ドル相当、1.05億回分の新型コロナワクチン提供を政府と契約し上昇。格安航空会社のスピリット(SAVE)は同業のフロンティア(ULCC)とジェットブルー(JBLU)による買収合戦過熱で、フロンティアとの合併を問う株主総会を再度延期し、上昇。ジェットブルーやフロンティアは下落した。

ドラッグストアチェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は四半期決算の内容は予想を上回ったが、新型コロナワクチン需要の減少が収益を圧迫すると悲観的な見通しを示し、下落。医療管理会社のユニバーサル・ヘルス(UHS)は通年の業績見通しを下方修正し、売られた。また、事務機器大手ゼロックス(XRX)はビセンティン最高経営責任者(CEO)の急死を発表し、下落。

半導体メーカーのマイクロン(MU)は取引終了後、四半期決算を発表。需要の減速で第4四半期の調整後1株利益見通しが市場予想を下回り、時間外取引で売られている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米インフレピークアウト&景気後退予想で大幅利上げ観測後退

6月30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円30銭から135円55銭まで下落し、135円71銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視している米5月コアPCE価格指数の伸びが3カ月連続で鈍化し予想も下回り昨年11月来の低水準にとどまったためインフレピークアウトとの見方が強まった。また、米6月シカゴ購買部協会景気指数が予想以上に低下し、パンデミックによる経済封鎖直後の2020年8月以降で最低水準となったため景気後退懸念も強まり、FRBの急速な利上げ観測の後退で金利低下に伴いドル売りが優勢となった。

ユーロ・ドルは1.0384ドルから1.0488ドルまで上昇し、1.0480ドルで引けた。ユーロ・円は141円38銭から142円29銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2100ドルから1.2189ドルまで上昇。ドル・スイスは0.9594フランまで上昇後、0.9535フランまで反落した。


■NY原油:続落で105.76ドル、需要減少の思惑強まる

NY原油先物8月限は続落(NYMEX原油8月限終値:105.76 ↓4.02)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-4.02ドル(-3.66%)の105.76ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは105.10ドル-110.45ドル。アジア市場で110.45ドルまで買われたが、世界経済の減速観測を背景に需要減少の思惑が強くなっていることから、売りが優勢となった。ニューヨーク市場の中盤にかけて105.10ドルまで下落し、通常取引終了後の時間外取引では主に106ドルを挟んだ水準で推移した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 31.13ドル -0.73ドル(-2.29%)
モルガン・スタンレー(MS) 76.06ドル -2.13ドル(-2.72%)
ゴールドマン・サックス(GS)297.02ドル -6.26ドル(-2.06%)
インテル(INTC) 37.41ドル +0.12ドル(+0.32%)
アップル(AAPL) 136.72ドル -2.51ドル(-1.80%)
アルファベット(GOOG) 2187.45ドル -57.68ドル(-2.57%)
メタ(META) 161.25ドル -2.69ドル(-1.64%)
キャタピラー(CAT) 178.76ドル -4.72ドル(-2.57%)
アルコア(AA) 45.58ドル -2.04ドル(-4.28%)
ウォルマート(WMT) 121.58ドル -0.34ドル(-0.28%)
《ST》

 提供:フィスコ

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