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【特集】シュッピン Research Memo(6):「LINE」公式アカウントや「YouTube」チャンネルを開設

シュッピン <日足> 「株探」多機能チャートより

■シュッピン<3179>の活動実績

1. 各取り組みの進捗
(1) 販売及び情報チャネルの拡充
新たな販売及び情報チャネルの取得を目的として、全事業にて「LINE」公式アカウント、及び「YouTube」チャンネルの開設を行い、さらなる利便性の向上やコンテンツの充実にも取り組んだ。オンライン接客(ライブ販売)や来店予約、「LINE買取見積り」についても全事業で段階的に実施していく計画である。スマートフォンの1ページ目に置かれることが多く、顧客の日常のなかで一番身近な場所となっている「LINE」や「YouTube」を通じたプッシュ配信※やコンテンツの掲載により、商圏の拡大に加え、注力するOne to Oneマーケティングの精度をさらに高めていくところに狙いがあるようだ。

※新着中古商品情報やWebマカジンからのピックアップ記事のタイムリーな配信、お得な情報のタイムライン表示などに特徴がある。


(2) ECサイト+ CGMの強化
CGMの活用により、単なるECだけでなく、すべての会員が楽しみながらサービスを利用できる環境(レビュー数・投稿写真数の増加等)を整えることで、プラットフォームとしての基盤強化(圧倒的な情報量の充実、アクティブユーザーの拡大等)を図り、日本最大級カメラ専門のポータルサイトを目指している。2020年11月にリリースした「EVERYBODYコンシェルジュ」では、カメラやレンズの疑問に対して、実際に使っている人だけが回答可能な仕組みをとっており、より信頼性やクオリティの高い回答を得ることができる点で他社との差別化を図っている。また、フォトシェアリングサイト「EVERYBODY × PHOTOGRAPHER.com」についても、さまざまなイベントの開催と利便性の改善により写真投稿累計枚数が20万枚を突破した。

(3) One to Oneマーケティングの進展
2021年3月には、これまで進めてきたOne to OneマーケティングにAIMDを掛け合わせることにより、販売・買取価格をAIが決定し、リアルタイムで顧客に有利な販売・買取価格を知らせるサービスを開始した。前述のとおり、従来の約6倍となる毎月100万件以上のプッシュ配信が可能となり、取引機会の増大(機会損失の防止)やアクティブ率への寄与をはじめ、需給に合わせた販売・買取価格の適正化(売上総利益率の改善)、人件費負担の増加抑制などの効果が見えてきた。

さらに2022年3月には、AI活用第2弾となるAIコンテンツレコメンドを開始した。AIエンジンの活用により、顧客の閲覧履歴や購買履歴をもとに、「オススメのStockShot記事」※を、LINEやメールマガジン、アプリプッシュにより自動配信するサービスとなっている。創業来蓄積してきたカメラや時計に係る25,000コンテンツを活かすことができ、顧客は価格の高い、安いだけでなく、顧客の求める機能や性能、嗜好などに見合った対価であるかどうかを判断する情報を得ることができる。同社にとっても、他社との差別化や購入促進はもちろん、AIMDと連携させることでより精度の高い価格設定やマージンの安定化につなげることができる。

※「Map Camera」スタッフが毎日発信し続けるWebマガジンのこと。「StockShot」には最新機材のフォトプレビューだけでなく、スタッフ自身の愛機による日々の撮影ブログなど、これまでに約25,000件の記事を作成してきた。中古品については、過去の機材記事が時間の経過とともに単に古くなっていくことがなく、アーカイブ記事にも価値を見出すことができる。


(4) 時計事業におけるワンプライス買取の導入
戦略的に商品ラインアップ拡充(中古ロレックスの買取強化)を図っている時計事業については、カメラ事業で先に導入した「ワンプライス買取」と同じ仕組みである「アンリミテッド」を開始した。ロレックスを中心に世界的に高級機械式時計の需要が高騰し、他店との買取競争も激化しているが、本件により安定した仕入れが可能となった。業界初の導入が奏功し、2021年12月末のロレックスWeb掲載数は2,106本と国内最大級となっている。

(5) グローバル展開
越境ECについては、2017年8月に「Map Camera」(カメラ事業)にて世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ出店したほか、「GMT」(時計事業)についても、2019年5月に世界最大級の高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」、2020年7月には「eBay」にも出店し、事業拡大に向けた体制を整えるとともに、サービスの質を重視した展開により海外でのブランド力も確立されてきた。特に、時計事業については、商品ラインナップの拡充と世界的なロレックス人気とが相まって、海外での知名度も高まってきた。また、それに伴って、コロナ禍による入国制限がされているなかでも、短期滞在の外国人や一時帰国の日本人などによる免税売上の伸びにもつながっているようだ。2022年3月期のグローバル売上(越境EC+免税売上高)は約73億円(前期比2.2倍)に大きく拡大してきた。

2. カメラ修理企業との資本業務提携
2022年1月26日には、国内でもトップクラスの技術や実績を誇るカメラ修理企業であるフクイカメラサービスとの資本業務提携を締結した※。1) カメラのコンディションチェックを及び修理事業の協力、2) 商品の安定供給を行うための事業協力、共同事業実施の検討、3) 人事交流を通じたノウハウの共有や人材育成などに取り組む内容となっている。7年前から取引を行ってきたが、本件によりさらに連携を深め、シナジーを発揮していく方針である。特に中古品を扱う上で修理は欠かせないものであるうえ、すべてのメーカーの修理ができる会社は希少であることから、シェア拡大に向けても重要な提携先として捉えることができる。

※フクイカメラサービス発行済株式総数の35%を取得

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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