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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 まずは権利行使価格の2万7250円辺りでの底堅さを見極めたいところ


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27340 -510 (-1.83%)
TOPIX先物 1911.5 -30.5 (-1.57%)
シカゴ日経平均先物 27325 -525
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。朝方発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.6%上昇と伸びが加速し、市場予想を上回った。インフレがピークアウトしたとの見方は後退し、改めて米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを進めるとの見方が強まり、幅広い銘柄に売りが広がった。また、6月のミシガン大学消費者態度指数が統計開始以来で最低となったことも嫌気された。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、小売、銀行、消費者サービス、ソフトウエア・サービスの下落率は4%を超えた。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比525円安の2万7325円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比180円安の2万7670円で始まり、その後は2万7640円~2万7780円辺りで推移。米国市場の取引開始後にレンジを下放れると、一時2万7250円まで売られる場面もあった。終盤にかけてはやや下げ渋ったが戻りは鈍く、2万7340円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、ギャップダウンで始まるとみられる。先週末と連続でのギャップスタートになるため、センチメントを冷ます格好となり、ヘッジ対応の売りが膨らむことになりそうだ。6月限先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が通過したこともあり、短期筋の売り仕掛け的な動きも入りやすい需給状況となろう。

 米CPIについては一部で10%を超えるとの見方から、9日の米国市場ではヘッジ対応の売りが膨らんだものの、CPI通過でアク抜けとはならず、一段と15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感を強める結果となった。6月と7月のFOMCでは0.5%の利上げは織り込まれているが、一部で6月に0.75%の利上げを予想する見方も出てきているようであり、金融引き締めペース加速への懸念が強まるなか、FOMC通過までは積極的な売買は手控えられそうだ。

 一方で、16-17日の日銀の金融政策決定会合では、金融緩和を維持すると見られているため、改めて日米金融政策の違いに着目した円売りが強まりそうだ。日米金利差を狙った海外勢による資金流入や円安のプラス面を手掛かりとした物色によって、相対的に日本株の底堅さは意識されやすい。そのため、連日のギャップダウンによって25日移動平均線が位置する2万7000円辺りを目先的なターゲットとして意識しつつも、まずはオプション権利行使価格の2万7250円辺りでの底堅さを見極めたいところであろう。FOMC通過後は市場の関心が日銀会合に移ることから、押し目狙いのロングも控えているだろう。

 VIX指数は27.75に上昇した。一時29.63と30.00に迫る場面も見られたが、終値では25日線(27.94倍)を下回っている。手控え要因にはなるとはいえ、明確に30.00を超えてくるまでは、リスク回避姿勢はそれほど強まらないと見ておきたい。

 NT倍率は先物中心限月で14.30~14.40倍辺りでの推移を継続しており、6日に14.42倍まで上昇した後のNTロングの巻き戻しの動きと見られる。本日はギャップスタートの影響でNT倍率は低下することになりそうだが、25日線が14.23倍、直近で支持線として機能している75日線は14.17倍に位置している。この辺りまで低下する局面では、その後の反転を想定したNTロングの組成も入りそうだ。

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