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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 押し目狙いのロングスタンス、米景気後退懸念は根強いが、相対的に日本株の底堅さが意識される可能性


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 26750 -20 (-0.07%)
TOPIX先物 1883.5 +3.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 26715 -55
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場はNYダウ S&P500が上昇する一方で、ナスダックは下落。中国人民銀行が住宅ローン金利の基準となるローンプライムレートの5年物を引き下げたことを背景に、朝方は買い先行で始まった。ただし、インフレと米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めによる景気後退への懸念は根強く、景気敏感株を中心に売りが広がり下落に転じると、NYダウの下げ幅は一時600ドルを超える場面も見られた。終盤にかけては反発を見込んだ買いが入り、急速に下げ渋る動きからNYダウ、S&P500は小幅ながらプラス圏を回復して取引を終えた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジー、不動産が上昇した半面、自動車・同部品、資本財、小売が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比55円安の2万6715円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円高の2万6780円で始まり、2万6940円まで買われる場面があった。ただし、米国市場の取引開始後に下げに転じると、その後は2万6370円まで下落幅を広げたが、終盤にかけては急速に値を戻し2万6750円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、小動きで始まることになりそうだ。米国では来年にも景気後退に陥るとの見方が根強く、NYダウは週間ベースで1932年以来となる8週続落。ただし、オプションの満期日だったこともあり、推計1兆9000億ドル(約240兆円)に上る既存のポジションから新たなポジションを構築するタイミングであった。オプションの満期期日が通過したことから、いったんはリバウンドも意識されやすいだろう。

 週初の米国市場の動向を見極めたいとして積極的な売買は手控えられるだろうが、米国の主要な指数は売り一巡後に切り返す動きだったほか、ナスダックは3日続落とはなったものの下落幅を縮めていた。また、日経225先物はナイトセッションの寄り付き水準まで下落幅を縮小し、25日、75日移動平均線を上回って終えている。先週も週後半は荒い値動きだったが、2万6000円~2万7000円辺りのレンジで推移するなか、レンジ下限接近では押し目狙いのロングも見られた。

 グローベックスの米株先物の動向を睨みながらの展開になると見られるが、短期的にはナイトセッションの安値水準を窺う局面があるようなら、押し目狙いでのロングの動きを想定しておきたい。日米金利差を狙った海外勢の資金流入への思惑が高まりやすいほか、決算発表が通過したことにより、改めて業績を手掛かりに見直す動きもあり、相対的に日本株の底堅さが意識されよう。

 VIX指数は29.43と再び30を下回って推移している。楽観はできない水準ではあるものの、30.00を下回っての推移が継続するようだと、リスク回避姿勢は強まらず、米国においても短期的とはいえ次第にリバウンドが意識されてくる可能性がありそうだ。

 また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.23倍だった。週半ばに14.32倍と1月下旬以来の水準まで上昇した後に14.16倍に低下する場面が見られた。ただし、同水準に位置する75日線を支持線にリバウンドを見せる格好だった。25日線は14.18倍辺りに位置しており、同水準に接近する局面ではNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。

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