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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東京製鉄、エレマテック、SHIFT

東京製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■東京製鐵 <5423>  1,288円  +91 円 (+7.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 東京製鐵<5423>が全体下げ相場に逆行。前週末22日に発表した23年3月期の増収減益予想を受けて朝方は一時マイナス圏に沈む場面があったものの、あわせて発表した今期増配や自社株買いを好感する形で徐々に買い優勢の展開となり大幅高。今期の売上高は前期比47.7%増の4000億円、営業利益は同5.6%減の300億円の予想。鋼材市況の好調が引き続き追い風となる一方、主原料である鉄スクラップの価格高騰に対するコストダウン施策の取り組み具合が利益に影響する見通し。配当予想は前期比5円増の30円(中間・期末15円)を見込んでいる。あわせて発表した自社株買いでは、上限を280万株(発行済み株数の2.42%)、または30億円とした。取得期間は25日~12月31日。

■エレマテック <2715>  1,141円  +43 円 (+3.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 エレマテック<2715>がカイ気配スタートで水準を切り上げる展開。同社は電子デバイス商社で、車載向けや5G関連分野などでの旺盛な需要を捉え、業績成長路線を走っている。前週末22日取引終了後に発表した22年3月期の決算は営業利益が前の期比53%増の83億4600万円と急増し過去最高利益を更新した。好業績を背景に、年間配当も従来計画から10円増額した53円(前の期実績は36円)と株主還元も強化している。続く23年3月期業績予想も好調を継続、営業利益は前期比7%増の89億5000万円を予想、また配当は前期実績から更に7円増配となる60円を計画しており、これがポジティブサプライズとなり、投資資金を呼び込んでいる。配当利回りは前週末終値で換算して5.4%台と非常に高い。

■バイタルKS <3151>  766円  +26 円 (+3.5%)  本日終値
 バイタルケーエスケー・ホールディングス<3151>が反発。同社は22日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業損益の見通しを従来の16億円の黒字から29億円の黒字(前の期は22億6000万円の赤字)に引き上げた。売上高の見通しも従来の5422億円から5768億円(前の期比7.4%増)に上方修正。新型コロナウイルス関連商品の販売やレンタルが好調だったほか、新型コロナワクチンの配送受託による売り上げや利益の計上が主な要因だとしている。また、期末配当を従来計画比2円増額の14円にすると発表。これにより、中間配当12円とあわせた年間配当は26円(前の期は12円)となる。

■ビー・エム・エル <4694>  3,300円  +95 円 (+3.0%)  本日終値
 ビー・エム・エル<4694>が後場上げ幅を拡大。午後2時ごろ、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が1770億円から1860億円(前の期比34.2%増)へ、営業利益が425億円から488億円(同2.4倍)へ、純利益が280億円から337億円(同2.5倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の影響により、第4四半期に新型コロナウイルス関連検査の受注が高止まりし、想定を上回って推移したことが要因としている。

■SHIFT <3697>  24,160円  +590 円 (+2.5%)  本日終値
 SHIFT<3697>が全体相場に逆行高。4月14日に2万6990円の年初来高値を形成後に調整局面に移行したが、目先は25日移動平均線との上方カイ離解消で押し目買いを誘導している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を背景にソフトウェアテスト及びその周辺事業が好調で、22年8月期第2四半期(21年9月~22年2月)の営業利益は前年同期比2.6倍となる38億2600万円と急拡大している。VR検証の技術力をベースにメタバーステストにも参入しており、材料性を内包している。また、株式需給面では信用買い残が20万株程度にとどまっており、日々の商い水準からは重荷とはなっていない。

■サカタのタネ <1377>  4,325円  +100 円 (+2.4%)  本日終値
 サカタのタネ<1377>が反発し年初来高値を更新。同社は野菜と花の種苗会社として高実績を持ち、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により一部の新興国などで食料が手に入りにくくなるなか食料関連銘柄として注目された様子だ。特に同社はブロッコリーで6割強の世界シェアを誇り、海外売上比率も6割と高く円安メリットも期待できる。岩井コスモ証券は21日に同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始し目標株価を4800円に設定している。22年5月期の連結営業利益は100億円の計画に対し、同証券では23年5月期は今期予想比10%増の110億円と試算するなど、連続最高益を見込んでいる。

■東洋建設 <1890>  972円  +16 円 (+1.7%)  本日終値
 東洋建設<1890>は全体下げ相場のなか上値指向を継続。前週末22日の取引終了後、任天堂創業家のファミリーオフィスであるYamauchi-No.10 Family Office(YFO、東京都港区)との間で行ったTOBを巡る書簡を公表した。なかで、YFOが東洋建に対して1株1000円での買収提案を行っており、この価格を意識しながらの値動きとなったようだ。東洋建は現在、インフロニア・ホールディングス<5076>が完全子会社化を目指して1株770円でTOBを実施中だ。このTOBが発表された3月22日以降、YFOは断続的に東洋建株を買い付けており、22日付の大量保有報告書ではYFOが出資する投資会社が26.28%を保有していることが判明している。

■キッセイ薬品工業 <4547>  2,532円  +28 円 (+1.1%)  本日終値
 キッセイ薬品工業<4547>は4日続伸。前週末22日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、営業損益が16億円の赤字から14億円の赤字へ(前の期15億500万円の黒字)、純利益が119億円から129億円(前の期比2.4倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は654億円から653億円(同5.4%減)へやや下振れたものの、医薬品事業及び情報サービス事業において、売上総利益率が向上したことに加えて、法人税や住民税、事業税が予想を下回った。

■三重交HD <3232>  451円  +4 円 (+0.9%)  本日終値
 三重交通グループホールディングス<3232>がしっかり。22日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、営業利益が17億円から29億9000万円(前の期比7.4倍)へ、純利益が13億円から22億1000万円(前の期17億4600万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。年末年始以降、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大により東海地方にまん延防止等重点措置が適用され、一時的な人流減少に伴う来客減などの影響を受けて売上高は850億円から843億円(前の期比3.8%増)へ下振れたものの、費用削減に努めたことが利益を押し上げた。

■栄研化学 <4549>  1,700円  +8 円 (+0.5%)  本日終値
 栄研化学<4549>が全般安のなかしっかり。23日付の日本経済新聞朝刊で「2022年3月期の連結営業利益が前の期比約2割増の80億円程度になったことが分かった」と報じられており、会社側の減益予想に対して4年連続で過去最高を更新するとの観測が好感されたようだ。記事によると、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる遺伝子検査試薬の販売が想定よりも伸びたほか、大腸がんの検診に使う便潜血検査用試薬の販売も想定に比べて好調に推移したという。なお、決算発表は4月28日の予定となっている。

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