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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:東京製鉄、エレマテック、SHIFT

東京製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■東京製鐵 <5423>  1,310円  +113 円 (+9.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 東京製鐵<5423>が全体下げ相場に逆行。前週末22日に発表した23年3月期の増収減益予想を受けて朝方は一時マイナス圏に沈む場面があったものの、あわせて発表した今期増配や自社株買いを好感する形で徐々に買い優勢の展開となり大幅高。今期の売上高は前期比47.7%増の4000億円、営業利益は同5.6%減の300億円の予想。鋼材市況の好調が引き続き追い風となる一方、主原料である鉄スクラップの価格高騰に対するコストダウン施策の取り組み具合が利益に影響する見通し。配当予想は前期比5円増の30円(中間・期末15円)を見込んでいる。あわせて発表した自社株買いでは、上限を280万株(発行済み株数の2.42%)、または30億円とした。取得期間は25日~12月31日。

■エレマテック <2715>  1,178円  +80 円 (+7.3%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位
 エレマテック<2715>がカイ気配スタートで水準を切り上げる展開。同社は電子デバイス商社で、車載向けや5G関連分野などでの旺盛な需要を捉え、業績成長路線を走っている。前週末22日取引終了後に発表した22年3月期の決算は営業利益が前の期比53%増の83億4600万円と急増し過去最高利益を更新した。好業績を背景に、年間配当も従来計画から10円増額した53円(前の期実績は36円)と株主還元も強化している。続く23年3月期業績予想も好調を継続、営業利益は前期比7%増の89億5000万円を予想、また配当は前期実績から更に7円増配となる60円を計画しており、これがポジティブサプライズとなり、投資資金を呼び込んでいる。配当利回りは前週末終値で換算して5.4%台と非常に高い。

■バイタルKS <3151>  770円  +30 円 (+4.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位
 バイタルケーエスケー・ホールディングス<3151>が反発している。同社は22日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業損益の見通しを従来の16億円の黒字から29億円の黒字(前の期は22億6000万円の赤字)に引き上げた。売上高の見通しも従来の5422億円から5768億円(前の期比7.4%増)に上方修正。新型コロナウイルス関連商品の販売やレンタルが好調だったほか、新型コロナワクチンの配送受託による売り上げや利益の計上が主な要因だとしている。また、期末配当を従来計画比2円増額の14円にすると発表。これにより、中間配当12円とあわせた年間配当は26円(前の期は12円)となる。

■SHIFT <3697>  24,120円  +550 円 (+2.3%)  11:30現在
 SHIFT<3697>が全体相場に逆行高。4月14日に2万6990円の年初来高値を形成後に調整局面に移行したが、目先は25日移動平均線との上方カイ離解消で押し目買いを誘導している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を背景にソフトウェアテスト及びその周辺事業が好調で、22年8月期第2四半期(21年9月~22年2月)の営業利益は前年同期比2.6倍となる38億2600万円と急拡大している。VR検証の技術力をベースにメタバーステストにも参入しており、材料性を内包している。また、株式需給面では信用買い残が20万株程度にとどまっており、日々の商い水準からは重荷とはなっていない。

■キッセイ薬品工業 <4547>  2,529円  +25 円 (+1.0%)  11:30現在
 キッセイ薬品工業<4547>は4日続伸。前週末22日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、営業損益が16億円の赤字から14億円の赤字へ(前の期15億500万円の黒字)、純利益が119億円から129億円(前の期比2.4倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感されている。売上高は654億円から653億円(同5.4%減)へやや下振れたものの、医薬品事業及び情報サービス事業において、売上総利益率が向上したことに加えて、法人税や住民税、事業税が予想を下回った。

■栄研化学 <4549>  1,707円  +15 円 (+0.9%)  11:30現在
 栄研化学<4549>が全般安のなかしっかりとなっている。23日付の日本経済新聞朝刊で「2022年3月期の連結営業利益が前の期比約2割増の80億円程度になったことが分かった」と報じられており、会社側の減益予想に対して4年連続で過去最高を更新するとの観測が好感されているようだ。記事によると、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる遺伝子検査試薬の販売が想定よりも伸びたほか、大腸がんの検診に使う便潜血検査用試薬の販売も想定に比べて好調に推移したという。なお、決算発表は4月28日の予定となっている。

■東急建設 <1720>  586円  -72 円 (-10.9%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ
 東急建設<1720>が急落。同社は22日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業損益は61億円の赤字(従来予想は36億円の赤字)になったようだと発表したことが嫌気されているようだ。売上高予想は前の期比11.5%増の2580億円(従来予想は2670億円)に下方修正。国内土木工事で受注時期が想定より遅れたことや工事進捗の遅れなどから完成工事高が減少したほか、利益面では海外の一部工事で進捗遅れに伴い経費が増加することが影響するとしている。また、期末配当を従来計画の20円から5円に引き下げると発表。中間配当20円とあわせた年間配当は25円(前の期は10円)となる。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,047円  -364 円 (-6.7%)  11:30現在  東証プライム 下落率4位
 ソフトバンクグループ<9984>が大幅安で3日続落。株価は前週末に続き、連続してマドを開けて売られる展開となっており、目先下値リスクが意識されている。前週末の米国株市場が波乱安に見舞われ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落し、フシ目の1万3000を終値で割り込んだことで投資家心理が弱気に傾いている。同社は米ハイテク株へ積極投資しており、ナスダック市場の動向と株価が連動しやすい。株式需給面では信用買い残の整理が進捗していたが、直近4月15日申し込み現在では1300万株弱で前週比横ばいの推移となっており、個人投資家の処分売りが一巡したことを示唆している。

■日経レバ <1570>  13,345円  -535 円 (-3.9%)  11:30現在
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅続落で1万3000円台前半まで水準を切り下げている。前週末の米国株市場ではFRBによる金融引き締め強化の思惑を背景に、NYダウが一時1000ドルを超える下げをみせるなど波乱展開となり、週明けの東京市場でもこのリスクオフの流れが波及した。同銘柄は日経平均に連動するETFで価格変動率が2倍に基本設定されており、全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家などの売買が活発化する傾向がある。一方、日経平均株価と逆方向に連動する仕組みに組成されたNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>にも投資家の関心が向いている。こちらは400円近辺のもみ合いを上放れる動きをみせている。

■安川電機 <6506>  4,390円  -140 円 (-3.1%)  11:30現在
 安川電機<6506>、キーエンス<6861>、SMC<6273>などFA関連株が大きく売り優勢となっている。ゼロコロナ政策による上海など主要都市のロックダウンに伴い、サプライチェーンリスクのほか中国景気の減速懸念が高まっている。中国向け売上比率の高い機械セクターは足もと向かい風が強い。2月決算銘柄である安川電は決算発表を通過しており、23年2月期営業利益が前期比36%増の720億円を見込むが、「外部環境の不透明感が募るなか下方修正リスクも意識され、上値を買い進む動きにつながっていない」(中堅証券ストラテジスト)という。

■富士通ゼネラル <6755>  2,257円  -68 円 (-2.9%)  11:30現在
 富士通ゼネラル<6755>が大幅安。前週末22日の取引終了後、22年3月期業績予想の下方修正を発表。営業利益を150億円から84億円(前の期比55.2%減)へ減額しており、これが嫌気されているようだ。売上高も3100億円から2840億円(同7.0%増)へ引き下げた。工場出荷後の物流停滞をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大に伴う工場などでの活動制限や上海市の都市封鎖の影響があった。なお、物流停滞の影響によって出荷待ちや受注確定済みの商品が多数あり、これらの売り上げ計上は次期に持ち越しとなるという。

■レーザーテック <6920>  17,870円  -405 円 (-2.2%)  11:30現在
 レーザーテック<6920>がウリ気配スタートとなり下値模索の動きを継続。前週末の米国株市場ではNYダウが今年最大の下げ幅を記録するなか、半導体関連セクターも総じて売りに押される展開となった。米インフレ懸念を背景にFRBの金融引き締めを警戒する動きが改めて強まり、高PERのグロース株(成長株)セクターには売り圧力が強い。東京市場でもこの流れが波及する形で半導体セクターは弱い動きとなっている。そのなか、同社は半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するが、そのグローバル・ニッチトップ企業としての成長力が評価される一方、「今年に入って大幅な株価調整を入れたものの依然としてPERが70倍台にあり、株価指標面での割高感が拭えない」(ネット証券アナリスト)という見方があり、目先筋の売りがかさんでいる。

■日本航空 <9201>  2,161円  -42 円 (-1.9%)  11:30現在
 日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株の下げが目立っている。国内外で新型コロナウイルスの感染拡大には歯止めがかかっているものの、収益環境の改善を見込んだ買いは限定的となっている。市場では「空運株は空売りの買い戻しなど需給的要因で3月中旬から下旬にかけて戻り足を強めていたが、目先は買い戻しが一巡した感がある。実態面ではJAL、ANAHDとも今のところ最終赤字から脱却できない状況で、実需の買いが見込めない弱みがある」(中堅証券ストラテジスト)という指摘が出ていた。

■ニトリホールディングス <9843>  13,705円  -5 円 (0.0%)  11:30現在
 ニトリホールディングス<9843>は続落している。前週末22日の取引終了後に発表した4月度(3月21日~4月20日)の月次国内売上高で、既存店売上高が前年同月比0.8%減と3カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気されている。テレビCM効果や「春の家電キャンペーン」の実施により、寝具寝装品や新生活家電商品などの売り上げが計画に対して順調に推移した。ただ、前年同月が2.1%増と好調だった反動があったことに加えて、日曜日が1日少なく、祝日が1日多いことによる影響もあった。なお、全店売上高は同1.8%増だった。

■木徳神糧 <2700>  4,960円  +700 円 (+16.4%) ストップ高買い気配   11:30現在
 木徳神糧<2700>は朝方から買いが先行しストップ高の4960円水準でカイ気配となっている。前週末22日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を975億円から1030億円(前期比4.5%減)へ、営業利益を4億8000万円から10億円(同90.1%増)へ、純利益を3億5000万円から9億円(同78.2%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を25円から35円へ引き上げたことが好感されている。21年産米が20年産米に続く豊作となり、供給過剰の状況が続いており、国内の米穀取引価格が下落傾向で推移している一方、円安の影響を受けてミニマム・アクセス米と輸入乾牧草の販売単価が上昇していることが要因。また、米穀在庫の適正化に注力し需給環境に対応した仕入れが可能となったことや、仕入れルートの複線化を推進し原料調達や提案営業で優位性を実現したこと、更に販売及び管理費用の削減を徹底したことなどが寄与する。なお、年間配当予想は60円(前期50円)になる予定だ。

■サイバーステップ <3810>  714円  +100 円 (+16.3%) ストップ高   11:30現在
 サイバーステップ<3810>は異彩高の様相で、きょうも大口の買い注文に商いが成立せず、前週末比100円高は値幅制限上限の714円に張り付く状態。このまま行けば4営業日連続のストップ高となる。オンラインクレーンゲーム「ネットキャッチャー ネッチ」を運営するネッチの全株式を取得し子会社化することを発表しており、これによる業容拡大効果を材料視する動き。市場では「材料発現が株高の背景にあるとはいえ、既に需給思惑のみで上がっている感が強い。寄り付いてからの動きが注目されるが、貸株調達による空売りしかできない片道信用銘柄で、一般投資家の参戦はリスクが大きい」(中堅証券マーケットアナリスト)という声が聞かれる。

●ストップ高銘柄
 トーセ <4728>  799円  +100 円 (+14.3%) ストップ高   11:30現在
 など、3銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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