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【特集】利回り10%近くも、「最強の10銘柄」の隙間を埋めるETF

いくぜ、アメ株 !二刀流の極め技 エルさんの場合-第2回

登場する銘柄
グローバルX・NASDAQ100カバード・コールETF<QYLD>、i シェアーズ・コア米国高配当株ETF<HDV>、バンガード・S&P・500ETF<VOO>、バンガード米国増配株式ETF<VIG>、バンガード・米国トータル債券市場ETF<BND>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

【タイトル】エルさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
投資歴約30年で、現在は専業投資家。会社員2年目から株式投資を始め、ファストリ株投資の成功で「バイ&ホールド」型の長期投資を本格化させる。05年からはアメ株投資にも乗り出し、16年からさらに強化。アメ株の「最強の10銘柄」へのウェートを高めるやり方で資産拡大に拍車がかかり「20年までに早期リタイア」の夢を1年前倒しで実現してしまう。21年には『【エル式】米国株投資で1億円』(ダイヤモンド社)を出版、ブログやメディア登場で情報発信を行う。

第1回「リバウンドはGAFAMより期待も! 億り人に導いた最強の10銘柄」を読む

今回登場中のエルさん(ハンドルネーム)は、この10銘柄投資を柱に億り人を達成。さらに目標だった早期退職を1年前倒しで実現させたすご腕さんだ。だが、エルさんの資産拡大に貢献した立役者は、この10銘柄投資にとどまらない。

その1つが、米国ETF(上場投資信託)だ。最強の10銘柄は長期保有が前提のコア資産になるのに対して、ETFは相場の状況に合わせて最適な銘柄に適宜組み換えるサテライト的な資産になる。個別株とは性質が異なる投資先を選んで分散効果を効かせたり、その時々の地合いにあったポートフォリオの微調整をしたりするのが狙いだ。

足元のような、米国の金融引き締めやウクライナ情勢でボラティリティー(株価の変動率)が高くなりがちなときには、それに合わせたETFの銘柄に資金を配分している。

このコアとサテライトの組み合わせで、全体資産の成長を安定させることを狙っている。「最強の10銘柄」に対する絶大な信頼を持ちつつも、彼らを補完する動きをする銘柄を局面ごとに揃える柔軟さが、億り人達成の原動力になってきた。

2回目の記事では、最強の10銘柄を支える脇固めとして活用しているETFへの投資について見ていこう。

アメ株相場の調整を先読みし、下支え役のETFにも投資

「さすがに強いアメ株でも、これまでのようなイケイケ状態がずっと続くことはありえない。目先は多少の調整もあるはずだ」。

2012年から年足の終値が10連騰してきた米S&P500種株価指数。その騰勢は20年春のコロナショック後からさらに増し、20年3月末から昨年末までに1.8倍にまで上昇してきた。20年4月から昨年末までの月次チャートでは、始値より終値が低くなる陰線は5本のみで、逆の陽線が3倍以上の16本になる強い相場だった。

こんな強い相場がいつまでも続くことはないと感じていたエルさんは、昨年末からその考えを強め、長期上昇相場の調整局面に対応したポートフォリオに組み替える対応策を講じた。その柱に据えたのが、今回のテーマである米国ETFだ。

■S&P500の月足チャート(2012年~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、
同値は「グレー」。以下


足元は高分配2本と、成長期待の1本で再投資複利効果を狙う

エルさんが調整に備えて、今年に入ってから配分を増やしたのがインカムゲインの狙えるETFだ。配当に相当する分配金の水準が高いETFに投資し、受け取った分配金は再投資して複利効果を狙うやり方を強化した。

高分配に注目したのは以下の4本。

グローバルX・NASDAQ100カバード・コールETF<QYLD>
i シェアーズ・コア米国高配当株ETF<HDV>
バンガード・米国トータル債券市場ETF<BND>
バンガード米国増配株式ETF<VIG>
――だが、BNDとVIGは売却済みだ。

エルさんはこれら4本(現在は2本)から受け取った分配金は、S&P500に連動するバンガード・S&P・500ETF<VOO>へ再投資している。つまり足元で保有する米国ETFは、QYLDとHDVとVOOの3銘柄で、この調整局面を乗り切るポートフォリオを組んでいる。

最後のVOOは調整が落ち着き、再びS&P500の騰勢が付いた後を想定して今年2月から組み入れているものだ。エルさんは足元で一旦の調整はあっても、中長期ではアメ株相場は今後も上昇していくと見ているのだ。VOOにしたのは、利用する楽天証券で買い付け手数料を無料としている点を評価した。

■バンガード・S&P・500ETFの日足チャート(22年1月~)
【タイトル】

分配利回り2ケタのカバード・コールETFを再投資の原資に

エルさんがETF投資で意識しているのが、特色の異なるものを組み合わせること。そもそもETFは分散効果をもたらすものだが、さらに特色の異なるETFを複数保有すれば、より分散効果が図れる。今回、インカムゲイン狙いで追加したものも、それぞれが強い個性を持つものになっている。

分散効果という意味では、国内ETFや投資信託の購入でもそれなりに対応できる。だが、エルさんは、米国のETFの方が比べ物にならないほどラインアップが豊富で流動性も高く、かつ、米国ETFでしか獲得できないユニークな商品がある点を評価。これが米国ETFにこだわるポイントだ。

特にユニークなのが、NASDAQカバード・コールETF<QYLD>だ。直近22年3月の分配利回りは年換算12%近い高水準で、しかもこの水準を継続しているのが強みになっている。

同カバード・コールETFは、米国主要株価指数であるナスダック総合指数の構成主要100銘柄を対象とするオプション取引を用いた商品だ。高利回りの肝は、銘柄名にある「カバード・コール」だ。

■NASDAQカバード・コールETFの日足チャート(21年10月~)
【タイトル】

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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