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【特集】アルプス技研 Research Memo(6):訪問介護事業へ本格参入。サステナビリティの実現へも積極的に取り組む

アルプス技 <日足> 「株探」多機能チャートより

■主な活動実績

1. コロナ禍における対策
アルプス技研<4641>では、コロナ禍に対応するため対策本部を設置し、顧客(派遣先)及び従業員の安全を最優先とした対策を講じている。特に、顧客(派遣先)の状況や要請に対して柔軟かつ迅速な対応を図るとともに、社員の在宅勤務やオフピーク通勤の推進、国内出張の自粛、海外出張の原則禁止、TV会議の活用、オンライン研修の実施など、勤務形態や業務の変更などにも機動的に取り組み、コロナ禍の収束が見込まれるまで継続していく方針である。またこれを機に、オンライン採用やオンライン講座の充実やリモートワーク対応など、ニューノーマルに適応した体制への変革にも取り組んでいる。

2. 採用実績
同社成長のドライバーとなる人材の採用については、2021年新卒採用者として314名(前期は233名)を確保できた一方、質を重視したキャリア採用については、70名程度(計画は120名)とやや苦戦した。その影響もあって、期末の技術社員数(単体)は3,969名(前期末比72名増)と着実に増加したとは言え、これまでの増加ペースに比べると見劣りする結果となった。また、外国人材についても、コロナ禍に伴う入国制限の影響により、グローバルエンジニア及びアグリ人材ともに受け入れができない状況が続いている。これら人材の積み上げに遅れが生じたことについては、同社でも十分に認識しており、入国制限の緩和に向けた受け入れ体制の準備はもちろん、積極的な採用継続やエンゲージメントの向上(離職率の低減)等により、早い段階で取り戻していく考えである。

3. 新規事業(農業・介護関連分野)の進捗
(1) 農業関連分野
農業関連分野を担うアルプスアグリキャリア※については、コロナ禍に伴う入国制限により外国人材の受け入れができない状況が続いているものの、国内における農業人材不足は顕著であり、コロナ禍以前に受け入れた外国人材の育成及び派遣が進んだことなどにより、全国での取引実績も着実に伸びてきた。

※これまでの実績を振り返ると、2019年9月に人材派遣会社で全国初の新在留資格「特定技能1号」を取得し、中国・ミャンマー・ベトナムのアグリテック・アグリ(就農)人材を全国規模で様々な業務に派遣している。


(2) 介護関連分野
2021年7月1日付けで、さらなる介護事業の拡大を見据え、多様な高齢者向けサービスの提供、新たな社会インフラの創造を目的として、訪問介護事業を行うアルプスケアハートを設立した。同社の強みである技術力を生かしたITとの融合により、同社ならではの持続可能な訪問介護事業を展開していく方針である。まずは国内人材の活用による訪問介護サービスを相模原市から開始し、神奈川県、首都圏、そして全国へと事業所を拡充していく計画となっている。2021年10月1日に事業開始した1号店(橋本)を皮切りとして、12月1日には2号店(淵野辺)を開設し、順調な立ち上げとなっている。

4. 地方創生への貢献
企業版ふるさと納税制度を活用し、北海道広尾郡大樹町における「大樹発!航空宇宙関連産業集積による地域創生推進計画」への寄附を実施した。航空宇宙事業は同社が注力している分野であり、地方創生や持続可能な社会のさらなる実現を目指し、大樹町が進める事業の発展を支援することが目的である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《EY》

 提供:フィスコ

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