【市況】10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ112ドル安、高インフレを警戒
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウ112ドル安、高インフレを警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は112.18ドル安の33174.07ドル、ナスダックは125.59ポイント安の13129.96で取引を終了した。ロシアとウクライナ外相の停戦交渉で進展なく、さらに、2月消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びとなったため、寄り付き後、下落。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを警戒した売りも再燃し、終日軟調に推移した。ハイテクも金利の上昇を嫌気し、下落。セクタ?別では小売りやエネルギーが上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器が下落した。
オンライン小売りのアマゾン(AMZN)は自社株買いを最大100億ドル規模に拡大すると同時に1株を20株にする上場後初の株式分割計画を発表し、上昇。エネルギー会社のシェブロン(CVX)、油田製品・サービス会社のベーカー・ヒューズ(BKR)は政府のロシア産石油禁輸決定で売り上げ増加期待に買われた。衣料品販売のジェネスコ(GCO)は四半期決算で内容が予想を上回ったほか、既存店売り上げも前年比10%増を発表し、上昇。一方で、半導体メーカーのマイクロンテクノロジー(MU)やアドバンスト・マイクロ・デバセズ(AMD)はロシア、ウクライナ紛争で主要原材料の供給不足が懸念され、軒並み下落した。
ソフトウェアメーカーのオラクル(ORCL)は取引終了後に決算を発表。第3四半期調整後の1株利益が市場予想を下回り、時間外取引で下落している。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ウクライナ情勢のすみやかな改善への期待低下で安全逃避のドル買い強まる
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、115円85銭へ弱含んだのち、116円19銭まで反発し、116円13銭で引けた。米2月消費者物価指数(CPI)は40年ぶり最大の伸びを示し、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを正当化する結果となったため、長期金利上昇に伴うドル買いが強まった。また、ウクライナ、ロシアの外相会談で停戦交渉に進展がなく、警戒感から質への逃避のドル買いも再燃した。
ユーロ・ドルは1.1107ドルから1.0976ドルまで下落し、1.0988ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。インフレがECBの目標である2%で安定する可能性が高まったため、想定より早く量的緩和を終了する計画を発表し、年内利上げの可能性も除外しなかったため、一時ユーロ買いが加速。ただ、ロシア、ウクライナ外相会談で停戦交渉に進展なく、ウクライナ情勢は改善ひていないことから、ユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は128円74銭から127円42銭まで下落。ポンド・ドルは1.3183ドルから1.3084ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9255フランから0.9309フランまで上昇した。
■NY原油:弱含みで106.02ドル、ウクライナ情勢は流動的
NY原油先物4月限は、弱含み(NYMEX原油4月限終値:106.02 ↓2.68)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-2.68ドルの106.02ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは105.60ドル-114.88ドル。ウクライナ情勢は流動的であり、ニューヨーク市場の序盤にかけて114.88ドルまで買われたが、増産の思惑は消えていないため、利食い売りが優勢となった。ニューヨーク市場の後半にかけて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で105.60ドルまで下げている。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 40.67ドル -0.37ドル(-0.90%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.86ドル -1.54ドル(-1.76%)
ゴールドマン・サックス(GS)329.90ドル -3.69ドル(-1.11%)
インテル(INTC) 46.66ドル -0.97ドル(-2.04%)
アップル(AAPL) 158.52ドル -4.43ドル(-2.72%)
アルファベット(GOOG) 2653.64ドル -23.68ドル(-0.88%)
フェイスブック(FB) 195.21ドル -3.29ドル(-1.66%)
キャタピラー(CAT) 211.79ドル +2.01ドル(+0.96%)
アルコア(AA) 82.94ドル +3.42ドル(+4.30%)
ウォルマート(WMT) 142.63ドル +3.17ドル(+2.27%)
《ST》
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