【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):シャープ、SUMCO、DIC
シャープ <日足> 「株探」多機能チャートより
アバント<3836>が堅調な動き。この日、子会社ジールが、健康や美、生活に関わる幅広い生活者のニーズに沿った商品の総合商社であるリードヘルスケア(東京都中央区)の営業支援システムについて、オラクル・クラウドをプラットフォームとしてクラウド化したと発表しており、好材料視された。リードヘルスケアでは、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)環境の整備を目的に基幹システムのクラウド化を進めており、営業支援システムについても物理サーバーからクラウドへ移行することが求められていたが、ジールの導入・構築支援により、スムーズな営業支援システムのクラウド化を実現したという。導入により、これまでレポート表示ボタンを押してから最大1~2時間かかっていた処理が数秒で返ってくるようになり、処理時間の短縮が大幅な生産性向上に貢献しているという。
■オンワード <8016> 292円 +2 円 (+0.7%) 本日終値
オンワードホールディングス<8016>がしっかり。19日付の日本経済新聞朝刊で「2024年までに1300店規模のほぼ全店を電子商取引(EC)と連携させる」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、消費者はECで扱う大半の商品を店に取り寄せて試着・購入できるようになるという。これにより、EC売上高比率を3割から30年までに5割に高めるとしており、こうしたECシフトの姿勢が好感された。
■シャープ <6753> 1,181円 -133 円 (-10.1%) 本日終値 東証1部 下落率4位
シャープ<6753>がマドを開けて急落。前週末18日の取引終了後、液晶パネル製造の堺ディスプレイプロダクト(堺市堺区)の子会社復帰に向けた協議開始を発表しており、買収による財務内容の悪化を懸念した売りが先行したようだ。テレビ事業や業務用ディスプレイ事業において、コスト構造上大きな割合を占める高品位パネルの安定調達につなげる狙いがある。シャープは今後、堺ディスプレイプロダクト株の80%を保有する海外ファンドから株式を取得する見通し。なお、あわせて開示された堺ディスプレイプロダクトの直近2020年度の業績は、売上高が1052億1100万円、最終損益が1019億9400万円の赤字。
■SUMCO <3436> 1,958円 -108 円 (-5.2%) 本日終値
SUMCO<3436>が大幅安。SMBC日興証券が18日付で投資評価を「1」から「2」へ、目標株価を3200円から2300円へ引き下げたことが悪材料視されたようだ。同証券では、好決算や長期契約の締結を経てしばらくはカタリスト不足の局面と指摘。300ミリメートルウエハーの需給逼迫感は2023年まで強まり、業績も23年12月期に一段と拡大するとみている一方、株価と相関があるウエハー価格の上昇率と営業増益率が今第1四半期をピークに低下していくと予想している。
■DIC <4631> 2,657円 -88 円 (-3.2%) 本日終値
DIC<4631>は3日続落。同社は18日取引終了後、22年12月期連結業績予想について、売上高9500億円(前期比11.1%増)、営業利益540億円(同25.9%増)、純利益280億円(同6.4倍)、年間配当予想100円(前期は100円)と開示したが、全体相場の地合いが悪化する中で買いの反応は限定的のもよう。21年12月期連結営業利益は428億9300万円(前の期比8.1%増)。高付加価値製品である半導体、電気・電子向け材料などの出荷が好調に推移した。また、生活必需品である食品包装分野の出荷が堅調だった。あわせて長期経営計画を策定したと発表しており、「インキ製品に依存しない事業ポートフォリオ確立」などによって、25年12月期売上高1兆1000億円、営業利益800億円、30年12月期売上高1兆3000億円、営業利益1200億円を数値目標として掲げた。
■日経レバ <1570> 13,570円 -225 円 (-1.6%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が一時4.3%安に売り込まれ、再び1万3000円大台攻防を意識させる局面にある。日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率は日経平均の2倍に基本設定されており、全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家などをはじめ短期筋の売り買いが活発化する傾向が強い。きょうは、ウクライナ情勢の緊迫化を背景とした前週末の米株急落を受け、リスク回避ムードが一気に高まっており、信用取引で買いポジションを積み上げた投資家の売りがかさむ展開となっている。信用買い残は2月10日申し込み現在で4週ぶりに1000万株を下回っている。
■レーザーテック <6920> 21,170円 -285 円 (-1.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>が大幅安で3日続落、下値模索の動きを余儀なくされた。前週末の米国株市場では主要株価指数が揃って下落するなか、インテル<INTC>が5%超の下落となるなど半導体セクターも軟調な銘柄が目立っており、東京市場でもこの流れを引き継ぐ形で同社株など半導体主力株に対する逆風が強い。同社株は、半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占し成長期待は強いものの、足もとのPERの高さがネックとなっている。テクニカル的には13週・26週移動平均線のデッドクロスが接近しており、仮にこれが示現した場合は2020年10月以来約1年4カ月ぶりとなる。株価は年初から急落していることで、目先値ごろ感も漂うが、積極的な買いが入りにくい状況にある。
株探ニュース