【市況】前場に注目すべき3つのポイント~FOMC議事要旨を通過したことにより、実需買いも入りやすくなった~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
17日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:FOMC議事要旨を通過したことにより、実需買いも入りやすくなった
■ベステラ、22/1上方修正 営業利益5.9億円←4.5億円
■前場の注目材料:住友重、欧でモーター増産、環境規制対応品、年200万台
■FOMC議事要旨を通過したことにより、実需買いも入りやすくなった
17日の日本株市場は、こう着感が強まるものの底堅さが意識される相場展開になりそうだ。16日の米国市場ではNYダウが54ドル安だった。ウクライナ情勢でブリンケン国務長官はロシア軍が撤収している確認がとれないとしたほか、NATOのストルテンベルグ事務総長もむしろ増強しているように見えると警告し東欧の防衛強化を決定したため、ウクライナ情勢への懸念が再燃する格好となった。一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、タカ派色が強まらなかったため金利の低下が好感され、引けにかけて下げ幅を大幅に縮小した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円高の27460円。円相場は1ドル115円40銭台で推移している。
米国市場は弱い動きではあったが、ウクライナ情勢についてはすぐさま解決する問題ではないことから、前日の大幅上昇に対する反動はあるものの、改めて嫌気する動きが強まるといった流れにはならないだろう。一方で、FOMC議事要旨では新たに金融引き締めを加速させる内容ではなかったことから、安心感に繋がりそうである。また、1月の米小売売上高が高い伸びだったことも材料視される可能性はありそうだ。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から前日比変わらず水準から始まることになりそうだが、日経225先物はナイトセッションで25日線水準を捉えてきている。上値抵抗線として意識されている25日線を明確に上回ってくるようだと、センチメント改善にも繋がることが期待されてくる。昨日の東証1部の売買高は低水準であったが、FOMC議事要旨を通過したことにより、実需買いも入りやすくなったと考えられる。また、25日線水準では強弱感が対立しやすいと見られるものの、押し目買い意欲は次第に高まってくると見ておきたい。
物色の流れとしては前日に強い動きを見せていた指数インパクトの大きい値がさ株などは利食いも入りやすいものの、米長期金利の低下を受けて押し目狙いのスタンスになりそうだ。また、米小売売上高の高い伸びを受けて、消費関連など内需系への物色も意識されやすい。また、中小型株についても地合いの落ち着きとともに見直しの動きが徐々に広がりを見せてくる展開に期待したいところだろう。
■ベステラ、22/1上方修正 営業利益5.9億円←4.5億円
ベステラ<1433>は2022年1月期業績予想の修正を発表。売上高は56.0億円から59.0億円、営業利益を4.5億円から5.9億円に上方修正した。コロナ禍において、工事進捗への影響を最小限に抑えることができ、工事が順調に進捗した。また、工事原材料の高騰や、工事監督の積極採用によるコスト増はあったが、コスト管理の徹底等により計画通り順調に推移した。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27460.40、+595.21)
・シカゴ日経先物は上昇(27460、大阪比+30)
・SOX指数は上昇(3555.69、+1.23)
・VIX指数は低下(24.29、-1.41)
・米原油先物は上昇(93.66、+1.59)
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・海外のコロナ感染沈静化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・住友重<6302>欧でモーター増産、環境規制対応品、年200万台
・キリンHD<2503>中国の清涼飲料事業から撤退、1150億円で合弁売却
・信越化<4063>シリコーン材料の生産設備増強、800億円投資
・デンソー<6902>TSMC・ソニー半導体合弁に参画、内製・パートナー戦略“両輪”
・三菱マテリアル<5711>スパッタリングターゲット事業から撤退
・マツダ<7261>CX?3生産をタイ・メキシコへ移菅、防府工場は6月生産終了
・ブリヂストン<5108>化工品・多角化事業2.5倍260億円、26年営業益
・TPR<6463>イスラエル社に追加出資、発電機を開発
・凸版印刷<7911>AWS認定資格1000人、新たな成長の柱にDX
・本多通信<6826>毎秒12ギガ対応の車載用コネクター、サンプル出荷開始
・帝人<3401>CFRP材を建築材で拡販、来年度めど大臣認定取得へ
・資生堂<4911>サロン向け事業譲渡、独社に123億円
・アース製薬<4985>害虫駆除剤の新製品、効果1年
・三井化学<4183>ライフ&ヘルス収益源、長計の具体策
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1月貿易収支(予想:-1兆6000億円、12月:-5833億円)
・08:50 12月機械受注(船舶・電力を除く民需)(前月比予想:-2.0%)
<海外>
・09:30 豪・1月失業率(予想:4.2%、12月:4.2%)
・09:30 豪・1月雇用者数増減(予想:0.0万人、12月:+6.48万人)
《ST》
提供:フィスコ