【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):久光薬、INPEX、日本航空
久光薬 <日足> 「株探」多機能チャートより
クレハ<4023>は3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付で投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を8900円から1万700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。主にリチウムイオン電池の正極用バインダーとして使用されるフッ化ビニリデン樹脂(PVDF、機能製品部門)について、原料価格が想定以上に上昇しているが、一方で転嫁値上げも想定以上に進みそうなことから、PVDF売上高の22年3月期予想を246億円から268億円へ、23年3月期予想を268億円から322億円へ引き上げており、営業利益予想も22年3月期220億円と会社計画の195億円を上回ると予想。また、23年3月期も同240億円を予想している。
■福井コン <9790> 4,000円 +50 円 (+1.3%) 本日終値
福井コンピュータホールディングス<9790>は続伸。同社子会社の福井コンピュータは午後1時15分ごろ、電子小黒板スマートフォンアプリ「どこでも写真管理Plus」をリニューアルし、12月20日にリリースすると発表しており、これを材料視する買いも入ったようだ。国土交通省が推進する「工事写真の小黒板電子化」に対応したアプリで、同社の主力CAD製品である土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」やクラウドサービス「CIMPHONY Plus」と連携しながら、工事写真を効率的に撮影、管理することができる。今回、国交省の「デジタル写真管理情報基準(R2.3)」で採用された工事写真レイヤー化(SVGフィル形式)への対応を図るとともに、インターフェイスの大幅な改良や撮影機能の向上を行ったとしている。
■トーカロ <3433> 1,617円 +13 円 (+0.8%) 本日終値
トーカロ<3433>が全体軟調地合いにあって4日続伸と気を吐き、一時1638円まで買われた。今年1月14日につけた1634円を10カ月ぶりに上回り、株式分割考慮で実質上場来高値更新となった。世界的な半導体需給が逼迫するなか、東京市場では主力どころに比べ株価が出遅れていた半導体製造装置関連の中小型株に物色資金が流れ込んでいる。同社は半導体製造装置部品向けなどを中心に表面処理加工を手掛けているが、業績は前期に続き好調が続いており、22年3月期の営業利益は前期比17%増の101億円予想と同社初となる100億円大台乗せを果たす公算が大きい。株価は11月中旬以降、急速に下値を切り上げているが、PERや配当利回りなど株価指標面で割高感はなく、機関投資家とみられる実需買いが継続しているもよう。
■久光製薬 <4530> 4,025円 +10 円 (+0.3%) 本日終値
久光製薬<4530>は朝安スタートも切り返す。午前10時ごろ同社の宇宙生活/地上生活の課題解決商品「Fixpace(フィクスペース)」が、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されることになったと発表しており、これが好材料視された。宇宙での生活課題の一つとして、無重力空間における「物の紛失・散乱を減らすこと」が挙げられているが、その課題を解決するため同社では、壁やテーブルに貼付するだけで、ボールペンやナイフ・フォークなどの食器まで簡便に固定することができる「Fixpace」を開発。これが今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行った「宇宙滞在中の生活と地上での生活に係る共通な課題テーマおよび解決策を合わせたアイデア募集」に選定され、ISSに搭載されることになったとしている。
■アイホン <6718> 2,198円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
アイホン<6718>がしっかり。前週末19日の取引終了後、システム開発及びシステム運用管理などを行うソフトウェア札幌(札幌市北区)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好感された。ソフトウェア開発体制の強化を図り、多様化する国内外の市場ニーズに対応し、更なる事業の拡大を図ることが狙いとしている。
■INPEX <1605> 920円 -43 円 (-4.5%) 本日終値
INPEX<1605>が急落、一時65円安で900円台を割り込む水準に売り込まれた。資源開発の国内最大手で、シェブロン<CVX>やエクソン・モービル<XOM>など米エネルギー関連株と同様に原油市況との株価連動性が高い。前週末のWTI原油先物価格が2ドル91セント安と急落、1バレル=76ドル10セントまで水準を下げており、これが同社株にネガティブに作用している。欧州で新型コロナウイルスが再び猛威を振るっており、世界経済の減速懸念を背景に原油需要が落ちるとの思惑が強まった。INPEXは11月18日に年初来高値ツラ合わせとなる1018円まで買われていたが、その後は荒い値動きを続ける原油市況を横にらみに高値波乱の様相となっていた。
■日本航空 <9201> 2,358円 -30 円 (-1.3%) 本日終値
日本航空<9201>とANAホールディングス<9202>がともに続落し、9月以来の安値水準となった。欧州で新型コロナウイルス感染症が再拡大していることを受けて、前週末の米株式市場では、国をまたいだ人の動きが再び鈍るとの懸念からデルタエアーラインズ<DAL>、ユナイテッドエアラインズHD<UAL>、アメリカン航空グループ<AAL>など航空各社が売られたが、これを受けて日本でも空運株が売られたようだ。
■三菱UFJ <8306> 629.3円 -7.9 円 (-1.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが売りに押される展開を余儀なくされた。前週末の米国株市場では、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>などの金融大手が軒並み安で全体指数の下げに影響したが、これは過度な経済回復期待の修正から米10年債利回りが1.5%台半ばまで水準を切り下げたことで、長短金利の利ザヤ縮小を警戒する売りが表面化したもの。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクにとって足もとの米長期金利の急低下は株安材料とみなされた。
■アールプランナー <2983> 9,130円 +1,500 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
アールプランナー<2983>がストップ高の9130円に買われた。前週末19日の取引終了後、22年1月31日を基準日として1株を4株に株式分割すると発表したことを好感した買いが入った。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。なお、効力発生日は2月1日。
株探ニュース