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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

鳥貴族HD <日足> 「株探」多機能チャートより

■鳥貴族HD <3193>  2,112円 (+167円、+8.6%)

 東証1部の上昇率10位。鳥貴族ホールディングス <3193> が急反発で年初来高値を更新。前週末10日の取引終了後、21年7月期決算を発表し、売上高は155億9000万円(前の期275億3900万円)、営業損益は46億6200万円の赤字(同9億8300万円の黒字)となった。決算発表によりアク抜け感が強まったとみられ、買いに勢いがついた。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に基づく営業時間短縮や酒類提供の自粛要請が継続したことが響き、連結決算移行により単純比較はできないものの前の期と比べ大幅な減収・営業赤字を余儀なくされた。感染拡大防止協力金や雇用調整助成金を営業外収益に計上したことから、最終損益は4億6600万円の赤字(同7億6300万円の赤字)となり、直近5-7月期では黒字に浮上した。なお今後の見通しについては、現時点での適正かつ合理的な業績予想を算定することは困難とし、22年7月期の連結業績予想は「未定」とした。

■IMV <7760>  703円 (+55円、+8.5%)

 IMV <7760> [JQ]が4連騰。電動化戦略を推進するトヨタ自動車 <7203> は、電池分野に1兆5000億円規模の資金を投下する方針にあり、電気自動車(EV)ハイブリッド車(HV)向け車載電池の市場が今後活性化する可能性が意識されている。そのなか、IMVは振動試験装置で世界屈指の実績を持っており、この車載電池関連の需要取り込みが期待される状況にある。IMVは山梨県上野原市に電池試験及び大型振動試験の最新技術設備を有しているが、そこでEV用電池試験などを拡充し、同市場の拡大に備える構え。こうした動きを評価する形で投資マネーの攻勢が続いている。

■オハラ <5218>  1,654円 (+127円、+8.3%)

 オハラ <5218> が急反発。前週末10日の取引終了後、21年10月期の連結業績予想について、売上高を217億円から228億円(前期比27.6%増)へ、営業利益を12億円から13億円(前期17億2400万円の赤字)へ、最終利益を6億円から11億円(同42億4300万円の赤字)へ上方修正し、あわせて10円を予定していた期末一括配当予想を15円に引き上げると発表。ミラーレスカメラを中心としたデジタルカメラ市場の回復により、光学機器向けレンズ材の販売が堅調に推移していることに加えて、半導体露光装置、FPD露光装置向けガラスの需要が堅調に推移していることが要因。なお、特殊ガラスの「ナノセラム」は、スマートフォン用途の評価試験に遅延があり、本格的な量産には至ってないとしている。なお、前期実績に対しては5円の増配になる予定だ。

■日理化 <4406>  324円 (+24円、+8.0%)

 新日本理化 <4406> が続急伸。界面活性剤のほか医薬中間体なども手掛ける化学メーカーでオレオケミカル分野を得意とする。EV向け駆動オイルや水素添加技術などに定評があり、水素の研究拠点として、京都R&Dセンターを設立し5月から業務を開始している。世界的にカーボンニュートラルに向けた取り組みが加速するなか、今月の自民党総裁選でも各候補者ともに脱炭素を重要政策に掲げていることから、その周辺株に投資資金が向かっている。同社は 水素関連の有望株としての位置付けで物色人気が強まっている。

■多摩川HD <6838>  1,475円 (+109円、+8.0%)

 多摩川ホールディングス <6838> [JQ]が4連騰。前週末10日の取引終了後、人工衛星や通信基地局などに利用される小型原子時計の重要な構成部品であるガスセルを小型かつ低コストに製造する方法の実証に成功したと発表。今回開発した技術は、東北大学と共同で進めてきた研究開発で、同社では実証成功により今後、ガスセル単体の販売を視野に入れた仕様などの聞き取りと、更なる研究開発を進めるという。

■テクノアソシ <8249>  1,140円 (+83円、+7.9%)

 テクノアソシエ <8249> [東証2]が急伸。前週末10日の取引終了後、第2四半期累計(4-9月)連結業績予想について、売上高を410億円から420億円(前年同期比27.7%増)へ、営業利益を15億円から20億円(同6.0倍)へ、純利益を10億円から13億円(同6.7倍)へ上方修正した。第1四半期における売上高・利益の回復と、第2四半期も国内・海外で需要堅調が継続していることが要因としている。

■藤コンポ <5121>  773円 (+56円、+7.8%)

 藤倉コンポジット <5121> が続急伸、今月1日につけた高値733円を上回り年初来高値更新となった。PER7倍前後でPBR0.6倍台と依然として指標面で割安感が強く、値幅取りを狙った投資資金の追随買いを誘った。工業用品部門では自動車部品が好調、制御機器部門は半導体関連などの需要が旺盛で、22年3月期業績予想は増額修正を経て、営業利益段階で30億円と前期比2.6倍の高変化を見込んでいる。また、同社が手掛ける商品では1台の電池でスマートフォン30台分をフル充電することが可能な非常用マグネシウム空気電池「WattSatt(ワットサット)」が注目されている。

■平田機工 <6258>  7,320円 (+440円、+6.4%)

 平田機工 <6258> が続急伸。前週末10日の取引終了後、電気自動車(EV)関連設備の大型案件を受注したと発表。受注した設備はEV車用ドライブユニットの組立ラインで、受注金額は約40億円。会社側では、顧客は北米の新興EVメーカーとしており、自社との取り引きは初めてという。同件に関し、一部は22年3月期業績予想に織り込んでいるものの、そのほかの部分については来期以降の業績に寄与するものと見込んでいる。

■イーレックス <9517>  2,994円 (+162円、+5.7%)

 イーレックス <9517> が7連騰。11日付の日本経済新聞朝刊で、「ベトナムでバイオマス発電事業に乗り出す。ベトナム電力公社(EVN)などと連携し、2024年に出力2万キロワットの発電所を稼働させる計画でさらなる事業拡大を視野に入れる」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、発電所はベトナム南部ハウザン省で22年に着工する予定で、燃料には地元で生じるコメのもみ殻を使用するという。また、年間発電量は約1億2000万キロワット時を想定しているという。イーレックスが海外でバイオマス発電所を建設するのは初めてなだけに、注目度が増しているようだ。

■エイチーム <3662>  1,594円 (+79円、+5.2%)

 エイチーム <3662> が3日ぶりに急反発。前週末10日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を35万株(発行済み株数の1.8%)、または5億円としており、取得期間は21年9月13日から22年1月31日まで。資本効率の向上及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行とともに、株主還元策として1株あたりの価値向上を図るためという。同時に発表した21年7月期連結決算は、売上高312億5200万円(前の期比1.5%減)、営業利益7億100万円(同44.9%減)、最終損益8億7700万円の黒字(前の期5億1900万円の赤字)と最終損益が黒字に転換した。経費の抑制が奏功したほか、投資事業組合運用益を営業外収益として計上したことが寄与した。なお、22年7月期業績予想は、合理的な数値の算定が困難のため非開示としている。

■SGHD <9143>  3,195円 (+145円、+4.8%)

 SGホールディングス <9143> が大幅反発、25日移動平均線を足場に上値を試す展開。同社傘下の佐川急便は国内シェア約3割を誇る宅配便大手。業績はコロナ禍にあっても増収トレンドを継続し大幅増益基調を続けている。前週末10日取引終了後、佐川急便が日本郵政 <6178> の子会社である日本郵便と協業することで基本合意したことを発表した。業界2位の佐川急便と同3位の日本郵便が連携することで業界トップのヤマトホールディングス <9064> 傘下のヤマト運輸に対抗する構図となり、これが株価を刺激する格好となった。

■明治HD <2269>  7,290円 (+200円、+2.8%)

 明治ホールディングス <2269> が3日続伸。10日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、最終利益を670億円から950億円(前期比44.7%増)へ上方修正した。DMバイオの株式持分譲渡に伴い上期に特別利益を計上することに加えて、農薬事業の譲渡に伴う下期の売上高・各利益項目の減少及び特別利益計上による影響を織り込んだという。なお、売上高は1兆240億円から1兆190億円(同14.5%減)へ、営業利益は1075億円から1060億円(同0.1%減)へ下方修正した。

■東エレク <8035>  55,370円 (+820円、+1.5%)

 東京エレクトロン <8035> が全般軟調地合いのなかも強さを発揮し、ついに13連騰と異彩の上昇トレンドを形成。半導体製造装置の国内トップメーカーで海外機関投資家からの評価も高い。株価は最高値圏を快走しているが、13日は一時5万6020円台まで買われる場面があり、13営業日合計で1万1000円以上も水準を切り上げたことになる。世界的な半導体需給の逼迫で、同社の手掛けるエッチング装置をはじめとする製造装置にも半導体メーカーからの引き合いが活発。微細化投資需要に対応した研究開発にも余念がない。22年3月期は営業58%増益見通しだが、上振れの可能性も意識されている。また、9月に入ってから証券系調査機関の目標株価引き上げや強気の投資判断が相次いでいることも追い風となっている。

※13日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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