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【特集】動物高度医療 Research Memo(4):地域の「かかりつけの動物病院」との分業で高度な動物医療を実現(2)

動物高度医療 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本動物高度医療センター<6039>の事業概要

6. 人材の確保・育成
2021年3月期末時点の職員数は、前期末比9名増加の218名(同社単体が10名増加の188名、子会社が1名減少の30名)となっている。獣医師不足で大量の採用・増員が難しい状況だが、高度な医療サービスを提供するには質の高い獣医師・動物看護師の存在が必須であり、同社は中期成長に向けて人材の確保・育成に注力している。

人材の確保・育成に関しては、大学・専門学校・各種団体との関係性・人脈形成による採用強化に加えて、卒後臨床研修制度(2008年4月開始)を通じた獣医師育成も行っている。卒後臨床研修制度は、大学卒業後2年間に体系的なカリキュラムと指導体制のもとで、獣医師としての人格や価値観を育成し、患者動物を体系的に診ることができる基本的な診療能力を習得することを目的とした制度である。

また動物看護師の活用に対する期待が高まっている。高度化する動物医療に対応するため愛玩動物看護師法が2019年6月に成立・公布された。動物看護師を国家資格化して、人間医療と同様に採血や投薬などの医療行為を行えるようにする法律である。一般財団法人動物看護師統一認定機構が指定試験機関となり、遅くとも2023年12月末までに第1回の愛玩動物看護師国家試験が実施される見込みとなっている。同社の動物看護師は既に民間資格を取得しているため、同法によって国家資格への移行がスムーズに進展し、動物看護師活用による獣医師の負担軽減や業務の効率化につながることが期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YM》

 提供:フィスコ

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