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【市況】NY外為:ユーロの上値抑制、ECBは金融政策で辛抱強さ強調

ユーロ/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で予想通り主要政策金利据え置きを決定した。
同時に金利において新たなガイダンスを発表。物価実績が中期的2%で安定するまで金利を現状、または、それ以下の水準にする方針を示した。また、行動のかなり前に、インフレ見通しが2%に達している必要があるとした。物価目標からの一時的な上振れも容認する。これにより、ECBはより長期にわたり超緩和策を維持することができる。

会合後の会見でラガルド総裁は経済が回復軌道にあるものの、先行きはコロナ流行状況とワクチン接種の進展次第だと慎重な方針を再表明。パンデミックにより損なわれた経済の損傷の修繕は長い道のりとした。「金利のガイダンスで、辛抱強さを組み込むことに努めた」と言及、時期尚早の利上げを回避する姿勢を示した。

ユーロは乱高下。ラガルド総裁が回復に楽観的見通しを見せ、いったんユーロ・ドルは1.1830ドルまで上昇。その後、ユーロ圏7月消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったこともあり、ECBの緩和策が長期化するとの見方に再びユーロ売りが強まり、1.1764ドルまで反落した。ユーロ・円は130円30銭まで上昇後、129円57銭まで反落。ユーロ・ポンドは0.8551ポンから0.8586ポンドのレンジで上下に振れた。
【経済指標】
・ユーロ圏・7月消費者信頼感指数速報値:-4.4(予想:-2.6、6月:-3.3)

【金融政策】
・欧州中央銀行(ECB)
・主要政策金利を0.00%に据え置き
・預金ファシリティ金利(中銀預金金利、下限)を-0.50%に据え置き
・限界貸出金利(上限)を0.25%に据え置き
「金利は、見通しが進展するまで現状またはそれ以下の水準」「行動のかなり前に、インフレ見通しが2%に達している必要」
「物価実績が中期的2%で安定する必要」「物価目標からの一時的な上振れを容認」

《KY》

 提供:フィスコ

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