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【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:キヤノン、VIX短先物、Sansan

キヤノン <日足> 「株探」多機能チャートより
■キヤノン <7751>  2,684.5円  +205.5 円 (+8.3%)  11:30現在  東証1部 上昇率トップ
 キヤノン<7751>は急伸。19日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を3兆5000億円から3兆6000億円(前期比13.9%増)へ、営業利益を1980億円から2830億円(同2.6倍)へ、純利益を1400億円から2010億円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感されている。第1四半期に続き、在宅勤務と在宅学習の世界的な広がりを背景にインクジェットプリンターの販売が伸びているほか、各地域でフルサイズミラーレスカメラ及び交換レンズなどの好調な販売が続いていることが要因。また、メディカルや半導体露光装置も好調な市況を捉えて売り上げを伸ばしており、これらの製品の良好な市場環境は下期も継続が見込まれるとしている。

■VIX短先物 <1552>  2,909円  +181 円 (+6.6%)  11:30現在
 国際のETF VIX短期先物指数<1552>が大幅に3日続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。19日の米VIX指数は前日に比べ4.05(21.95%)ポイント高の22.50と急伸した。同指数が警戒ラインとされる20を終値ベースで上回ったのは6月18日以来、1カ月ぶりのこと。同日の米株式市場は、NYダウが725ドル安と大幅続落。世界で感染力が強い新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大が続いており、景気回復の先行きに警戒感が台頭した。これを受けて、東京市場では、VIX短先物は上昇している。

■KOA <6999>  1,648円  +65 円 (+4.1%)  11:30現在
 KOA<6999>が急反発している。19日の取引終了後、集計中の第1四半期(4~6月)連結業績について、売上高が149億4000万円から159億6400万円(前年同期比45.8%増)へ、営業利益が10億円から19億2400万円(同5.0倍)へ、純利益が6億9000万円から14億1600万円(同9.7倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視されている。日本や欧州地域における産業機器用途向けなどの販売が好調だったことや、ドル及びユーロの為替レートが想定より円安で推移したことなどが寄与した。

■Sansan <4443>  8,270円  +280 円 (+3.5%)  11:30現在
 Sansan<4443>が大幅反発している。19日の取引終了後、投資有価証券を売却したのに伴い、22年5月期第1四半期業績に投資有価証券売却益9億7900万円を計上すると発表しており、これが好材料視されている。保有するウイングアーク1st<4432>株式の一部を売却したことに伴い計上するもので、営業外収益または特別利益に計上する予定という。

■GAテクノ <3491>  1,987円  +60 円 (+3.1%)  11:30現在
 GA technologies<3491>が続伸している。午前10時ごろ、子会社イタンジが提供する、不動産賃貸業務のDXサービス群「ITANDI BB+」の顧客管理・自動物件提案システム「ノマドクラウド」で「電子受付機能」の利用ができるようになったと発表しており、これが好材料視されている。賃貸不動産仲介店舗では、来店した入居希望者の個人情報や、部屋の希望条件などを「来店カード」と呼ばれる用紙に記入してもらうのが一般的で、そこに記入された情報は、用紙そのものを保管もしくは店舗スタッフがシステムに手入力するなどの方法で管理されていた。そのため、事前のWebからの問い合わせや再来店の顧客情報はリアルタイムで把握することが困難だったが、今回、「電子受付機能」が利用できるようになったことで、顧客情報の一元管理を更に推進し、今後のコミュニケーションや物件提案を円滑に行うことが可能になるとしている。

■チェンジ <3962>  2,722円  +59 円 (+2.2%)  11:30現在
 チェンジ<3962>が4日ぶりに反発している。19日の取引終了後、子会社ビーキャップがトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)と共同で、福岡県宮若市のワクチン接種会場の円滑・安全な運営を実現したと発表しており、これが好材料視されている。宮若市はトヨタ自動車九州とトヨタ生産方式をベースとした会場内のレイアウトや人流動線の構成を設計しているが、特に会場内の接種者の位置情報把握及び送迎車と接種者の紐づけ・管理のためにビーキャップのIoT/ビーコン技術である「Beacapp Here」が採用されたという。

■塩野義製薬 <4507>  5,778円  +84 円 (+1.5%)  11:30現在
 塩野義製薬<4507>はしっかり。19日の取引終了後、東京大学発の創薬ベンチャーであるHanaVax(東京都中央区)と、新型コロナウイルス感染症に対する新規経鼻ワクチンの開発に関するライセンス契約を締結したと発表しており、これが好感されている。開発するワクチンは、鼻腔内に投与しウイルスが体に侵入する鼻や喉の粘膜の免疫をつけるというもの。今回の契約締結により塩野義は、同ワクチンの全世界における独占的研究・開発・製造・流通並びに販売権を取得する一方、HanaVax社は契約締結に伴う一時金や今後の開発の進展に応じたマイルストン、製品上市後の販売額に応じたロイヤルティーを受け取ることになるとしている。

■ウェルビー <6556>  1,317円  +9 円 (+0.7%)  11:30現在
 ウェルビー<6556>が4日ぶりに小反発している。この日の寄り前、子会社ウェルビーリンクが、ネオファーマジャパン(東京都千代田区)と、アミノ酸「5-アミノレブリン酸」原体の、日本国内における販売総代理店契約を締結したと発表しており、これが好材料視されている。「5-ALA」は、ヒトや動物、植物などあらゆる生命体に存在し、日々の食生活のなかでも常に摂取しているアミノ酸。特に医療分野では、既に脳腫瘍や膀胱がんの術中診断薬として利用されているほか、最近の研究では、長崎大学による細胞を用いた実験において、新型コロナウイルスへの 感染抑制効果が確認されている。ウェルビーグループでは今回、従来の障害福祉サービス事業に新たに5-ALA原体の販売事業が加わることで、総合的なヘルスケアカンパニーへと発展していく契機になると期待しているという。

■東京エレクトロン <8035>  44,730円  +180 円 (+0.4%)  11:30現在
 東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株が頑強な値動きで目を引く。新型コロナウイルスが感染力の強いインド型変異株であるデルタ株などを中心に再び広がっていることで、米国株市場をはじめ世界の株式市場で景気敏感株を中心にリスク回避の売り圧力が表面化している。ただ、世界的に半導体需給が逼迫している状況に変わりはない。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数は大きく売られたものの景気敏感株が中心であり、エヌビディア<NVDA>が逆行高となるなど半導体関連の一角は強い動きを示す銘柄も少なくなかった。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながらプラス圏で引けており、東京市場でも半導体製造装置関連は値ごろ感からの押し目買いを誘導している。

■NexTone <7094>  4,175円  +15 円 (+0.4%)  11:30現在
 NexTone<7094>が反発している。同社は19日取引終了後に、22年3月期第1四半期末(6月30日)時点での著作権管理楽曲数が23万6999曲(21年3月期末時点は22万2049曲)になったと発表しており、順調に拡大していることが好感されているようだ。また、音楽配信プラットフォームに向けた音楽・映像コンテンツのディストリビューション業務の取り扱い原盤数は、80万7552曲(同77万8681曲)となっている。

■アイル <3854>  1,404円  +4 円 (+0.3%)  11:30現在
 アイル<3854>が高い。19日の取引終了後、複数ネットショップ一元管理クラウドサービス「CROSS MALL(クロスモール)」と、関通<9326>が提供するクラウド倉庫管理システム「クラウドトーマス」との完全自動連携を開始したと発表した。これにより、クロスモールの受注・商品データを自動でクラウドトーマスに渡し、クラウドトーマスの出荷・在庫データをクロスモールが自動で受け取ることができ、受注から出荷までの連携が可能となる。

■INPEX <1605>  765円  -28 円 (-3.5%)  11:30現在
 INPEX<1605>と石油資源開発<1662>が4日続落。19日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前週末比5.39ドル安の1バレル=66.42ドルと急落した。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどから構成される「OPECプラス」で協調減産の縮小が合意され、原油市場の需給緩和観測が台頭した。また、感染力の強い新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の世界的な感染拡大により、景気回復が遅れ原油需要も伸び悩むとの見方も浮上した。これを受け、INPEXなど原油関連株には売りが膨らんでいる。

■三井不動産 <8801>  2,586.5円  -72 円 (-2.7%)  11:30現在
 三井不動産<8801>、住友不動産<8830>など大手不動産株に売りがかさんでいる。不動産セクターは東証1部業種別騰落でも値下がり率の上位に入るなど軟調ぶりが目立っている。国内でも新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、特に感染力の強いインド型変異株であるデルタ株の広がりが顕著で警戒感が強まっている。東京都で4度目の緊急事態宣言が発令されるなど人流抑制の政策が再び発動されていることで、内需株には逆風が強い。企業のテレワーク導入などで都心のビルの稼働率が低下するとの思惑から、不動産株にはネガティブに作用している。

■トヨタ自動車 <7203>  9,673円  -67 円 (-0.7%)  11:30現在
 トヨタ自動車<7203>が続落。足もとでは世界的に新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感が強まり、株式市場でリスクオフの動きが強まっている。外国為替市場でも同様で、リスク回避によるドル売り・円買いの動きが加速、足もとでは1ドル=110円台を大きく割り込み、109円台半ばまでドル安・円高が進んだ。日本の製造業の中でも為替感応度が突出する同社にとって輸出採算向上に対する期待感の剥落につながっている。また同社は東京五輪の最高位スポンサーだが、開幕を目前とした19日に大会関連のテレビコマーシャルを見送る方針を明らかにした。コロナ禍でコマーシャルがイメージダウンにつながるとの懸念が浮上しているためで、これは株価にもネガティブ材料として働きやすい。

■日経レバ <1570>  14,390円  -80 円 (-0.6%)  11:30現在
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が5日続落。前日までの4営業日合計で価格を1200円近く下落させたが、なお、下値模索の動きを続けている。今月9日につけた直近安値1万4240円を下回った。同銘柄は日経平均株価に連動する仕組みのETFで変動率が日経平均の2倍に設定されており、全体相場が上下に波乱含みの展開となる場面では、個人投資家をはじめとする短期資金の参戦が活発化する傾向が強い。前日も売買代金は1200億円を超え、全市場を通じて断トツの水準をこなしていたが、きょうも日経平均は荒れた展開が想定され、マーケットの注目度は引き続き高い。

●ストップ高銘柄
 なし

●ストップ安銘柄
 なし

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