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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

大運 <日足> 「株探」多機能チャートより

■大運 <9363>  403円 (+77円、+23.6%) 一時ストップ高

 大運 <9363> [東証2]が急反騰、一時ストップ高。前週末25日の取引終了後に、上限を120万株(発行済み株数の19.31%)、または3億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好材料視された。取得期間は21年7月1日から22年6月30日までで、株主還元及び資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行することが目的という。

■セントラル総 <3238>  437円 (+80円、+22.4%) ストップ高

 セントラル総合開発 <3238> [東証2]がストップ高。前週末25日の取引終了後、九電工 <1959> と資本・業務提携すると発表しており、これが材料視された。九電工が本拠を置く九州エリアでの再開発・大規模開発案件への参画、用地情報の取得や施工、販売における連携をはじめ、事業エリア拡大や人材交流などを図りシナジーの発揮を目指す。これに伴い、セントラル総は九電工を割当先とする第三者割当増資を実施し、総額約6億8800万円の資金を調達する。実施後、九電工はセントラル総の筆頭株主となる見通しだ。

■日本電解 <5759>  2,367円 (+400円、+20.3%) ストップ高

 日本電解 <5759> [東証M]がストップ高の2367円に買われた。25日夜のテレビ東京系報道番組「ワールドビジネスサテライト」で、「身近な製品支える『銅箔』 世界が注目!独自の技術」として同社が紹介されており、これが好感されたようだ。25日にマザーズ市場に新規上場したばかりであり、直近IPO銘柄ならではの値動きの軽さにも注目が集まっている。

■大泉製 <6618>  1,196円 (+109円、+10.0%)

 大泉製作所 <6618> [東証M]が異色の上げ足を披露、28日でついに11連騰。そのほとんどが陽線で上げ幅も大きく、11営業日で約56%も株価水準を切り上げている。車載用を主力とする温度センサーメーカーで、電気自動車(EV)など世界的な電動化シフトの流れを背景に出荷数量拡大の恩恵を受けている。また、高速通信規格5Gの普及本番でエレメント関連の需要も旺盛だ。ファンド保有株を引き取る形でフェローテックホールディングス <6890> [JQ]が筆頭株主に浮上したことで、中国市場など業務面での需要開拓の幅も広がった。フェローテクが筆頭株主となっている企業では、今月中旬に東洋刃物 <5964> [東証2]が急騰しており、その思惑も影響したもようだ。

■フォーサイド <2330>  118円 (+10円、+9.3%)

 フォーサイド <2330> [JQ]が続急伸。株価は低位に位置するが業績面では回復色をみせており、21年1-3月期は営業黒字転換をはたし、21年12月期通期でも営業損益は1億1000万円予想と4期ぶりの黒字化を見込んでいる。そうしたなか、25日取引終了後、角川春樹事務所との資本・業務提携を発表し、これが株価を強く刺激した。今回の提携で角川事務所株式の15%を取得する予定。また、角川春樹事務所のファッション誌「Popteen」事業を譲受する。併せて、「Popteen」に出演する専属モデルのマネジメント業務を手掛けるホールワールドメディアの株式を取得し子会社化することも発表している。

■ワイエイシイ <6298>  1,313円 (+90円、+7.4%)

 東証1部の上昇率5位。ワイエイシイホールディングス <6298> が続急伸、一時111円高の1334円まで上値を伸ばし、連日の年初来高値に買われたほか、浜井産業 <6131> [東証2]も大幅続伸で約1ヵ月半ぶりの1300円台回復を達成するなど中小型の半導体製造装置関連株の一角に投資資金の攻勢が加速した。世界的な半導体設備投資需要の拡大を受けて、半導体製造装置メーカーを改めて買い進む動きが顕在化しているが、ここにきて時価総額上位の大手から値動きの軽い銘柄への物色対象の広がりが目立っている。有力子会社を多く抱えるワイエイシイはその中の1社であるワイエイシイビームがレーザー事業やイオンビーム事業で先駆しており、にわかに注目度が高まっている。また、浜井産は世界的な脱炭素への取り組みを背景としたパワー半導体市場の拡大を背景に、パワー半導体ウエハー加工用ラップ盤が伸長しており、見直し買いを誘導した。

■ジャムコ <7408>  1,203円 (+74円、+6.6%)

 ジャムコ <7408> が続急伸。一部メディアで、米ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス <UAL> が米ボーイング <BA> と欧州エアバスから合計で200機ほどの旅客機を導入する見通しだと報じられたことを受けて、両社に航空機用ギャレー(厨房設備)を納入する同社に思惑的な買いが向かったようだ。また、航空機向けのスポンジチタンを手掛ける大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> や東邦チタニウム <5727> にも物色が向かった。

■Kudan <4425>  4,100円 (+250円、+6.5%)

 Kudan <4425> [東証M]が急反発。前週末25日の取引終了後、台湾ベコー社のホワイトペーパーに同社技術に関する内容が掲載されたと発表しており、これが好材料視された。自律移動ロボット(AMR)に提供された人工知覚技術に関する内容が紹介されている。

■セブン&アイ <3382>  5,258円 (+225円、+4.5%)

 セブン&アイ・ホールディングス <3382> が4日ぶり大幅反発。同社は26日に、米国でガソリンスタンドに併設するコンビニエンスストアを展開する「スピードウェイ」(コンビニ事業及び燃料小売事業)の買収についてFTC(米連邦取引委員会)の同意命令案が承認されたことを発表、これが株価を押し上げる材料となった。またこれとあわせて、延期していた「中期経営計画説明会」を7月1日に開催することも発表しており、業容拡大に対する期待感から投資資金の流入を誘った。

■ユナイテド海 <9110>  2,457円 (+89円、+3.8%)

 NSユナイテッド海運 <9110> が大幅反発。一時115円高の2483円と値を飛ばし、5月6日につけた年初来高値2473円を約1ヵ月半ぶりに上回り新高値に買われた。ここ海運セクターは世界的な経済活動正常化に伴うグローバル物流回復を背景に買いが優勢となった。そのなか、日本郵船 <9101> をはじめ高値圏を走っていた大手3社と比べ同社株は相対的に出遅れていたが、目先上げ足に弾みがつき急速にキャッチアップする形となっている。3.2%前後の配当利回りを維持しながら、0.6倍台のPBRは株価指標面からも割安感が顕著となっている。

■アシックス <7936>  2,815円 (+100円、+3.7%)

 アシックス <7936> が大幅高で5日続伸し年初来高値を更新。米ナイキ <NKE> が24日に発表した3-5月期決算が市場予想を上回る好決算となり、25日の米株式市場で一時15.7%高するなどしたことを受けて、同業である同社にも連想買いが入ったようだ。また同社は25日、スポーツの競技データや日々の運動習慣を簡易に記録し、その記録を分析することができるスポーツデータ統合システム「TUNEGRID(チューングリッド)」を実用化したと発表しており、これも好材料視されたようだ。

■ウェルスナビ <7342>  4,005円 (+135円、+3.5%)

 ウェルスナビ <7342> [東証M]が大幅続伸。前週末25日の取引終了後、顧客向けの新たな資産運用サービスを共同で開発・提供することを目指し、大光銀行 <8537> と業務提携したと発表しており、これが好感されたようだ。ウェルスナビでは、早ければ今秋にも対面とオンラインを融合させたハイブリッド型の投資一任サービスの提供を開始するとしている。

■日本製鉄 <5401>  1,971円 (+61.5円、+3.2%)

 日本製鉄 <5401> が3連騰。5月11日に年初来高値2354円50銭をつけてからは一貫して調整局面にあったが、目先売り一巡感が台頭している。前週に1700円台まで下押したものの、そこで底値を確認し、以降は切り返し波動が鮮明だ。新型コロナワクチンの普及を背景とした経済活動の正常化で、景気敏感株として見直し買いを誘ったが、前週に日本鉄鋼連盟から発表された5月の国内粗鋼生産量は前年同月比で42%強の増加となったことも買いの根拠に。前年の落ち込みの反動が反映されたとはいえ、3ヵ月連続で前年同月実績を上回ってきたことで安心感が浮上した。また、米国ではバイデン政権による巨額のインフラ投資計画が実現に向け進捗しているとの見方が強まっており、同社株をはじめ鉄鋼セクターにはビジネスチャンスにつながるものとしてポジティブ視された。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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