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【特集】ベネ・ワン Research Memo(3):ヘルスケア事業のコロナ禍の影響を福利厚生事業の増益でカバー

ベネ・ワン <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2021年3月期通期の連結業績概要
ベネフィット・ワン<2412>の2021年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比1.5%増の37,841百万円、営業利益が同16.4%増の9,774百万円、経常利益が同16.5%増の9,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.9%増の6,766百万円となった。増収の主な要因は、福利厚生事業における大手・中堅企業の新規会員が進んだことだ。

計画比では売上高が5.7%減少しているものの、営業利益が8.0%増、経常利益が8.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益が9.1%増とそろって上振れた。

(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
2021年3月期通期の売上高は前期比1.2%減の20,459百万円と小幅に減収となった一方、営業利益は同22.0%増の8,389百万円と大きく伸びた。減収については、中小企業で減速感が見られたほか既存個人会員も減少が続いた。増益については、在宅利用可能なメニューの拡充を図るも外出を伴うメニューの利用低迷により、前期比・計画比ともに補助金支出が減少した。営業利益率については前期の33.2%から41.0%にまで上昇した。2021年4月の法人会員数は前期比で48万人増の633万人と堅調に伸びた。パーソナル事業とCRM事業の個人会員を合わせた総会員数は前期比で29万人増の863万人となった。「働き方改革・健康経営・デジタル化」という課題に向けた企業の取り組みがより活発化し、ベネフィット・ステーションは大手や中堅企業を中心に会員数が拡大した。

(2) インセンティブ事業
2021年3月期通期の売上高は前期比7.5%増の3,957百万円、営業利益は同23.6%増の975百万円となった。取引先のポイント付与が順調に増加した。コロナ禍において旅行などの代替策としてのニーズが高まったほか、従業員に向けた慰労目的での利用も増え、新規顧客開拓も進んだ。また顧客基盤拡大により、ポイント新規付与・交換では顧客の分散化が進んだ。営業利益率は前期の21.4%から24.6%まで上昇した。

(3) ヘルスケア事業
2021年3月期通期の売上高は前期比2.2%減の10,367百万円、営業利益は同33.2%減の755百万円となった。緊急事態宣言などの影響もあって顧客企業・健保からの申し込みに遅れが生じており、健診や保健指導の実施が例年より滞った。収益の一部は2022年3月期へ繰り越しになる予定だ。一方で、健診の受診勧奨や納品の早期化、保健指導のICT面談体制の拡充等の業務改善を進め、サービスの利便性は高まった。

(4) 購買・精算代行事業
2021年3月期通期の売上高は前期比7.5%減の695百万円、営業利益は同33.5%減の73百万円となった。コロナ禍の影響による出張・接待利用の抑制が続いたことから減収となったものの、経費支出を削減したことで営業利益は黒字を確保した。

(5) ペイメント事業
2021年3月期通期の売上高は18百万円、営業利益は17百万円となった。ペイメント事業は2021年6月より開始された給与天引き決済サービスを軸として今後展開していく。2021年3月期はシステム開発・店舗展開・顧客開拓を中心に進めた。サービス導入が内定している対象は約6万名である。家計支出の多い分野やサブスクメニューを中心に、加盟店開拓を推進した。

(6) 海外事業
2021年3月期通期の売上高は前期比66.4%増の1,424百万円、営業損失は104百万円となった。インドネシアでは外出自粛の影響が長期化したが、シンガポール・タイ・中国では取引が拡大し増収増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)

《NB》

 提供:フィスコ

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