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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

イントランス <日足> 「株探」多機能チャートより

■イントランス <3237>  97円 (+18円、+22.8%)

 イントランス <3237> [東証M]が続急騰。15日の取引終了後、売却取引を進めていた販売用不動産の決済・引き渡しが完了したことに伴い、シンジケートローンの返済を行い、21年3月期決算短信に記載していた「継続企業の前提に関する重要事象等」及び「継続企業の前提に関する注記」の解消を決定したと発表。今回の売却により、22年3月期第1四半期において営業利益に6億2500万円を計上する予定という。また、手元資金はシンジケートローン完済後において約7億円増加し、当面の運転資金、投資資金を十分に賄える状況となったことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は解消したものと判断したという。

■ウェルス <3772>  2,292円 (+400円、+21.1%) ストップ高

 ウェルス・マネジメント <3772> [東証2]がストップ高。同社は高級ホテルなどへの不動産投資を展開する。21年3月期は新型コロナウイルスの影響もあって営業損益段階からの赤字を余儀なくされたが、22年3月期は大幅黒字転換が見込まれている。そうしたなか、15日取引終了後に今年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定したことを発表した。数値目標では24年3月期に経常利益75億円(22年3月期計画は55億円)を目指すことを掲げており、これが株価にインパクトを与える材料となった。

■タムラ <6768>  701円 (+100円、+16.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。タムラ製作所 <6768> がストップ高。同社はトランスやリアクターのほか、はんだ材料など電子材料を展開するが、パワー半導体分野では次世代の酸化ガリウム半導体の開発で業界をリードしている。同社からカーブアウトする形で設立されたノベルクリスタルテクノロジーが同分野の研究開発を推進している。15日に日本経済新聞が、このノベルクリスタルテクノロジーが酸化ガリウムの100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功し、ウエハーの提供を2021年内に開始する見通しであることを報じた。これがタムラの株価を強く刺激する格好となった。次世代パワー半導体分野で、酸化ガリウム製は従来のシリコン製に比べ消失電力を1000分の1程度に低減することを可能とし、ウエハーのコストも安価に抑えられる強みを持っている。今後、太陽光発電などの再生可能エネルギーや電気自動車(EV)などの分野で大きく貢献するとみられ、同社株はその関連有望株として頭角を現している。

■自律制御シ研 <6232>  2,798円 (+296円、+11.8%) 一時ストップ高

 自律制御システム研究所 <6232> [東証M]が大幅高で5日続伸。15日の取引終了後、日本郵便と日本郵政キャピタルの2社との間で業務提携し、あわせて日本郵政キャピタルに対して第三者割当による新株式の発行を行うと発表しており、これが材料視された。同業務提携により、都市などでの目視外飛行が可能な ドローンやそれに関わるシステムの開発をはじめ、ドローンを用いた物流システム確立などを目指す。なお、自律制御シ研は日本郵政キャピタルに対する第三者割当増資により、総額約30億円を調達する予定。割り当て後、日本郵政キャピタルは自律制御シ研株の10.36%を保有する筆頭株主となる。現在の筆頭株主である野波健蔵氏の持ち株比率は、所有株数は変わらないものの11.01%から9.88%へと低下する見込み。

■スタティアH <3393>  1,627円 (+139円、+9.3%)

 東証1部の上昇率4位。スターティアホールディングス <3393> が大幅4日続伸。15日の取引終了後、連結子会社スターティアラボがタイを拠点に事業展開するBangkok Shuho Group及びS.I. Asia Pacificと業務提携し、傘下のエムタメが提供するMAツール(マーケティングオートメーションツール)「BowNow(バウナウ)」を21日からタイで販売開始すると発表。1月に販売を始めたベトナムに続く販売提携となり、オンライン上の行動データを活用した新たなマーケティング手法が広がる東南アジアでMAツールの導入を広げる構えだ。

■白銅 <7637>  2,050円 (+170円、+9.0%)

 東証1部の上昇率5位。白銅 <7637> が続急伸し、年初来高値を更新した。15日の取引終了後、株主優待制度を導入すると発表しており、これを好材料視する買いが入った。株主優待制度は、毎年9月末時点で300株以上を保有する株主を対象に、株主優待ポイントを保有株数に応じて3000から5万ポイントを付与するというもの。ポイントは特設サイトに掲載された商品、他のプレミアム優待倶楽部導入企業の優待ポイントと合算可能な共通株主優待コイン「WILLs Coin」に交換できるほか、社会貢献活動への寄付も可能という。

■ERIHD <6083>  662円 (+52円、+8.5%)

 東証1部の上昇率8位。ERIホールディングス <6083> が続急伸。15日の取引終了後、集計中の21年5月期連結業績について、営業利益が2億7300万円から4億200万円(前の期比22.2%減)へ、純利益が1億5700万円から2億6400万円(同2.3%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は145億4600万円から143億9700万円(同3.0%減)へ下振れたものの、第4四半期に新設建築着工数が持ち直したほか、継続的な経費削減が奏功し利益を押し上げた。またサッコウケンを子会社化したことも寄与した。あわせて、従来10円を予定していた期末一括配当を15円(前の期は27円)に引き上げると発表したことも好材料された。

■ジェイリース <7187>  1,236円 (+78円、+6.7%)

 ジェイリース <7187> が4連騰。15日の取引終了後、いえらぶGROUP(東京都新宿区)と業務提携し、同社が提供する不動産業務支援システム「いえらぶCLOUD」とAPI連携を開始すると発表しており、これを好感する買いが入った。「いえらぶCLOUD」業者間サイトは管理会社が仲介会社に公開し、空室物件の募集から内見予約の受付、入居申し込みの手続きまで一元管理できるシステム。今回のAPI連携により、管理会社は入居申し込みからジェイリースの保証審査まで一連の手続きをWeb上で完結することができるほか、APIで取得した入居申し込み情報がジェイリースの基幹システムに連携されることから、ペーパーレスでスムーズな保証審査が可能となるという。

■THK <6481>  3,480円 (+200円、+6.1%)

 THK <6481> が8日ぶりに急反発。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断を「2(中立)」から「1(強気)」に引き上げ、目標株価を3600円から4300円へ増額しており、これが好材料視されたようだ。レポートでは、中国産業機器事業の受注高は季節性要因でピークアウトするものの、高水準が継続すると指摘。また、先進国の受注回復や輸送機器事業の収益性改善を考慮し、22年12月期に営業利益520億円と過去最高益(18年12月期498億円)を更新すると予想している。

■中発條 <5992>  1,284円 (+57円、+4.7%)

 中央発條 <5992> が大幅続伸。15日の取引終了後、新たにタイでダイハツ向けシャシばね製品を新規受注し、東南アジアでの事業規模拡大を計画していることを明らかにしており、これが好材料視された。同社は既にタイの現地拠点であるCHUHATSUでシャシばね製品の生産をスタートしており、順次生産規模を拡張していく予定という。東南アジアにおけるシャシばね製品の需要は今後も拡大が見込まれ、引き続き投資や拡販活動を進めていくとしている。

■サイバー <4751>  2,322円 (+89円、+4.0%)

 サイバーエージェント <4751> が5日続伸と上値追い鮮明。巣ごもり消費需要を捉えたネット広告が好調で収益を押し上げている。21年9月期は営業利益段階で575億~625億円予想(前期実績338億8000万円)と高変化を見込むが、市場では一段の上振れが有力との見方が強い。加えて、ゲーム子会社のサムザップが14日にテレビの人気アニメ「呪術廻戦」のスマートフォンゲームについて企画開発及び運営を行うと発表したことが株価上昇を後押しする形となった。

■TOYO <5105>  2,419円 (+89円、+3.8%)

 TOYO TIRE <5105> が大幅反発し、年初来高値を連日更新した。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の2300円から2700円へ引き上げており、これが好材料視された。レポートでは、好環境が続く米国需要の取り込みに加えて、高効率生産・供給体制の整備に伴う利益成長は、来期以降の成長ドライバーとして期待されると報告。また、業績拡大や株主還元強化によるバリュエーションの高まりにも期待したいとしている。

■INPEX <1605>  840円 (+30円、+3.7%)

 INPEX <1605> や石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> が高い。前日15日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比1.24ドル高の1バレル=72.12ドルに上昇。時間外取引で一時72.80ドル台へと値を上げた。新型コロナワクチンの接種拡大による米国の経済正常化に向けて、原油需要が回復するとの期待感が膨らんでいる。

※16日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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