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【市況】S&P500 月例レポート ― 変転する相場ムード、落ち着きどころを模索 (4) ―


インデックス・レビュー
●S&P 500指数

 S&P 500指数は5月に0.55%上昇して4204.11で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス0.70%)。4月は4181.17で終え、5.24%の上昇(同プラス5.34%)、3月は3972.89で終え、4.24%の上昇(同プラス4.38%)でした。過去3ヵ月間では10.31%上昇(同プラス10.72%)、年初来では11.93%上昇(同プラス12.62%)、過去1年間では38.10%上昇(同プラス40.32%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは24.16%上昇して月を終えました(同プラス25.93%)。

 ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は初めて3万5000ドルを突破しましたが(5月10日の終値は3万5091.56ドル)、その水準を月末まで維持できず、結局1.93%上昇の3万4529.45ドルで月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス2.21%)。4月は3万3874.85ドルで終え、2.71%の上昇(同プラス2.78%)、3月は3万3072.88ドルで終え、6.62%の上昇(同プラス6.78%)でした。過去3ヵ月間では11.63%上昇(同プラス12.18%)、年初来では12.82%上昇(同プラス13.76%)、過去1年間では36.03%上昇(同プラス38.79%)でした。

 S&P 500指数の5月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は4月の0.73%から0.98%に上昇し(3月は1.39%)、年初来では1.11%となりました(4月末時点は1.14%)。2020年は1.73%と2019年の0.85%から上昇し、2018年は1.21%、2017年は0.51%(1962年以来の最低)でした。出来高は前月比25%減少した4月から5%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では30%減少しましたが、過去1年間では前年比9%増加しました。5月の前日比で1%以上変動した日数は20営業日中5日となりました(上昇が3日、下落が2日、2%以上の下落が1日。4月は21営業日中4日で、上昇が4日、下落が0日、2%以上の変動が0日。3月は23営業日中8日で、上昇が5日、下落が3日)。年初来では前日比で1%以上変動した日数が27日(上昇が18日、下落が9日)、2%以上変動した日数が3日(上昇が1日、下落が2日)となりました。2020年は1%以上変動した日数が109日(上昇が64日、下落が45日)、2019年は37日(上昇が22日、下落が15日)でした。5月は20営業日中10日で日中の変動率が1%以上となり(4月は21営業日中5日)、3%以上変動した営業日はありませんでした(4月も0日)。年初来では1%以上の変動が49日、3%以上の変動が2日となりました。2020年は1%以上の変動が158日(11月末時点は154日)、3%以上の変動が34日(同34日)、2019年はそれぞれ73日と1日、2008年はそれぞれ228日(253営業日中)と75日でした。

 5月は不安定な値動きとなったものの、S&P 500指数は終値での最高値を1回更新し、結果として引き続き上昇して終わりました。利益は予想を大幅に上回って過去最高を更新し、売上高も予想よりも好調でした。多くの企業が業績予想の発表を再開しましたが、同様に明るい内容となり、市場では楽観的なムードが支配的となりました。

 5月は11セクター中7セクターが上昇し、3月と4月の全11セクターを下回りました(2月は7セクター)。素材が4月の5.32%上昇(3月は7.29%上昇)の後に5.04%上昇し、騰落率首位となりました。同セクターは年初来では20.10%上昇しています。原油価格が上昇し、(景気回復により)消費用及び産業用需要の回復が予想される中、エネルギーも好調となり、5月に4.90%上昇し、年初来では36.23%上昇と、指数構成セクターの中で騰落率首位となりました。同セクターは2019年末からは14.60%下落と、騰落率最下位となっています。金融も4月の6.41%上昇の後に4.68%上昇と、大半のセクターを上回るパフォーマンスを上げました。同セクターは年初来では28.49%上昇しています。

 消費関連セクターのパフォーマンスは引き続きまちまちとなり、生活必需品が1.65%上昇し、年初来で4.19%の上昇となった一方、一般消費財は3.89%下落し、年初来で5.95%の上昇となりました。公益事業が2.78%の下落で騰落率最下位となりました。同セクターは年初来でも3.29%の上昇で、騰落率最下位となっています。情報技術は利益確定に伴い反落し、5月に1.05%下落し(4月は5.22%上昇)、年初来では5.93%の上昇となりました。

 5月は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差が縮小しましたが、なお値上がり銘柄数が上回りました。5月の値上がり銘柄数は317銘柄(平均上昇率は5.05%)と、4月の410銘柄(同6.56%。3月は419銘柄で同7.63%)を下回りました。10%以上上昇した銘柄数は27銘柄(同15.18%)と、4月の75銘柄(同13.38%。3月は124銘柄で同14.08%)から減少した一方、25%以上上昇した銘柄数は2銘柄と、4月の1銘柄(3月は2銘柄)から増加しました。一方、値下がり銘柄数は188銘柄(平均下落率は3.75%)と、4月の95銘柄(同3.73%。3月は86銘柄で同4.79%)から増加しました。10%以上下落した銘柄数も11銘柄(同13.25%)と、4月の10銘柄(同12.36%)、3月の7銘柄(同16.90%)を上回りました。4月と同様、25%以上下落した銘柄はありませんでした(3月は1銘柄)。

 過去3ヵ月間では、値上がり銘柄数は447銘柄(平均上昇率は15.10%)と、4月末時点の445銘柄(同20.19%。3月末時点は400銘柄で同15.40%)から増加した一方、値下がり銘柄数は57銘柄(平均下落率は8.50%)と、4月末時点の60銘柄(同5.89%。3月末時点は105銘柄で同5.54%)から減少しました。10%以上上昇した銘柄数は309銘柄(平均上昇率は19.47%)と、4月末時点の360銘柄(同23.616%)から減少し、10%以上下落した銘柄数は17銘柄(平均下落率は19.61%)と、4月末時点の12銘柄(同14.71%)から増加しました。52銘柄が25%以上上昇し(4月末時点は141銘柄)、5銘柄が25%以上下落しました(4月末時点はゼロ)。

 年初来では、値上がり銘柄数は441銘柄(平均上昇率は22.02%)と、4月末時点の443銘柄(同19.07%)から減少した一方、値下がり銘柄数は64銘柄(平均下落率は7.31%)と、4月末時点の61銘柄(同5.26%)から増加しました。10%以上上昇した銘柄数は328銘柄(平均上昇率は27.88%)と、4月末時点の314銘柄(同24.62%)から増加し、10%以上下落した銘柄数は22銘柄(平均下落率は13.83%)と、4月末時点の8銘柄(同15.90%)から増加しました。164銘柄(4月末時点は125銘柄)が25%以上上昇し、1銘柄(4月末時点も1銘柄)が25%以上下落しました。


[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト


※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。

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