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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

東建コーポ <日足> 「株探」多機能チャートより

■東建コーポ <1766>  10,140円 (+490円、+5.1%)

 東建コーポレーション <1766> が5日ぶりに急反発。14日の取引終了後に発表した21年4月期連結決算で、営業利益が155億6200万円(前の期比21.4%増)と従来予想の107億1000万円を大きく上回って着地したことに加えて、22年4月期も同159億6500万円(前期比2.6%増)と連続増益を見込み、年間配当を前期比30円増の250円を予定していることが好感された。前期は、売上高がほぼ計画通りに推移したことに加えて、原価管理徹底の取り組みにより利益率の向上がみられ完成工事総利益額が予想を上回ったことが寄与。また、入居率が予想を上回って推移したことで兼業事業総利益額が予想を上回ったことや、販管費の抑制に努めたことも寄与した。今期は、前期の受注が増加したことを受けて、売上高は3189億5500万円(同3.0%増)を見込む。建設資材価格の値上がりが予想されるものの、コストダウンの推進や不動産賃貸事業の入居率の好調維持が見込まれることなどで増益となる見通しだ。

■GAテクノ <3491>  2,123円 (+94円、+4.6%)

 GA technologies <3491> [東証M]が大幅反発。14日の取引終了後に発表した第2四半期累計(20年11月-21年4月)連結決算が、営業利益9800万円(前年同期比76.8%減)、最終損益2億4800万円の赤字(前年同期1億1500万円の黒字)と大幅減益となったが、2-4月期では営業利益は前年同期比57.9%増となっており、足もとの業績改善が好感されたようだ。会員数の増加で主力の不動産テック総合サービス「リノシー」の売り上げが順調に増加し売上高は368億8200万円(同50.0%増)となったことが寄与した。なお、21年10月期通期業績予想は、売上高850億円(前期比34.8%増)、営業利益24億5500万円(同30.0%増)、最終利益10億円(同10.6%増)の従来見通しを据え置いている。

■ミスミG本社 <9962>  3,730円 (+125円、+3.5%)

 ミスミグループ本社 <9962> が3日続伸し上場来高値。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は14日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエイト」に引き上げた。目標株価は3250円から5200円に見直した。「中国を中心とする新興国で高まりつつある確実短納期ニーズの取り込み戦略は明確で、22年3月期以降の過去最高益連続更新」をエクイティストーリーとしている。21年3月期業績は中国の需要回復が想定以上で、今後の収益拡大を予想。22年3月期の連結営業利益は前期比47.1%増の400億円(会社計画380億円)、23年3月期の同利益は470億円と連続最高益を見込んでいる。

■住友不 <8830>  4,175円 (+134円、+3.3%)

 住友不動産 <8830> や三井不動産 <8801> 、三菱地所 <8802> といった不動産株が高い。特に、住友不は続伸し年初来高値を更新し、新型コロナウイルス感染拡大で不動産株が暴落する直前の昨年2月高値4236円更新が目前に迫った。新型コロナワクチンの接種拡大に伴う経済正常化期待で、オフィスやショッピングモール需要などへの回復期待が膨らむなか、大手不動産株に見直し買いが流入している。特に、大手不動産株は昨年2月のコロナ暴落後の下げを埋めていないこともあり、出遅れ感が指摘されている。

■高砂熱 <1969>  1,898円 (+54円、+2.9%)

 高砂熱学工業 <1969> が切り返し急。空調工事最大手で民間需要を中心に一般空調や半導体向けを中心とした産業空調で実績が高い。同社は15日、日本繊維製品品質技術センターと実施した抗ウイルス試験で、二酸化塩素ガスが物質の表面に付着した新型コロナウイルスを99.9%減少させることを確認したと発表、これとあわせて実用化に向けたパートナー企業の募集を行うことも発表しており、株価を刺激する格好となった。株価は5月27日に1955円の年初来高値をつけたものの結果的に上ヒゲ形成となり、その後は調整局面にあったが、足もとは動兆著しく高値奪回を再び視野に入れている。

■JMDC <4483>  5,010円 (+125円、+2.6%)

 東証マザーズ指数の上値指向が継続、15日で7日続伸となり5月6日の取引時間中以来、約1ヵ月ぶりとなる1200台を回復した。日足一目均衡表も雲抜けを果たし、個人投資家のマインド改善を示唆している。マザーズ市場全体に大きな影響を与える時価総額上位の銘柄では医療データベース構築を手掛けるJMDC <4483> [東証M]、マーケティング分野で独自のAIプラットフォームを提供するAppier Group <4180> [東証M]、創薬ベンチャーのそーせいグループ <4565> [東証M]などが買われた。

■ブシロード <7803>  3,200円 (+80円、+2.6%)

 ブシロード <7803> [東証M]が買われ、年初来高値を更新した。同社は14日取引終了後に、21年6月期第3四半期累計(20年8月-21年4月)の連結営業利益が前年同期比80.9%減の4億2300万円になったと発表。ただ、2-4月期に限ると2億6500万円の黒字(前年同期は2000万円の赤字)となっていることが好感されたようだ。第3四半期累計の売上高は同7.7%増の271億5400万円、2-4月期では同17.1%増の91億2800万円となった。トレーディングカードゲーム(TCG)部門が伸長したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については新型コロナウイルス感染症の影響が見通しにくいとして引き続き未定としている。

■日経レバ <1570>  16,470円 (+300円、+1.9%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が続伸。前日14日に終値で4日ぶりに1万6000円台を回復したが、15日は1万6000円台半ばまで水準を切り上げ、5月11日の急落前の水準を回復し同時に中長期トレンドの分水嶺である75日移動平均線を上回ってきた。日経レバは日経平均株価に連動するETFで価格変動率が基本的に日経平均の2倍になるように設定されている。ここ、全体相場はもみ合いが続き狭いゾーンでの往来を繰り返していたが、14日から流れが変わり日経平均は上放れの兆しをみせている。個人投資家資金もこれに敏感に反応する形で日経レバに追随買いを入れる動きが強まった。

■ヤクルト <2267>  6,640円 (+120円、+1.8%)

 ヤクルト本社 <2267> が3日続伸。同社は14日、持ち分法適用会社のフィリピンヤクルトが第2工場の建設に着手したと発表しており、同地域での販売増などが期待されたようだ。同国では1978年10月から、ルソン島南部のラグナ州カランバ市にあるカランバ工場(第1工場)で「ヤクルト」の生産を開始し、現在は「ヤクルト」「ヤクルトライト」を生産している。第2工場はミンダナオ島北部のミサミス・オリエンタル州エルサルバドール市に建設し、生産開始は23年1月を予定。生産能力は生産開始時で1日当たり160万本、その後は1日当たり320万本まで引き上げる計画だという。

■トヨタ <7203>  10,075円 (+175円、+1.8%)

 トヨタ自動車 <7203> が続伸したほか、SUBARU <7270> 、ホンダ <7267> 、日産自動車 <7201> など大手自動車株が堅調。外国為替市場では前日14日の夜からドル買い・円売りの動きが強まり、足もとは1ドル=110円台前半でもみ合う円安に振れた。これを受け輸出セクターには為替メリットが意識され、株価にプラスに働いた。特に、為替感応度が高い自動車株はトヨタをはじめ輸出採算改善に対する思惑から株価にポジディブに作用する。トヨタは22年3月期の想定為替レートが1ドル=105円で設定しており、実勢はそれよりも5円あまりも円安に傾いていることでインパクトが大きい。

■東エレク <8035>  49,500円 (+820円、+1.7%)

 東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> がいずれも4連騰と上値指向を強めるなど半導体製造装置関連に再び物色の矛先が向いている。前日14日の米国株市場ではインテル<INTC>、エヌビディア<NVDA>、マイクロンテクノロジー<MU>、アプライドマテリアルズ<AMAT>など主力半導体株が一斉高に買われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も6月1日につけた直近戻り高値を上回ってきた。半導体市場は新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワーク特需が追い風となっている。15日は外国為替市場でドル・円相場が1ドル=110円台に入る円安に振れたこともあって、東京市場でも半導体関連株への投資資金の流入を促した。

■スタ・アリス <2305>  2,311円 (+27円、+1.2%)

 スタジオアリス <2305> が3日続伸。14日の取引終了後に発表した5月度月次売上高で、売上高(個別)が前年同月比4.2倍と大幅増となり、3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。買い上げ単価は同1.2倍、撮影件数が同3.8倍とそれぞれ大幅に増加した。

※15日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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