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【特集】ネットイヤ Research Memo(4):営業利益は成長投資の実行で前期並みとなるが、売上高は成長トレンドに入る

ネットイヤー <日足> 「株探」多機能チャートより

■ネットイヤーグループ<3622>の今後の見通し

1. 2022年3月期の業績見通し
2021年4月に子会社の株式をすべて売却したことにより、2022年3月期から単体業績となる。前期単体業績との比較で見ると、売上高は前期比5.6%増の3,600百万円、営業利益は同0.3%減の140百万円、経常利益は同0.9%減の139百万円、当期純利益は同101.1%増の531百万円となる見通し。当期純利益に関しては、特別利益として子会社株式売却益604百万円を計上するため、増益率が大きくなっている。

売上高についてはNTTデータとの協業案件が継続するほか、オウンドメディアの構築案件や新たなソリューションサービスの受注増加を見込んでおり、2期ぶりの増収に転じる見通し。売上総利益率についても、引き続き要員稼働率の向上や外注費を抑制することで、前期比0.8ポイント上昇の19.9%と改善傾向が続くものと見ている。一方、販管費については、前期に削減した反動もあって増加を見込んでいる。具体的には、人員について10%程度の増員を計画しており(前期末は206名)、採用費の増加を見込んでいるほか、UX人材育成のための教育費の増加や新サービス立ち上げコストの増加なども見込んでおり、利益が伸び悩む要因となる。

特に、同社では競争力をより一段と向上していくため、オンライン/オフライン統合のUXの設計・実装力を強化していく方針となっている。全社員にUXの知見を浸透させるためにUXデザイン推進室を創設し、2022年3月期中に社員の半数以上をUX人材に育成していく方針だ。あらゆる職能、あらゆる工程でUXを具現化することで競争優位性を発揮し、「日本一のUX企業」を目指していく。なお、同社は受注や利益事業ごとの詳細な利益状況を可視化できるようになったことで、今後は業績の予実精度に関しても向上していくものと期待される。


オウンドメディアを活用したマーケティング施策の重要性が高まり、事業拡大の好機となる

2. 市場環境の変化
コロナ禍の収束が見えないなかで、個人の生活様式が大きく変わり、消費行動についてもオフライン(リアル店舗)からオンライン(EC)への移行が急速に進んでいる。このため、BtoC企業に関しては、リアル店舗とECやオウンドメディアをいかに併存させていくかが課題となっている。ここ数年、オンライン(EC)とオフライン(リアル店舗)の統合を進める企業が増加しているが、今後はレジレス店舗や無人店舗など次世代型店舗の普及も進むと見られ、これらとオンラインサービスが一体となったOMO戦略が必要となり、そのなかでUX向上の鍵を握るオウンドメディアの重要性が一層高まっていくものと予想される。

また、ここ最近はネットの個人データ保護を強化する動きが出ている点も追い風となる。Google、Apple等は、外部の企業が個人ユーザーのネット閲覧履歴などを把握する仕組みを制限する方針を打ち出している(3rd Party Cookieの取得制限)。この影響により、自社のWebサイトを訪問したユーザーに広告を表示させる時に、個人をトラッキングするような広告ができなくなるため、ネット広告の費用対効果は従来と比較して低下する可能性が高くなる。一方で、企業が個人データを取得する場(1st Party data)としてのオウンドメディアの重要性は増すことになり、オウンドメディアの設計・構築や基幹システムとの連携に対する投資を拡充する企業は増加していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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