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【特集】大幸薬品 Research Memo(1):2021年12月期第1四半期は減収及び損失計上

大幸薬品 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。

2021年12月期第1四半期(1月~3月)は、売上高が3,271百万円(調整後前期比21.3%減)、営業損失が190百万円(調整後前期は569百万円の利益)、経常損失が232百万円(同517百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が147百万円(同275百万円の利益)と、減収及び損失計上となった。

売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴い衛生管理意識が急激に高まり、感染管理事業が記録的な売上高となった前年同期と比較すると21.3%減だが、前々年同期との比較では28.6%増の水準となった。国内医薬品事業の売上高は596百万円(前年同期比13.6%減)となり、コロナ禍に伴う消費者の外出自粛及びインバウンド需要の消失という前年からの流れは変わらなかった。主力のセイロガン糖衣Aをはじめ他商品も同様に販売が減少。海外医薬品事業の売上高は303百万円(同88.2%増)と中国向けの出荷のタイミングが早まったために増収となったものの、各国ともに現地での需要は低水準のまま推移した。感染管理事業の売上高は、2,368百万円(同28.3%減)となった。消費者の衛生管理意識は前期からの高い状態のまま続いたものの、コロナ禍の長期化による不安度の鈍化や、ワクチン接種が始まったこと等から、前年同時期に発生した突発的な需要が消失した。また、除菌関連製品の流通在庫が他社品を含めて厚く、販売は低調に推移した。商品別では、主力である「クレベリン」及び日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も減少幅は同程度。強化をしている業務用製品の売上高は478百万円(同5.9%増)と伸ばした。

売上総利益は感染管理事業の売上減少に伴い減少した。販管費に関しては、運送費や広告宣伝費が増えたものの、販売促進費や支払手数料等が減少し販管費全体は減少した。減収により販管費率は前期比で11.4ポイント上昇した。結果として、営業損失190百万円の計上となった。セグメント利益では医薬品事業が287百万円の利益(前年同期は8百万円の損失)、感染管理事業は97百万円の損失(前年同期は953百万円の利益)と明暗が分かれた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《AS》

 提供:フィスコ

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