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【市況】エーザイの上昇が日経平均を下支え/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 8日の日本株市場は引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。7日の米国市場ではNYダウが126ドル安だった。5月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見姿勢が強いなか、足元で株価上昇が続いていた景気敏感株を中心に利益確定の売りに押され、終日マイナス圏での推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比120円高の29140円。円相場は1ドル109円20銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。なお、米食品医薬品局(FDA)は、エーザイ<4523>と米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー型認知症治療薬候補「アデュカヌマブ」を承認した。米当局がアルツハイマー治療薬を承認するのは初めてとなり、これを受けてバイオジェンは38%超の上昇となった。ナスダッは上昇したものの、バイオ株のインパクトによる影響が大きく、ハイテク株は全般弱含みであった。

 そのため、シカゴ先物にサヤ寄せする形となったとしてもエーザイのインパクトによるところであり、市場全体への物色に広がりをみせてくる動きは期待しづらいところ。昨日の先物市場の手口を見てもロールオーバー中心の取引と観測される。限月間スプレッドの商いも膨らんでいる状況であることから、方向性は出にくいと考えられる。エーザイの上昇分をヘッジする形で先物への買いも見られそうだが、インパクトは限られそうである。

 そのため、日経平均は引き続き75日線を上値抵抗としたこう着感の強い相場展開になりそうであり、物色としては個別の材料株への短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりやすいだろう。そのほか、米国では景気敏感株を中心に利益確定の動きが目立っていたこともあり、ややグロース株への物色を意識した動きも出てくる可能性があるため、注目しておきたいところ。
《AK》

 提供:フィスコ

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