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【市況】ハイテク株の自律反発を意識しつつも、決算を手掛かりとした個別物色の流れに/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 12日の日本株市場は神経質な相場展開が見込まれる。11日の米国市場ではNYダウが473ドル安だった。サイバー攻撃により主要パイブラインの操業が停止されたことが響き、給油所ではガソリン不足が報告されており、価格の先高感がさらなるインフレ懸念につながった。さらに、中東の混乱が激化したため、売りが加速。しかし、引けにかけ、押し目からの買いにハイテク株が回復すると、NYダウも下げ幅を縮小している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の28615円。円相場は1ドル108円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から売り先行の展開になりそうだ。日経225先物はナイトセッションで28260円まで下落する場面も見られていることから、売り仕掛け的な動きも警戒しておきたいところである。一方で米ハイテク株は売り一巡後に買い戻しの動きを見せているほか、NYダウは支持線レベルでの下げ渋りとなっており、いったんは調整一巡が意識されやすい面はありそうだ。日経平均は昨日の大幅下落によってもち合いレンジを下放れてきているものの、自律反発の動きも意識されてこよう。週足では26週線が28435円辺りに位置していることもあり、同水準での底堅さを見極めたいところだ。

 もっとも、自律反発を期待しつつも、決算発表がピークを迎えている中では商いは膨らみづらく、薄商いのなかをインデックス売買に振らされやすい状況である。また、米国では中東の混乱激化による地政学リスクが警戒視されてきており、VIX指数は21.84に上昇し75日線を突破してきている。地政学リスクへの警戒からリスク回避姿勢を強めてくることも考えられるため、積極的な売買は手控えられそうだ。

 物色の流れとしてはハイテク株の自律反発を意識しつつも、決算を手掛かりとした個別物色の流れに。また、マザーズなどの中小型株については昨日の大幅下落によって需給が悪化している銘柄も多いことから、時価総額上位の銘柄を避け、決算やテーマ性などに絞った銘柄への物色に向かわせよう。

《AK》

 提供:フィスコ

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