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【材料】<動意株・10日>(大引け)=ホクシン、東洋紡、アートSHDなど(その1)

 ホクシン<7897>=大幅高。同社は兼松系のMDF(中質繊維板)トップメーカーで、特に住宅用建材などで強みを発揮する。現在、米国での住宅ブームが盛り上がっており、これに伴う木材需要の逼迫で木材価格が高騰している。木材価格は直近1年間で約6倍化する状況にあるが、市場では「このウッド・ショック(木材価格上昇)は、現実の需要を背景としたもので少なくとも突発的なバブルではない。低金利環境下で住宅需要は中期的に継続することが予想され、関連銘柄への物色人気も波状的に続きそうだ」(ネット証券ストラテジスト)という指摘がある。そのなか、同社株は低位株にもかかわらず高水準の空売りを呼び込み、直近信用倍率は0.88倍と売り買いが拮抗する状態にある。売り残だけでなく買い残も増加していることがポイントで需給相場の様相を呈している。

 東洋紡<3101>=後場一段高。同社はきょう午後1時頃に、21年3月期通期の連結決算を発表。売上高は前の期比0.6%減の3374億600万円(従来予想は3350億円)、経常利益は同14.8%増の207億600万円(従来予想は160億円)となった。工業用フィルムの売り上げが堅調に推移したほか、PCR関連の検査用原料や研究用試薬の販売が伸びたことなどが寄与した。あわせて公表した22年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比6.7%増の3600億円、経常利益が同6.2%増の220億円を見込む。PCR検査用試薬や遺伝子検査装置の提供に注力するほか、情報機器需要に対応するためセラミックコンデンサ用離型フィルム「コスモピール」や液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」の増産を計画している

 アートスパークホールディングス<3663>=一気に高値更新。車載向けやデジタル機器向けソフト開発を手掛ける。最近はグラフィック分野のクリエーター向けにイラスト制作ソフトの販売に傾注し、収益に結びつけている。同社が7日取引終了後に発表した21年12月期第1四半期(21年1~3月)決算は営業利益が前年同期比2.9倍の4億2100万円と急増した。これは通期予想9億2200万円(前期比19%増)に対する進捗率で46%に達しており、増額修正期待を背景に物色人気化した。

 セイコーホールディングス<8050>=大幅高で年初来高値更新。前週末7日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、営業利益が2億円から21億9400万円(前の期比64.2%減)へ、純利益が10億円から34億7500万円(同2.4%増)へ上振れ、最終損益が一転増益で着地したようだと発表しており、これが好感されている。売上高は2050億円の従来予想に対して2026億7100万円(同15.3%減)とやや下振れるものの、第4四半期(1~3月)に「グランドセイコー」や「セイコープロスペックス」などの高付加価値製品の販売が好調に推移したことが利益を押し上げた。また、外部環境の変化に合わせた広告宣伝販促費やその他営業費用の削減の取り組みが進んだこと、為替レートが円安傾向に推移したことなども寄与した。なお、期末配当予想は12円50銭から25円に引き上げられ、年間配当は37円50銭(前の期75円)となる。

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