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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

nms <日足> 「株探」多機能チャートより

■nms <2162>  399円 (+80円、+25.1%) ストップ高

 製造派遣・請負を手掛けるnms ホールディングス <2162> [JQ]がストップ高。4月30日の取引終了後、21年3月期の連結営業利益を従来予想の6億円から6億8500万円(前の期比25.5%減)へ上方修正すると発表しており、これが好感されたようだ。第2四半期に入り、中国の経済活動回復が顕著となり、国内においてもHS事業を中心に半導体・電子部品関連などの繁忙な業種で需要が堅調に推移したことが要因。また、グループ全体で徹底した固定費削減策を実行した効果も寄与した。一方、為替差損の発生に加え、新型コロナウイルス感染症関連損失と事業構造改革費用を計上したことで、最終損益は7億3500万円の赤字(従来予想は3億円の赤字)に下方修正している。

■伯東 <7433>  1,527円 (+279円、+22.4%)

 東証1部の上昇率2位。伯東 <7433> が続急騰。株価は4月30日比18.5%高の1480円まで上値を伸ばし、年初来高値を更新した。4月30日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比68.4%増の36億300万円で着地し、続く22年3月期も前期比5.5%増の38億円に伸びる見通しとなった。これを好材料視する買いが向かった。今期は電子部品事業で回復基調にある自動車、産業機器、民生機器向けの伸長を計画するほか、今後も拡大が予想されるパソコンなどリモート関連機器分野の販売を強化する方針。また、電子・電気機器事業では、真空機器や露光装置の受注獲得に注力する構えだ。同時に、前期の年間配当を50円から60円(前の期は50円)に増額し、今期は60円を継続する方針とした。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の7.29%にあたる150万株または18億円を上限に自社株買いを実施することも発表しており、株主還元の拡充も好感された。

■シンクレイヤ <1724>  873円 (+150円、+20.8%) ストップ高

 シンクレイヤ <1724> [JQ]がストップ高。4月30日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を114億円から118億円(前期比8.3%増)へ、営業利益を6億1000万円から8億4000万円(同9.8%増)へ、純利益を4億1500万円から6億円(同13.4%増)へ上方修正し、減益予想から一転して営業増益予想としたことが好感された。主に通信事業者向け機器販売及びケーブルテレビ事業者向けFTTH関連工事の受注状況が想定よりも好調に推移しており、通信用光端末器の受注が計画を上回ったことに加えて、工事も順調な進捗となっていることから、利益面での改善が見られるとしている。また、製造原価の低減に加え、販管費も予算を下回る見込みとしている。

■Gダイニング <7625>  302円 (+46円、+18.0%)

 グローバルダイニング <7625> [東証2]が急騰。同社は4月30日取引終了後に、21年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算を発表。営業損益が1億9600万円の黒字(前年同期は3億3800万円の赤字)に浮上したことが好感されたようだ。売上高は前年同期比20.6%増の20億4700万円で着地した。コストの見直しなど収益性の改善に取り組んだことが奏功。レストラン別では、イタリアンの「ラ・ボエム」やエスニックの「モンスーンカフェ」、創作和食「権八」などが堅調だった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■アズーム <3496>  4,825円 (+700円、+17.0%) ストップ高

 アズーム <3496> [東証M]がストップ高に買われた。4月30日の取引終了後に発表した21年9月期上期(20年10月-21年3月)の連結経常利益は前年同期比5.7倍の2億5200万円に急拡大して着地。従来予想の1億8000万円を大きく上回っており、これが好材料視された。月極駐車場ポータルサイト「CarParking」への問い合わせ件数が増加し、想定以上に駐車場紹介件数とサブリースの稼働台数が大きく伸びたことが寄与した。また、引き続き経費全般のコントロールを実施したことも利益拡大につながった。なお、通期計画は従来予想の4億5000万円を据え置いている。

■リケンテクノ <4220>  560円 (+78円、+16.2%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率3位。リケンテクノス <4220> が急反騰。一時ストップ高に買われ、一気に25日移動平均線を上回った。塩ビコンパウンドのトップメーカーで自動車業界向けや生活資材関連など幅広い需要を取り込んでいる。同社が4月30日に発表した22年3月期業績予想は、売上高が前期比19%増の1050億円と大きく伸び、営業利益も増収効果を反映して同22%増の65億円を予想している。これを手掛かり材料に投資マネーが集中する形となった。足もとで医療市場や食品包材市場で販売が増加しているほか、抗ウイルスフィルムが売り上げを伸ばし業績に貢献している。また、今期は自動車向け需要が底入れ反転し収益を押し上げそうだ。PERが10倍未満でPBR0.6倍台と指標面の割安さが際立つ。

■カーメイト <7297>  1,080円 (+150円、+16.1%) ストップ高

 カーメイト <7297> [JQ]がストップ高の1080円に買われた。4月30日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が148億円から157億2300万円(前の期比5.9%減)へ、営業利益が5億5300万円から13億6100万円(同48.1%増)へ、純利益が3億2300万円から9億2200万円(同38.6%増)へ上振れ、減益予想から一転して営業増益で着地したようだと発表したことを受けて買いを集めた。新型コロナウイルス感染症の影響が想定を下回ったことに加えて、グループ全体で取り組んできたトータルコストの削減などにより収益性が改善したことが利益を押し上げた。

■スクロール <8005>  1,092円 (+92円、+9.2%)

 東証1部の上昇率5位。スクロール <8005> が急反発。同社は5連休前の4月30日取引終了後21年3月期業績予想の修正を発表。営業利益段階で従来予想の64億円から73億8500万円(前の期比3.4倍)に大幅増額した。21期ぶりに過去最高営業利益を更新する。これまでの過去最高は2000年3月期の23億8700万円だったが、その時の3倍以上と驚異的な伸びとなった。同社は若年女性層向けを中心としたアパレルや生活雑貨などを主力にカタログ通販やeコマースを展開、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が高まった巣ごもり消費を捉え業績に反映させた。年間配当も従来計画の52円から60円に増額した。前の期実績は10円であり、50円の増配となる。

■日本製鉄 <5401>  2,050円 (+143円、+7.5%)

 日本製鉄 <5401> が続急伸。一時165円高の2072円と急伸したほか、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、神戸製鋼所 <5406> など鉄鋼株の上昇が際立った。業種別上昇率で「鉄鋼」は6%を超える急騰となり、東証1部33業種中で断トツ。欧米を中心に新型コロナウイルスのワクチン普及を背景とした景気回復期待が強まっている。米国ではハイテク株が利食われる一方、堅調な経済指標の発表などを受けて景気敏感株に買いが集まり、NYダウが史上最高値を更新するなどその傾向が一段と顕著だ。グローバル経済の回復局面では、インフラ投資などの政策的追い風も考慮して鋼材需要で恩恵を受けやすいのが鉄鋼業界。日本製鉄は22年3月期業績の急回復観測などがメディアで報じられたことなども物色人気を助長した。

■牧野フ <6135>  4,415円 (+295円、+7.2%)

 牧野フライス製作所 <6135> が急反発。4月30日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常損益は13億7400万円の赤字(前の期は41億3000万円の黒字)に転落したが、従来予想の36億円の赤字を上振れて着地。続く22年3月期は26億円の黒字に回復する見通しとなり、これを好感する買いが入った。前期業績の上振れは米国と中国で売り上げが増加したことに加え、為替差益が発生したことが要因。今期は国内で半導体製造装置や自動車向けを中心に受注が増加するほか、中国では電子部品関連の金型向け受注が好調を維持する計画だ。併せて、今期配当は前期比10円増の30円に増配する方針としており、これも好材料視された。

■三井物産 <8031>  2,456円 (+152.5円、+6.6%)

 三井物産 <8031> や住友商事 <8053> 、三菱商事 <8058> 、双日 <2768> といった商社株が軒並み高。三井物の株価は一時、連休前の4月30日終値に比べ8%超高に買われ年初来高値を更新した。同社は同日の後場に決算発表を行い、22年3月期の連結純利益は前期比37%増の4600億円と10期ぶりの最高益更新予想を明らかにした。鉄鉱石や原油価格の上昇など資源高が業績拡大の牽引役となる。今期配当は前期比5円増の90円と連続増配予想。同時に、3000万株(発行済み株式数の1.8%)、500億円を上限とする自社株買いも発表した。また、同日に決算を発表した双日の22年3月期の連結純利益は前期比96%増の530億円の大幅増益の見込み。5000万株(発行済み株式数の4.2%)、150億円を上限とする自社株買いを発表している。これを受け、今後決算を発表する住友商や三菱商にも連想買いが流入した。

■アイカ <4206>  4,120円 (+240円、+6.2%)

 アイカ工業 <4206> が続急伸。同社は4月30日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比13.6%減の184億円になったが、22年3月期は前期比16.1%増の214億円に拡大を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。同時に、前期の年間配当を106円→107円(前の期は106円)に増額し、今期も前期比1円増の108円に増配する方針とした。

■CTS <4345>  897円 (+51円、+6.0%)

 シーティーエス <4345> が続急伸。4月30日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比17.0%増の21億2700万円で着地。続く22年3月期も前期比8.1%増の23億円に伸びる見通しを示し、11期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好感された。今期は建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction」をはじめ、ICTを活用した省人・省力化のニーズが更に高まるなか、システム事業と測量計測事業の業績が伸長する計画だ。併せて、前期の年間配当を13円70銭から14円(前の期は12円20銭)に増額し、今期は前期比1円増の15円に増配する方針とした。また、発行済み株式数(自社株を除く)の0.7%にあたる30万株または3億円を上限に自社株買いを実施すると発表したことも評価材料となった。

■日本MDM <7600>  2,232円 (+118円、+5.6%)

 日本エム・ディ・エム <7600> が急反発。同社は4月30日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比17.7%減の21.2億円になったが、22年3月期は前期比24.7%増の26.5億円に拡大する見通しとなった。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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