市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物【引け後コメント】 クレディスイスの決算発表でアルケゴス懸念も後退か


大阪6月限
日経225先物 29120 +580 (+2.03%)
TOPIX先物 1921.0 +30.5 (+1.61%)

 日経225先物(6月限)は前日比580円高の2万9120円と大幅に反発して取引を終了。寄り付きは2万8840円とシカゴ先物清算値(2万8885円)にサヤ寄せする形からギャップアップで始まった。2万8790円とやや軟化するも下値は堅く、その後はショートカバーを交えての切り返しとなり、前場半ばに2万9000円、前引けには2万9100円を回復。後場は狭いレンジながらも2万9000円を上回って推移し、引けにかけてのショートカバーにより一時2万9180円まで上昇幅を拡大した。

 日経225先物はギャップアップで始まった後も底堅い値動きを見せていたが、短期のヘッジファンドによるショートカバーを交えての上昇と考えられる。前場時点で2万9000円を回復し、自律反発としては達成感が意識されやすい水準ではあった。しかし、後場は同水準を上回っての推移が続いたことから、引けにかけてのショートカバーを誘った格好。政府は23日にも4都府県に対して緊急事態宣言を発令する見通しであり、発出要請をトリガーとした短期のショートポジションの解消もあったとみられる。

 また、後場の強い動きの要因としては、クレディスイスの決算発表が材料視された面もありそうだ。1-3月期の純損失は日本円で約300億円の赤字と伝わり、アルケゴス関連の損失計上が響いた形であるが、これにより整理は一巡したとの見方に向かわせたようである。アルケゴス関連の処分売りの影響を受けて急落していたバイアコムCBS株は、21日の米国市場では8%弱上昇していた。そのため、22日の米国市場においても、クレディスイスの決算を受けて悪材料出尽くしとの見方に繋がるようだと、センチメントの改善に向かわせよう。

 日経225先物は75日移動平均線を回復し、目先的には同線が位置する2万9000円を固める動き。また、5日線は2万9130円に切り下がってきたため、大きな波乱がなければ結果的に同線もクリアしてくる可能性は高い。また、2万9180円辺りに位置する13週移動平均線を週末の終値で上回ってくるようだと、同線を支持線とする見方は継続する。荒い値動きには引き続き警戒する必要があるものの、次のターゲットは25日線の2万9350円辺りとなる。

 なお、NT倍率は先物中心限月で15.15倍と引き続きレンジ内で推移。ただし、一時15.20倍まで上昇し、レンジの上限レベルを捉えており、上放れを想定したNTロングのポジションに向かわせよう。

 手口面では、日経225先物はABNアムロが4010枚程度の売り越しに対して、野村が2070枚、シティが1230枚、JPモルガンが970枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はソジェンが6090枚程度の売り越しに対して、野村が2500枚、ドイツが1480枚、JPモルガンが1440枚程度の買い越しだった。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均