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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ソースネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■ソースネクス <4344>  326円 (+16円、+5.2%)

 ソースネクスト <4344> が5日ぶりに急反発。株価は一時、前週末に比べ9%高に買われた。岩井コスモ証券は5日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は450円に設定した。AI(人工知能)通訳機「ポケトーク」の低迷を受け、同社の株価は軟調に推移しているが、同証券では割安とみており、投資妙味が大きいと指摘。アップデートによって魅力が向上しており、海外旅行の回復があれば圧倒的シェアを握るポケトークの急回復が見込めるとみている。更に、ポケトークで得たノウハウが無形資産となって企業価値を高めている点も評価している。

■ニッタ <5186>  2,613円 (+126円、+5.1%)

 ニッタ <5186> が大幅高で4日続伸。前週末5日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を45万株(発行済み株数の1.57%)、または16億円としており、取得期間は3月8日から5月31日まで。資本効率の向上や株主還元の強化を目的とした資本政策の遂行を可能とすることが目的という。

■国際石開帝石 <1605>  848円 (+37円、+4.6%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> が高い。5日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の4月限が前日4日比2.26ドル高の1バレル=66.09ドルに上昇。特に、8日の時間外取引で一時67.86ドルと18年10月以来、2年5ヵ月ぶりの高値圏に値を上げた。米2月雇用統計が市場予想を上回り米景気回復に対する期待が強まった。また、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が7日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの主要輸出施設などに向けてドローンやミサイルを発射した、と伝えられており中東情勢への懸念から原油価格が上昇している。

■オンワード <8016>  297円 (+12円、+4.2%)

 オンワードホールディングス <8016> が4日続伸。前週末5日の取引終了後、イタリア子会社が保有するブランド「ジル・サンダー」をイタリアのアパレル大手であるOTBに売却すると発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響で海外事業の経営環境が悪化するなか、不採算となっていた事業を整理し、成長分野に対する経営資源の集中を一段と進めるのが狙い。譲渡価額は非開示で、3月中に株式譲渡を実施する予定。なお、同件による影響は22年2月期に計上される。

■武田 <4502>  3,905円 (+147円、+3.9%)

 武田薬品工業 <4502> が買い人気を集め3日ぶり大幅反発。前週後半は調整色をみせたものの3月に入ってからの上げ足の速さが際立っている。同社は前週末5日取引終了後、米モデルナの新型コロナウイルス感染症メッセンジャーRNAワクチンの輸入及び日本での製造販売承認を申請したことを発表、これが足もとの株価を刺激している。これが承認されれば、同社は2021年前半から5000万回接種分を国内で順次供給する予定にあり、新型コロナウイルス克服に向けた思惑が一段と膨らんでいる。

■日本製鉄 <5401>  1,758円 (+56.5円、+3.3%)

 日本製鉄 <5401> が大幅続伸。昨年1月20日の高値1747.5円を上回り、約1年2ヵ月ぶりに昨年来高値を更新した。ここ世界的に新型コロナウイルス収束への期待を背景とした経済回復への思惑が高まりをみせた。特に米国ではバイデン政権下で1兆9000億ドル規模の大型追加経済対策が現実化の方向となり、景気を強く刺激するとの見方が強い。同社株をはじめ鉄鋼セクターはグローバル景気敏感株としての側面から買いを引き寄せている。

■野村 <8604>  663.4円 (+20.4円、+3.2%)

 野村ホールディングス <8604> が大幅に4日続伸。5%を超える上昇で680円近辺まで上値を伸ばし2月15日につけた昨年来高値662.2円を払拭、約3週間ぶりに新高値をつけた。同社株は前週から上値追い態勢を強めており、前週後半の全体相場の波乱局面でもプラス圏で着地する頑強ぶりをみせていた。米長期金利の動向は懸念されるなかも、マーケットを取り巻く流動性資金は潤沢で、証券セクターには追い風が意識されている。同社株はPERやPBRの割安さが着目されている。

■ラウンドワン <4680>  1,117円 (+33円、+3.0%)

 ラウンドワン <4680> が大幅続伸。5日の取引終了後に発表した2月度売上高(速報)は前年同月比29.8%減と前年割れが続いたものの、1月の同35.2%減から減収率が改善していることが好感された。なお、土日祝日数が1日少なかったことを勘案すると、実質27%減程度であったとしている。

■三菱UFJ <8306>  581円 (+16円、+2.8%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、第一生命ホールディングス <8750> など堅調な値運び。ここ日米株式市場ともに米10年債利回りの動向に振り回されているが、直近では好調な2月の米雇用統計発表などを背景に、1.6%台に再浮上するなどでハイテクセクターなどグロース株には向かい風が意識されている。一方、大手金融機関は運用利ザヤの拡大期待が収益にプラスメリットをもたらすとの見方で株価には追い風材料となった。三菱UFJは配当利回りが4%を超えるなど、3月期末を前にインカムゲイン狙いの買いも誘導した。

■Jフロント <3086>  1,108円 (+27円、+2.5%)

 J.フロント リテイリング <3086> が大幅高で4日続伸。SMBC日興証券が5日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を1000円から1300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、21年2月期にコスト管理強化を実現。免税売り上げの回復見通しはまだ立たないが、国内客売り上げは富裕層消費の強さゆえ底堅いと評価。既に株価に反映されつつあるが、ワクチンや株高効果などによる百貨店事業の回復に期待としている。また、パルコ事業にも注目しているという。

■セプテニHD <4293>  413円 (+8円、+2.0%)

 セプテーニ・ホールディングス <4293> [JQ]が4日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が5日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を490円から570円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、20年10-12月期はデジタルマーケティング事業の収益が前四半期比で増加した点がポジティブであったと評価。これを受けて、21年9月期の営業利益予想を32億円から40億円へ、22年9月期を同38億円から45億円へ上方修正している。

■三機工 <1961>  1,406円 (+21円、+1.5%)

 三機工業 <1961> が6日続伸。前週は日経平均が波乱展開となるなかも、わが道を行く展開で5日続伸と気を吐いたが、8日も目先筋の利食いをこなしプラス圏で推移。三井系の総合設備工事大手だが、21年3月期はコロナ禍で大幅減益予想も株価的には織り込み済み。産業空調分野で旺盛な5G関連や半導体向け需要が貢献する形で22年3月期は2ケタ増益で切り返す公算が大きい。PER、PBRなど株価指標面からも割高感に乏しく、昨年1月初旬につけた昨年来高値1563円奪回が視界に入っている。

■象印 <7965>  1,790円 (+26円、+1.5%)

 象印マホービン <7965> が続伸。同社は5日取引終了後に、中国の大手家電メーカーである広東格蘭仕集団と共同開発契約を締結したと発表。今後の展開が期待されたようだ。両社は取り扱う製品の重複が少なく、企画・開発・製造プロセスの得意領域も異なることから、製品の共同開発で相乗効果が生み出しやすく、付加価値の高い製品を効率的に開発・製造することが可能になるとの認識で一致。今回の契約に至ったとしている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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