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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

イグニス <日足> 「株探」多機能チャートより

■イグニス <3689>  2,242円 (+400円、+21.7%) ストップ高

 イグニス <3689> [東証M]がストップ高。前週末5日の取引終了後、MBOの一環として、普通株式と新株予約権についてTOBを実施すると発表しており、普通株のTOB価格である3000円にサヤ寄せする格好となった。銭(せん・こん)社長や代表取締役CTOの鈴木貴明氏、米投資ファンドのベインキャピタルが出資するi3(東京都千代田区)が同社の非公開化を目指して行うもので、買付予定数は876万1149株(下限・上限設定なし)、買付期間は3月8日から4月19日までとしている。TOB成立後、イグニスは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は、同社株式を3月5日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■ニレコ <6863>  1,013円 (+150円、+17.4%) ストップ高

 ニレコ <6863> [JQ]がストップ高となる1013円まで買われた。同社子会社の光学技研に関して、8日付の日刊工業新聞で「従来よりも小型で広い帯域の光波長を制御できるフレネルロム(菱面体)『超広帯域位相子』を開発した」と報じられており、これが材料視されたようだ。記事によると、半導体の微細化が進展するなか、半導体の製造装置や検査機では従来の位相子より短い真空紫外線の波長を使って露光や検査をする必要があるという。光学技研が今回開発した位相子は制御できる波長の帯域が広く、コンパクトで使い勝手も良いことから、こうしたニーズへの対応に役立つとみられており、今後半導体の製造や検査機器メーカーに提案するとしている。

■丸順 <3422>  1,030円 (+150円、+17.1%) ストップ高

 丸順 <3422> [名証2]がストップ高。5日の取引終了後、東京証券取引所から3月12日付で、東証2部市場への新規上場を承認されたと発表しており、これが好感された。同社は、主にホンダ <7267> 向けに車体プレス部品などを一貫生産しており、21年3月期連結業績予想は売上高420億円(前期比13.5%減)、経常利益32億円(同15.9%減)を見込んでいる。

■宮越HD <6620>  1,109円 (+150円、+15.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。宮越ホールディングス <6620> がストップ高。8日付で自社サイトのトップメッセージを更新し、「2030年に時価総額1兆円 少数精鋭のエクセレントな投資会社へ飛躍」としたことが好材料視された。長期戦略の第1号大型投資案件として、中国・深セン市に計画している都市開発プロジェクトのワールド・イノベーション・センター(WIC)を予定。また、数年内に中国当局との歴史的な友好関係を武器に同国における投資拡大を検討するとしている。

■エコミック <3802>  1,130円 (+150円、+15.3%) ストップ高

 エコミック <3802> [JQ]がストップ高に買われた。8日午後1時30分ごろ、3月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、より投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。同時に、21年3月期の期末一括配当予想を10円から12円に引き上げると発表しており、これも好材料視された。4月28日にジャスダック市場に上場したのを記念して、2円の記念配当を行うという。

■メディアS <4824>  692円 (+83円、+13.6%) 一時ストップ高

 メディアシーク <4824> [東証M]が急反騰。9日午前11時45分ごろに発表した第2四半期累計(20年8月-21年1月)連結決算が、売上高13億500万円(前年同期比18.9%増)、営業利益1億6300万円(同13.6倍)、純利益7800万円(同9.8倍)と大幅増益となったことが好感された。法人事業で、国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティングサービスが伸長した。また、コンシューマー事業で「バーコードリーダー/アイコニット」を中心としたスマートフォン向け広告収入のほか、スマートフォン向け恋愛シミュレーションゲームなど各種情報サービスによる売り上げが順調に推移した。なお、21年7月期業績予想は引き続き未定としている。

■アイル <3854>  1,758円 (+191円、+12.2%)

 東証1部の上昇率2位。アイル <3854> が5日ぶりに急反騰し一時、5日比13.5%高の1778円に買われた。前週末5日の取引終了後、21年7月期連結業績予想について、売上高を123億5000万円から127億2300万円(前期比0.3%増)へ、営業利益を12億円から16億円(同5.9%減)へ、純利益を7億8400万円から10億4600万円(同12.0%減)へ上方修正し、あわせて12円を予定していた年間配当予想を15円に引き上げたことが好感された。2度目の緊急事態宣言による業績への影響が想定を下回る見込みとなることに加えて、リモートワークやオンラインでの社内外会議を推進し業務効率化を図ることが可能となり、業績に貢献するとしている。なお、第2四半期累計(20年8月-21年1月)決算は、売上高65億9600万円(前年同期比5.2%減)、営業利益9億5400万円(同22.2%減)、純利益6億3500万円(同21.5%減)だった。

■大豊工業 <6470>  850円 (+80円、+10.4%)

 東証1部の上昇率4位。大豊工業 <6470> が続急騰、10%を超える上昇で800円台半ばまで一気に水準を切り上げた。トヨタ系自動車部品メーカーで軸受けやアルミダイカスト製品、金型などを製造している。21年3月期業績は前期に続いて大幅減益見通しながら、トヨタ自動車 <7203> の業績拡大に歩調を合わせ足もとの収益環境は改善傾向。世界的な自動車販売の好調を受け22年3月期の利益復元への期待が大きい。モーターや電気自動車(EV)向けバッテリーなど電動化製品への取り組みに積極的なほか、100%子会社を通じ再生炭素繊維を使用したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の技術開発に対する思惑もある。有配企業にしてPBR0.4倍台は割安。

■ナガオカ <6239>  735円 (+56円、+8.3%)

 ナガオカ <6239> [JQ]が急反発。9日午後2時30分ごろ、中国子会社の那賀設備(大連)が、スクリーン・インターナルを大口受注したと発表しており、これが好感された。以前に同社が納入した中国のプロピレン・プラントで設備更新需要があり、納入実績のある同社製品が採用されたという。受注金額は約4億円で、納期は21年9月。同社では今回の受注により他の案件も含めた生産計画の見直しを行うとしており、21年6月期業績予想に修正の必要が生じた場合には速やかに開示するという。

■重松製 <7980>  1,042円 (+73円、+7.5%)

 重松製作所 <7980> [JQ]が続急伸。前週末5日の取引終了後、21年3月期の単独業績予想について、売上高を120億円から126億円(前期比8.6%増)へ、営業利益を5億5000万円から7億2000万円(同2.3倍)へ、純利益を4億2000万円から5億3000万円(同2.0倍)へ上方修正し、従来10円を予定していた期末一括配当を12円50銭に引き上げるとあわせて発表したことが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大により期初から急増した感染症対策用保護具の受注が第4四半期に入っても好調を維持しており、引き続き高い水準で推移することが見込まれるためという。また、主要顧客である製造業の受注動向も、輸出や生産活動の持ち直しを反映して、受注の落ち込み幅が想定よりも小さくなるとみているという。

■共和工業 <5971>  4,580円 (+320円、+7.5%)

 共和工業所 <5971> [JQ]が続急伸。前週末5日の取引終了後、21年4月期の連結業績予想について、売上高を73億円から80億円(前期比1.4%減)へ、営業利益を2億6000万円から5億8000万円(同41.6%増)へ、純利益を3億8000万円から6億円(同47.3%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響から受注の減少を見込んでいたものの、建設機械業界向けの需要の回復が想定より早まったことに加えて、諸経費の抑制に努めたことが寄与した。なお、第3四半期累計(20年5月-21年1月)決算は、売上高54億5500万円(前年同期比12.9%減)、営業利益2億800万円(同37.7%減)、純利益3億2700万円(同2.0%減)だった。

■エノモト <6928>  2,001円 (+138円、+7.4%)

 東証1部の上昇率10位。エノモト <6928> が急反発。前場に182円高と値を飛ばして2000円大台を回復、新高値に買われた。後場も全体相場が軟化するなかで逆行高、6%を超える上昇で1900円台後半の売り物をこなし異彩を放った。8日は、半導体関連セクターの株価は朝高後にマイナス圏に沈む銘柄も多く、リードフレームなど半導体用部品を手掛ける同社株にも風向きは悪いが、PER11倍前後でPBR0.8倍近辺の割安さが押し目買いを誘った。業績好調で21年3月期営業利益は15億円予想と前期比2ケタ成長を達成する見通し。また、年間配当は前期実績に5円増配の40円を計画、期末一括配当ということもあってキャピタルゲイン狙いの買いも誘導した。

■三桜工 <6584>  1,071円 (+69円、+6.9%)

 三櫻工業 <6584> が急反発、5日移動平均線を足場に一時72円高の1074円と値を飛ばした。自動車用チューブや配管部品を手掛け、独立系ながら商品シェアで群を抜いている。米中をはじめとする世界的な自動車販売需要の回復が同社の業績面に追い風となり、21年3月期第3四半期単独(20年10-12月)では営業利益段階で前年同期比2.7倍という高変化をみせ31億4300万円を稼ぎ出した。これにより4-9月期までの24億8000万円の赤字を払拭し更に6億6300万円を上乗せした。「同社株に対するマーケットの見方も変わっているが、株価面では既に22年3月期の業績V字回復を買う流れにある」(中堅証券アナリスト)状況だ。出資先企業による全固体電池分野への展開力も株高思惑を助長している。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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